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5章.盗賊見習いと竜見習い
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それは三度目の見回りの最中だった。何の変化も無く、退屈だと感じた、その一瞬、事は今までに感じた事のない気配を感じた。それは心の奥底に響くような怖れを抱かせるようなものだった。思わず身震いしてしまった。慌てて周囲の様子を伺ったが、変化は感じられなかった。
(風邪でも引いたか)
そんな事を少し考えたが、それとは違っている気がした。すぐに報告に行くべきか悩んだが、何の証拠もなければ相手にされない気がした。気のせいだと言われれば、それまでだし、それをネタにされ、臆病者だから、怖気づいているから、何でも怖がるんだなんて言われたら目も当てられない。少し迷った後、もう少しだけ様子を探ってみる事にした。万が一、敵か何かを見つければ、自分の手柄に出来るかもしれない。そういう思いもあったからだ。注意深く、耳を澄ますと微かに木が擦れるような音がした。何かがいる事は間違いないと思った。人だろうか。それだったら、もっと大きな音になる気がする。動物か魔物だろうか。でも、特有な気配も感じられなかった。恐る恐るそこに近づいたコトが見たのは、これまで見たことも無かった魔物の姿だった。
リアリは少し油断をしていた。この先をどうするかと言う事を未だに考えて悩んでいたからだった。うっすらと何かが近づく気配と言うのは感じていたが、それを重要な事だとは考えていなかった。だから、驚くほどあっさりとコトに見つかってしまった。
コトは竜となったリアリの姿を見て、神々しさを感じてしまった。さっき感じた一瞬の怖れと言うのが何か分かった気がした。
リアリは、コトが自分の姿を見た時、どうしようかと少し迷った。このまま、何事も無かったように去ってしまうのもひとつの方法でそれが一番無難な気がした。珍しい魔物が一匹いたくらいでは大騒ぎにはならないだろうと思ったのだ。ただ、そうしなかった。あれこれと悩んでいたことから来た気まぐれか、それとも、コトの態度に興味を示したからなのか、分からなかったが、その場所に居続ける事をリアリは選んだ。
コトは恐る恐ると言う感じで、リアリに近づいていった。すでに自分の見張りとしての役割は忘れていて、目の前にいるリアリにだけ興味が移っていた。
「何だ、お前、珍しいな」
コトはリアリに話しかけてくる。言葉が通じると思っているというよりは、自分を落ち着かせるために声を発したという感じだった。
「愚かなる人間よ。私が何者か分かって声を掛けるのか」
その態度に、リアリは悪戯心がわいて、偉そうに語りかけた。
「な、なんだ、お前、喋れるのか」
「無礼な人間だ。人とはこれほど愚かなのか」
(風邪でも引いたか)
そんな事を少し考えたが、それとは違っている気がした。すぐに報告に行くべきか悩んだが、何の証拠もなければ相手にされない気がした。気のせいだと言われれば、それまでだし、それをネタにされ、臆病者だから、怖気づいているから、何でも怖がるんだなんて言われたら目も当てられない。少し迷った後、もう少しだけ様子を探ってみる事にした。万が一、敵か何かを見つければ、自分の手柄に出来るかもしれない。そういう思いもあったからだ。注意深く、耳を澄ますと微かに木が擦れるような音がした。何かがいる事は間違いないと思った。人だろうか。それだったら、もっと大きな音になる気がする。動物か魔物だろうか。でも、特有な気配も感じられなかった。恐る恐るそこに近づいたコトが見たのは、これまで見たことも無かった魔物の姿だった。
リアリは少し油断をしていた。この先をどうするかと言う事を未だに考えて悩んでいたからだった。うっすらと何かが近づく気配と言うのは感じていたが、それを重要な事だとは考えていなかった。だから、驚くほどあっさりとコトに見つかってしまった。
コトは竜となったリアリの姿を見て、神々しさを感じてしまった。さっき感じた一瞬の怖れと言うのが何か分かった気がした。
リアリは、コトが自分の姿を見た時、どうしようかと少し迷った。このまま、何事も無かったように去ってしまうのもひとつの方法でそれが一番無難な気がした。珍しい魔物が一匹いたくらいでは大騒ぎにはならないだろうと思ったのだ。ただ、そうしなかった。あれこれと悩んでいたことから来た気まぐれか、それとも、コトの態度に興味を示したからなのか、分からなかったが、その場所に居続ける事をリアリは選んだ。
コトは恐る恐ると言う感じで、リアリに近づいていった。すでに自分の見張りとしての役割は忘れていて、目の前にいるリアリにだけ興味が移っていた。
「何だ、お前、珍しいな」
コトはリアリに話しかけてくる。言葉が通じると思っているというよりは、自分を落ち着かせるために声を発したという感じだった。
「愚かなる人間よ。私が何者か分かって声を掛けるのか」
その態度に、リアリは悪戯心がわいて、偉そうに語りかけた。
「な、なんだ、お前、喋れるのか」
「無礼な人間だ。人とはこれほど愚かなのか」
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