竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

4.

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「ファムさん」

そんなファムをいさめるようにリラが言う。

「ドンゴさんも、コトさんの事が心配なんだと思います。だから、必要以上に気になってしまうんだと思います。ねぇ?」

「あぁ、えぇ。すいません、失礼な事を言って…」

ファムの剣幕には表情を変えなかったドンゴだが、リラの言葉で表情を崩した。ちょっとした気まずさを感じたのかもしれない。

「なかなか、面白い方たちだ」

言葉を改めるようにドンゴは言った。それは褒め言葉なんだろうか、サントは思う。ファムはまだ怒り心頭だったが、リラにいさめられてそれ以上は何も言わなかった。

「息子がお世話になったのは、事実ですから、これ以上の詮索はやめましょう」

その言葉はまだサントたちの事を怪しんでいると言っているようにも聞こえた。

「すいません。私たちも少し疲れていて、失礼な事を言ってしまって…」

恐らくリラは心の底からそう言っているんだとラテアは思った。でも、受け取り方によって皮肉に感じるのではとも思う。ドンゴはどう思っただろうか。

「この町にいる間、この部屋は好きに使って構いませんから…」

ドンゴはそう言って部屋を後にした。



「何だいあれは」

ファムが毒づく。

「まぁまぁ」

リラがなだめる。

「でも、盗賊団を襲ったのが何者なのかと言うのは気になる」

サントはそう言った。

「私らには関係ないよ」

ファムが不機嫌そうに言った。アリアドットを巡るゴタゴタには巻き込まれたくないという口調だった。

もしかしたら、それに関連して自分たちが疑われているのかもとサントは思った。その可能性は高い気がした。そして、自分たちは疑われても仕方ないとも思う。目的をはっきりと言えない以上、仕方のないところでもあった。

「ここから出た方が良いのか」

そうサントは呟く。

「私はすぐにでもおさらばしたいよ」

「でも、協力してもらえれば心強い」

ファムに反論するようにラテアが言った。

「事情を話すのか?」

「いや、そこまで言わなくても、ここの知り合いと言うだけでも、融通は利かせてもらうと思う。こういうところだと、そういうのが大きいと思う」

サントの問いにラテアが答えた。

「まずは、ゆっくり休みましょう」

リラは疲れた表情を見せて、そう言った。確かにその通りだとサントは思った。疲れた頭で考えても、結論は出そうにもなかった。

「それに、どんな縁でも、縁は大事にした方が良いと思います」

リラがそう付け加えた。リラが言うと説得力があると、その場にいた者たちは感じていた。
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