竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

7.

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ラテアは暇を持て余していた。ゆっくりとしていた分、疲れは無くなっていったが、その分、退屈を感じるようになった。リアリとの二人きりと言うのは、ラテアにとってはそれほど嫌では無かった。むしろ、いろいろと気になっていたことを聞く機会に恵まれたと思っているところがあった。

別に内緒の話をしたいわけではない。研究者として一流だったリアリの話を純粋に聞いてみたいとずっと思っていたのだ。みんながいる時、特にリラがいる時に、そういう難しい話をするのは相応しくないと思っていたので、遠慮していたのだが、今だったら、そういう話を聞いても良いと思ったのだ。

リアリも部屋の中で退屈しているよりは、話をしていた方が気がまぎれると思った。だから、喜んで話に応じてくれるだろう。そう考えていた。しかし、そう思った通りにはならなかった。何より、リアリがラテアの問いかけに何も答えようとしなかったからだ。最初は眠っているのかと思っていた。でも、そうでは無かった。まるっきり興味がわかないようで、完全に聞き流しているようだった。

元々、そういう人だったという事を認識させられる。竜になった姿、リラと話す姿、一緒に旅している事、そういう事で打ち解けていると思っていたが、それとは別なのかもしれないと思った。何度か話しかけても、一向に応じる気配が無かった。うるさいとか邪魔だとか言われる方がいっそ清々するなと思うが、そういうのも無かった。本当に全く相手にされていないんだと思うと、悲しい気分になった。

これ以上、話しかけても無駄だと思うと、途端にやる事が無くなる。リアリがいるので、外に出る事はためらわれたが、屋敷の中を歩くぐらいなら問題ないだろうと思った。探検と言うのは大袈裟だったが、暇つぶしぐらいにはなりそうだと思った。それぐらいの大きさの屋敷だった。とりあえず、居間の方に向かってみる。そこにドンゴがいた。何やら書類を眺めているようだった。

「どうですか、お加減は?」

ラテアに気づいたドンゴは、書類を机の上に置いて尋ねた。コトの案内を断り、部屋で休んでいる事をドンゴは知っていたのだ。

「はい。おかげさまでゆっくりさせてもらい、かなり疲れが取れました」

と、ラテアは応じる。

「ああ、それは良かった。では、お茶でもいかがですか?」

「ありがとうございます。頂きます」

ラテアの返事を聞くと、ドンゴは合図をして、お茶の準備をするように指示した。

「あの、お仕事中では?」

「まあ、雑用ですよ」

そう言いながら、手元の書類にいくつかサインをする。
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