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6章.隠された都市
12.
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何も知らなかったサントたちに話をするのが楽しそうなドンゴは、初代がいかに苦労してゴーレムを作り出したのかを話そうとしたが、それは長くなりそうなので、また時間がある時にと遠慮した。ドンゴは少し残念そうだったが、話の筋を戻した。
「その道具屋、ゴーレム制作の鈍色鼠と言うのが、まだ残っています」
それは隠されている事でも無く、ゴーレムについて研究している者であれば、割と知っている情報でもあるという。
「情報屋としての鈍色鼠とは一見すると離れていますが、まだ、ゴーレムに関する情報提供は受けているはずです。だから、そこで働けば、何か情報が得られるかもしれません」
そうドンゴは言った。ようやく話がつながったとサントは思った。
「でも、簡単に雇ってもらえるのでしょうか?」
「そこは私に任せてください。何しろ、人手は足りていない。でも、信頼できる人じゃないと雇いたくないというところなんで、私が話を通せば大丈夫です」
自信満々に答える。
「ただ、技術者として、入るので、そういうのが少しは出来ないと大変かもしれませんが」
自分には難しいかもしれないと思ったサントだったが、すぐに顔を横に向けた。ラテアは自分に向けられた視線に気が付く。
「そこまでゴーレムについて詳しくはありませんが、大丈夫でしょうか?」
少し不安そうに言う。
「どの程度の知識をお持ちですか?」
「基本的な構成ぐらいは何となく分かると思いますが、それ以上は自信が無いです」
とまた不安そうに言った。
「あの、ゴーレムって作るの大変なんですか?」
リラが何気なく尋ねる。サントも詳しい事は知らなかったが、簡単ではないだろうと思った。
「私、ゴーレムって見た事ないんですけど。話は聞いた事ありますけど…」
そうリラが言う。
「私が知っている知識ですが…」
そう言うとラテアはゴーレムについて説明し始めた。
ゴーレムの起源についてはいろいろと語られているので、何をゴーレム、ゴーレムじゃないかを厳密に言いだすと難しくなる。そう言いながら、ラテアは語り出した。学者気質のラテアらしい言い方だった。あくまで現在の一般的な話と断る所もそうだった。
そもそも、現在の一般的なゴーレムとは、人工的に作られた生物、この生物の定義も難しいとラテアは言う、で、製作者、持ち主の命令を聞く事を目的に作られている。
そこに至るまではまた長い話になると、いちいち断りを入れるラテア。本人は話をしたいようだが、周りの空気を感じて、控えめにしているようだ。
「その道具屋、ゴーレム制作の鈍色鼠と言うのが、まだ残っています」
それは隠されている事でも無く、ゴーレムについて研究している者であれば、割と知っている情報でもあるという。
「情報屋としての鈍色鼠とは一見すると離れていますが、まだ、ゴーレムに関する情報提供は受けているはずです。だから、そこで働けば、何か情報が得られるかもしれません」
そうドンゴは言った。ようやく話がつながったとサントは思った。
「でも、簡単に雇ってもらえるのでしょうか?」
「そこは私に任せてください。何しろ、人手は足りていない。でも、信頼できる人じゃないと雇いたくないというところなんで、私が話を通せば大丈夫です」
自信満々に答える。
「ただ、技術者として、入るので、そういうのが少しは出来ないと大変かもしれませんが」
自分には難しいかもしれないと思ったサントだったが、すぐに顔を横に向けた。ラテアは自分に向けられた視線に気が付く。
「そこまでゴーレムについて詳しくはありませんが、大丈夫でしょうか?」
少し不安そうに言う。
「どの程度の知識をお持ちですか?」
「基本的な構成ぐらいは何となく分かると思いますが、それ以上は自信が無いです」
とまた不安そうに言った。
「あの、ゴーレムって作るの大変なんですか?」
リラが何気なく尋ねる。サントも詳しい事は知らなかったが、簡単ではないだろうと思った。
「私、ゴーレムって見た事ないんですけど。話は聞いた事ありますけど…」
そうリラが言う。
「私が知っている知識ですが…」
そう言うとラテアはゴーレムについて説明し始めた。
ゴーレムの起源についてはいろいろと語られているので、何をゴーレム、ゴーレムじゃないかを厳密に言いだすと難しくなる。そう言いながら、ラテアは語り出した。学者気質のラテアらしい言い方だった。あくまで現在の一般的な話と断る所もそうだった。
そもそも、現在の一般的なゴーレムとは、人工的に作られた生物、この生物の定義も難しいとラテアは言う、で、製作者、持ち主の命令を聞く事を目的に作られている。
そこに至るまではまた長い話になると、いちいち断りを入れるラテア。本人は話をしたいようだが、周りの空気を感じて、控えめにしているようだ。
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