竜探しのお話

hachijam

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6章.隠された都市

42.

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翌日の異変に最初に気が付いたのは、リラだった。起きた時にリアリの姿が見えなかったのだ。慌てて、みんなを起こして確認する。夕べ、話し合いの時にいた事は間違いない。その後、寝る時までいた事は間違いなかった。ラテアが遅くに帰って来た時にもいて、すでに眠っているようだったと言う。夜中に何か特別な物音もしなかった。そうなると、何者かに襲われたという可能性も考えられなかった。

単に気まぐれで外に出かけただけなのではと、ファムが楽観的に言う。サントもそう思う。リラも言われてみると、そうかもしれないと思ったが、それでも何か不安を感じたようだ。

もしかしたら、出て行ったのかもしれないとサントが呟いた。それに対しては、リラが強く否定した。もし出ていくにしても、絶対に私たちに無断では出て行かないと力強く宣言した。だからと言って、その言葉に確たる根拠がある訳でもなかったが、その自信は揺らぐ物では無かったようだ。そのまま放っておくのか、探すべきなのか迷っていたところ、突然、乱暴に扉が開いた。そこには青ざめた表情のドンゴがいた。そして、

「コトがいない」

と呟いた。それこそ気まぐれで出かけただけではないかと思ったサントたちだが、それは無いとドンゴは強く言う。リアリとコトが同時にいなくなったのは、偶然なのだろうかとサントは考えた。もしかしたら、コトがリアリを連れていったのか、あるいはリアリがコトを連れて行ったのか、いずれにしろ、関連があると考える方が自然だろうと思う。

だったら、二人はどこに行ったのだろう。早朝の散歩に出かけただけなら、すぐにでも戻ってきそうな気がする。でも、そうでなかったら、どういう可能性があるのだろうか。結局、結論は出ずに、とりあえず、リアリとコトを探す事にした。手がかりはあるようで無かった。リアリが目撃されれば目立つと思われたが、そんな話は聞こえてこなかった。時間が経つに連れて単に出かけているだけと言う可能性は無くなっていた。

そして、街の外れである情報を耳にした。それによると、コトが大きな袋のような物を抱えて、街を後にしたという話だった。その大きな袋のようなものは、リアリである可能性が高いとサントたちは考えた。そうなると、コトがリアリを連れて行ったのだろうか。しかし、リアリがそう簡単に連れていかれるような事があるとは思えなかった。恐らくリアリがコトを言いくるめて、外に出た可能性が高いとサントたちは考えた。しかし、何のためにそんな事をしたのか、その答えを出す事は出来なかった。
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