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2章.付与師
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翌朝、再びダイタの家に向かったサントとリラはそこで荷物を受け取った。それは小さな箱だった。箱の中身を確認する。小さな翠色の魔法石が入っていた。
「魔法使いの爺さんに頼まれたものでね。魔封じの石だよ。魔法の道具を作るために必要だとか何とか言っていたよ。あんまり詳しい事は分からないが、どうしても今日中に届けて欲しいと日付を指定されたんだ。馴染みのお得意さんなんで頼むよ」
結局、足は治らなかったようで、ダイタは仕事を頼むことは納得したようだった。道を聞くと、迂回していた森の中が目的地だった。特別に迷いやすい所も無いようだった。
早速、出かけようとすると、
「ちょっと偏屈な所がある爺さんだけど、悪い人じゃないから」
とだけ言われた。少し、サントはその言葉が引っかかったが、すぐに出かける事にする。
目的の場所までは半日程度でたどり着く、往復で一日掛からないというのがダイタの話だった。森はそれほど深くも無く、これだったら軽い散歩と言う感じだった。一応、魔物に注意はしていたが、現れる気配も感じられなかった。特に迷いもせずに目的であるその家にたどり着いた。その一帯だけ、周囲に比べると少し森が深くなっていて、日差しを避けるような場所にあった。魔法使いの爺さん、偏屈な爺さんと言われていたからなのか、少し怪しげな雰囲気があるとサントは感じていた。少し警戒した方が良いかもしれないという予感があったが、リラは全く気にならないようで、コンコンとドアをノックする。
「開いているよ」
そう言う声が聞こえてきた。ドアをゆっくりと開けて中を伺う用に入っていった。そこには誰もいなかった。
「そんなところに立っていないで、さっさと中に入って来い」
声は奥から聞こえてきた。少し、ビクッとしながら、リラは奥へと進み、サントもついていった。奥には少し広い部屋があり、大きな水晶の前に一人の老人が座っていた。
「ようやく来たね。待ちくたびれたよ」
老人はため息をつくように言った。
「あの、ダイタさんの代わりに荷物を持ってきました」
リラは事情を説明しようとする。
「そんな事はどうでもいい。とっとと荷物を出しなさい」
リラを遮るように老人はそう言った。慌ててサントは荷物の箱を取り出すと、老人の目の前に差し出した。老人は箱を受け取ると、中から小さな翠色の魔法石、魔封じの石を取り出した。手のひらに魔封じの石を乗せると中にある何かを見るようにじっと見つめていた。一瞬、魔法石の中に煙のような物が浮かんだかと思うと、すぐに消えた。老人は満足そうに頷く。
「やはり、良い物を選んでくるね。これだけ純度の高い物はそうないよ」
先ほどとは急に態度が変わった。その変化に戸惑ったが、とりあえず、仕事は無事に果たす事が出来たとリラはホッとした。サントも同様だった。
「さて、次の仕事だよ」
老人はそう言うと、手元にある鈴を鳴らした。
「はい、ただいま参ります」
別の奥の部屋から声が聞こえてきた。
「次の仕事?」
「良いから待っていなさい」
サントの問いかけに有無を言わせず老人が言う。奥の部屋から一人の青年が現れた。
「魔法使いの爺さんに頼まれたものでね。魔封じの石だよ。魔法の道具を作るために必要だとか何とか言っていたよ。あんまり詳しい事は分からないが、どうしても今日中に届けて欲しいと日付を指定されたんだ。馴染みのお得意さんなんで頼むよ」
結局、足は治らなかったようで、ダイタは仕事を頼むことは納得したようだった。道を聞くと、迂回していた森の中が目的地だった。特別に迷いやすい所も無いようだった。
早速、出かけようとすると、
「ちょっと偏屈な所がある爺さんだけど、悪い人じゃないから」
とだけ言われた。少し、サントはその言葉が引っかかったが、すぐに出かける事にする。
目的の場所までは半日程度でたどり着く、往復で一日掛からないというのがダイタの話だった。森はそれほど深くも無く、これだったら軽い散歩と言う感じだった。一応、魔物に注意はしていたが、現れる気配も感じられなかった。特に迷いもせずに目的であるその家にたどり着いた。その一帯だけ、周囲に比べると少し森が深くなっていて、日差しを避けるような場所にあった。魔法使いの爺さん、偏屈な爺さんと言われていたからなのか、少し怪しげな雰囲気があるとサントは感じていた。少し警戒した方が良いかもしれないという予感があったが、リラは全く気にならないようで、コンコンとドアをノックする。
「開いているよ」
そう言う声が聞こえてきた。ドアをゆっくりと開けて中を伺う用に入っていった。そこには誰もいなかった。
「そんなところに立っていないで、さっさと中に入って来い」
声は奥から聞こえてきた。少し、ビクッとしながら、リラは奥へと進み、サントもついていった。奥には少し広い部屋があり、大きな水晶の前に一人の老人が座っていた。
「ようやく来たね。待ちくたびれたよ」
老人はため息をつくように言った。
「あの、ダイタさんの代わりに荷物を持ってきました」
リラは事情を説明しようとする。
「そんな事はどうでもいい。とっとと荷物を出しなさい」
リラを遮るように老人はそう言った。慌ててサントは荷物の箱を取り出すと、老人の目の前に差し出した。老人は箱を受け取ると、中から小さな翠色の魔法石、魔封じの石を取り出した。手のひらに魔封じの石を乗せると中にある何かを見るようにじっと見つめていた。一瞬、魔法石の中に煙のような物が浮かんだかと思うと、すぐに消えた。老人は満足そうに頷く。
「やはり、良い物を選んでくるね。これだけ純度の高い物はそうないよ」
先ほどとは急に態度が変わった。その変化に戸惑ったが、とりあえず、仕事は無事に果たす事が出来たとリラはホッとした。サントも同様だった。
「さて、次の仕事だよ」
老人はそう言うと、手元にある鈴を鳴らした。
「はい、ただいま参ります」
別の奥の部屋から声が聞こえてきた。
「次の仕事?」
「良いから待っていなさい」
サントの問いかけに有無を言わせず老人が言う。奥の部屋から一人の青年が現れた。
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