ミヤちゃんとアキマくん

りん

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6.とある男達の会話

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ミヤにダイエット宣言をさせたので、衣装の手直しという地味に手のかかる仕事を逃れ、ミヤのダイエットの監視へとスライドしご機嫌なナナミを待ち伏せしてた人がひとり。
サングラスをキラリとさせたアキマである。

「おい、ナナミ」
「あらあ、アキマちゃんじゃない。どうしたの?」
「今ミヤと何を話してたんだ?」
「えっ?」

どん、とアキマがナナミを壁際に追い詰める。

「ミヤと距離が近いんだよ」
「ふーん」

サングラスの壁ドンに全く動揺せず、見つめ返す美人。

「一丁前にジェラシーってヤツかしらぁ? 恋人でもなんでも無いクセにぃ?」
「うるせぇな。必要以上アイツに近づくな、って言ってるんだよ」
「なーんの権利があってそんな事おっしゃってるのかしらぁ?」
「チッ」

わかりやすい舌打ちとともに壁ドンしていた手を離すアキマに、ニヤリとするナナミ。

「ま、私の仕事に関する話だから安心なさいよ。アンタにも悪くないハズよ」

すれ違いざまナナミはぽんぽん、とアキマの肩を叩くが、ふと思い立った様にそのままアキマの肩を掴む。

「でも、ちょっとおミヤってほっとけない感じよね。食べちゃいたい衝動に駆られる時があるわ」
「きっ…さま…」
「モタモタしてたらアタシが美味しく頂いちゃうわよ。その時は許して頂戴ね」

じゃね、と後ろ手に手を振り去っていくナナミ。
苦虫を噛み潰したような顔で立ち尽くすアキマであった。


頑張れアキマくん?
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