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第15話【神樹の森】
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やっと目的の場所へ到着した。 でもここは船着場が無い岩場だ。
エルフさん達と荷物を転移で下ろし、ボロ船だけどせっかく買った船だ、勿体無いからしまっておこう。
「ここから森に入ります。 魔物もいますからお気をつけてください」
「師匠がいれば問題ないよ」
「ダクスちゃんもいるから安心だよね」
さてさて、大丈夫と言い切れるのか……?
俺のサーチには結構な数の魔物をあちこちで捉えている。
ここは2人に任せて俺は高みの見物だな。
そう思っていたのだが、エルフさん達は森に入ったら動きが変わった。
木の上に素早く登り魔物を確認する者、最初に助けた2人のエルフさんを囲うように動き始めた。
「なんだかみなさん凄いですね」
「2人ともよく見ておきな、勉強になるぞ」
木の上にいるエルフさんが魔物を発見すれば、素早く下の者に教え、近寄って来た魔物は弓矢で牽制して追い払う。 うまい具合に魔物から離れるように行動して村まで魔物に出会う事なく到着した。
「ここがエルフの村?」
ディーンは少し首を傾げている。
それはそうだろう。 ディーンもリアンも木の上にある家を初めて見たのだから。
俺も初めてだけど、ツリーハウスの存在は知っているからそこまでは驚かない。
「マシオ殿もお2人もこちらに」
ライラさんに泊まっていい家に案内された。
「この家をお使い下さい。 後程伺います」
「わかりました」
ライラさんが出て行くと、ディーンは家の中ではしゃぎ始めた。
「師匠見てください! 木の上ですよ! 木の上!」
「そうだな、でもあんまりはしゃぐなよ。 どこか壊しちゃったら弁償しなきゃいけなくなるぞ」
「はーい! わかりました」
この家に通されたが、他の家はどう見てもボロボロだった。
この家もだいぶガタがきているように見える。
村全体を見ても襲われ戦ったと思う跡が残っている。
ここから連れ去られたのか……?
しかし、一緒に来たエルフ達しかいない。 他のエルフはどうした? みんなやられたのか?
サーチしても他のエルフの反応は無い。
あとでライラさんに聞いてみるか……。
しばらく部屋で待機していると、ライラさんが呼びにやって来た。
「お待たせして申し訳ない。 私に着いて来てくれないか?」
「わかりました」
「僕達も行っていいですか?」
「ああ、それは構わない」
俺達はライラさんに案内され、村から出て更に深い森の中へと向かった。
森の中は空気が濃いと言うか、思いっきり息を吸うと体が浄化される感じだ。
「先生、ダクスちゃんが!」
「ダクスがどうした? ……これは……」
ダクスはプルプルと小刻みに震えてシューっと煙が体から立ち昇り始めた。
「いけない! 魔物はこの森の中では浄化されてしまいます!」
ライラの言葉に俺は急いでダクスを瓶に入れて収納した。
「この森はなんなんだ?」
「ここは我々エルフがもっとも神聖な場所としている【神樹の森だ。 ここの中では神樹の木によって魔物は浄化されてしまう。 だから魔物はこの森には立ち入れないのです」
「凄い森だな……、その森に俺達を連れて来て何をするんだ?」
「……私と戦ってもらいます」
「え!?」
ライラと戦う? どう言う事だ?
神樹の森の中でも一際大きな大木の前まで来ると、既に助けたエルフ以外にも多くのエルフ達が待っていた。
「ライラ来ましたね……マシオ様、お待ちしておりました」
「君は……」
前に助けた2人のエルフ。
夜這いをかけられたこともあったが……?
「こちらは村の代表にしてエルフの王女様です」
「王女様!?」
「私は【マイラ】と申します」
「私は【キレイラ】と申します」
……エルフの王女様が夜這いをして来るなんて……エルフって……。
「こちらにお呼びしたのは、エルフ代表の戦士、ライラとこの神樹の前で戦っていただきたくお呼びしました」
「なんで俺がライラさんと戦わないといけないんだ?」
「それは私が頼みました……戦士として是非マシオ殿と戦ってみたいのです。 お願いします!」
「そう言われてもな……」
戦う事は別に構わないのだが、こんなみんなが見ている場所で戦わなくても……。
「お願いします」
ライラさんは跪いて頼んで来た。
「わかりましたから頭を上げてください」
「本当か! ありがとう!」
ルールは1対1、範囲は周りの木に無数に張り巡らせてある縄の中だけ。 それと武器は自由だが魔法は禁止、森が焼けたりしたら大変だからな。
俺はまだ2人に見せていない3本目の魔剣を取り出した。
「はじめ!」
声がかかった瞬間、ライラさんは素早く木に移動して弓を引き矢を飛ばして来たが俺はその場で矢を剣で弾いた。
「私達ではマシオ様に相手にされませんでした……ですがライラならマシオ様も気に入っていただけるはずです」
「どう言うこと?」
マイラさんが戦う俺とライラさんを見ながらポツリと呟いたことをディーンは首をかしげながら聞いていた。
「兄さん! 先生が!」
「え!?」
ディーンはリアンが急に叫ぶから俺がライラさんに押されていると思ったのかも知れない。
しかし全くそんな事は無く、ディーンは何かと思いリアンに聞こうとした時、ある事に気がついた。
「リアン、師匠の剣……」
「やっぱりそうよね……私達も見たことが無い剣……」
「3本目の魔剣……」
2人は驚きが隠せない様子だが、実は何度か使っていたりする。
とは言え、この魔剣の効果は強すぎるので軽くしか使えない。
「……さすがマシオ殿……私の攻撃をいとも簡単にいなすとはさすがですね……」
ライラさんは基本的に中距離を保って攻撃してくる。
矢を放っては近寄ってショートソードで攻撃した後は直ぐに離れて矢を拾いなかなか良い場所に撃ち放って来る。
ヒットアンドウェイの戦法が得意なようだ。
戦いながらもライラさんはチラッとマイラさんキレイラさんを見たかと思うと、矢を3本同時に放って来た。
3本同時だが矢の軌道は直線だ。 剣で弾くのは簡単……。
その一瞬、ライラさんが風魔法を使い矢の軌道を変えて俺が避けた場所に飛ばしてくる。
「うおっ!」
突然の事だが2本を剣で弾き、1本は避けて地面に突き刺さる。
「あ! きったねー!」
「ずるい!」
魔法禁止の戦いでライラさんが魔法を使った事を知った2人はぶーぶー文句を言っている。
だが本来戦いとはこう言う事だ。 俺は気にもしてない。
ライラさんは風魔法で風の刃を飛ばし、その間に矢を拾い撃ち放つ。
俺が近づけば風魔法で風の刃を飛ばして来るが、俺は魔剣に魔力を込めると刀身がわずかに輝き、飛んで来た風の刃を切り裂いた。
その事に驚いたのか、一瞬動きが鈍ったライラさんに走り寄り弓を構えるより先にライラさんの喉元へ剣先を突きつけた。
「そこまで!」
キレイラさんの声がかかり、勝負は俺の勝ちと終わった。
「さすがマシオ殿……お強い……」
ライラさんは勝負で魔法を使った事を謝ってきたがそんな事は気にしていないと伝えると……。
「やはり、私のかなう相手ではなかったようだ……」
ライラさんはマイラさんとキレイラさんの元へ行き、膝をついて負けた報告をしている。
「……マシオ様」
「はい」
「やはり貴方様は我々エルフの王として相応しい。 私達と結婚をしてこのエルフ村を守ってはくれないだろうか?」
「結婚!?」
「そうです。 この神樹の前で試合をして、勝った者が私達をめとり、王と選ばれるのです」
おいおい……聞いてないぞ……。
「大変光栄ですが、私は旅の途中です。 そのつもりで戦ったわけでは無いので、今回は辞退させていただきます」
「……そう言うと思っていました……私達が夜這いをかけてもダメでしたからね……、……マシオ様なら良い王となってくれると思ったのですが……」
「仕方ありません……それでは我々エルフを救っていただいたお礼として今夜は宴を開いておもてなしいたしましょう!」
どうやらマイラさんキレイラさんの2人は俺が断る事をわかっていたのかもな。 それでも俺の強さを他のエルフに見せて王としての強さを納得させたかったのかも知れない。
「宴って食材はあるの?」
「我々は常に何かあった時のために隠し倉庫に食材がある」
宴も始まりエルフさん達が森で取ってきてくれた果物などを食べ、俺も持っていた食材を提供して果実酒を飲んだり料理を楽しんだ。
「エルフって野菜しか食べないのかと思ってました」
「そんな事は無い。 確かに野菜は好きだが肉も食べないと力が出ないからな」
「なるほど」
ディーンもリアンも納得したようだ。 実は俺も初めて知ったんだけどね。
宴も盛り上がり始めた頃、ディーンはエルフを守った戦士として、リアンはダクスをエルフ達に紹介していた。
「マシオ殿、ちょっといいか?」
少し離れていた俺にライラさんは声をかけてきた。
「どうしました?」
「頼みがあるのだが」
「頼みですか?」
「私もマシオ殿の弟子にしていただきたい!」
「え!?」
「私はまだまだとわかった。 これからエルフの皆んなを守って行くためにはもっと強くならなくては……だから頼む、弟子にしていただきたい!」
「ライラさんは十分強いと思いますけど?」
「今のままではダメなのだ! あの魔導士に負けてしまうくらいだから……」
あー……あいつか……。 ライラさんは奇襲を受けて負けたようだけど、正面から戦えば勝てただろう……。
戦いには卑怯も何も無いけどね。
やられれば弱かったからとしか言えない。
「頼む! いや、頼みます!!」
ライラさんは土下座でもするのかと思うほど跪き頼み込んできた。
困ったな……仕方ない事情を説明するか……。
俺は自分が逃亡者である事、ディーンとリアンは5年だけ弟子としている事、旅をしているためにここに戻って来る事は無いかも知れないと告げた。
「……それでも構わない……だから頼む」
「私達からもお願い出来ませんか?」
マイラさんキレイラさんが頭を下げて頼んでくる。
「ライラは我々を救うために尽力してくださいました。 次は我々がライラを助けたいのです」
「……エルフの村を守る戦士がいなくなりませんか?」
「それなら大丈夫です。 これからここの森には結界を張ります。 そうすれば資格が無い者は結界内に入る事は出来ません」
「襲われた時は結界を張っていなかったんですか?」
「あの時は丁度結界が切れた時を狙われたのです……それでライラの事は頼めませんか?」
「……いくつかルールがありますが、そのルールを守っていただけるなら……あと、2人にも聞いてみないと……」
「僕達はいいですよ」
話を聞いていたのか、ディーンとリアンが近くに来ていた。
「話しを聞いてたのか?」
「えと……ちょっとだけ……」
「……まあいいか……2人がいいなら迎え入れますが、弟子でいいんですか?」
「もちろんだ! ありがとうございます!」
こうしてエルフのライラさんも弟子として仲間になった。
次の日、エルフの村を後にしてもともと向かうはずだったミネストルーネへエルフさん達の見送りを受けて向かう事になった。
エルフさん達と荷物を転移で下ろし、ボロ船だけどせっかく買った船だ、勿体無いからしまっておこう。
「ここから森に入ります。 魔物もいますからお気をつけてください」
「師匠がいれば問題ないよ」
「ダクスちゃんもいるから安心だよね」
さてさて、大丈夫と言い切れるのか……?
俺のサーチには結構な数の魔物をあちこちで捉えている。
ここは2人に任せて俺は高みの見物だな。
そう思っていたのだが、エルフさん達は森に入ったら動きが変わった。
木の上に素早く登り魔物を確認する者、最初に助けた2人のエルフさんを囲うように動き始めた。
「なんだかみなさん凄いですね」
「2人ともよく見ておきな、勉強になるぞ」
木の上にいるエルフさんが魔物を発見すれば、素早く下の者に教え、近寄って来た魔物は弓矢で牽制して追い払う。 うまい具合に魔物から離れるように行動して村まで魔物に出会う事なく到着した。
「ここがエルフの村?」
ディーンは少し首を傾げている。
それはそうだろう。 ディーンもリアンも木の上にある家を初めて見たのだから。
俺も初めてだけど、ツリーハウスの存在は知っているからそこまでは驚かない。
「マシオ殿もお2人もこちらに」
ライラさんに泊まっていい家に案内された。
「この家をお使い下さい。 後程伺います」
「わかりました」
ライラさんが出て行くと、ディーンは家の中ではしゃぎ始めた。
「師匠見てください! 木の上ですよ! 木の上!」
「そうだな、でもあんまりはしゃぐなよ。 どこか壊しちゃったら弁償しなきゃいけなくなるぞ」
「はーい! わかりました」
この家に通されたが、他の家はどう見てもボロボロだった。
この家もだいぶガタがきているように見える。
村全体を見ても襲われ戦ったと思う跡が残っている。
ここから連れ去られたのか……?
しかし、一緒に来たエルフ達しかいない。 他のエルフはどうした? みんなやられたのか?
サーチしても他のエルフの反応は無い。
あとでライラさんに聞いてみるか……。
しばらく部屋で待機していると、ライラさんが呼びにやって来た。
「お待たせして申し訳ない。 私に着いて来てくれないか?」
「わかりました」
「僕達も行っていいですか?」
「ああ、それは構わない」
俺達はライラさんに案内され、村から出て更に深い森の中へと向かった。
森の中は空気が濃いと言うか、思いっきり息を吸うと体が浄化される感じだ。
「先生、ダクスちゃんが!」
「ダクスがどうした? ……これは……」
ダクスはプルプルと小刻みに震えてシューっと煙が体から立ち昇り始めた。
「いけない! 魔物はこの森の中では浄化されてしまいます!」
ライラの言葉に俺は急いでダクスを瓶に入れて収納した。
「この森はなんなんだ?」
「ここは我々エルフがもっとも神聖な場所としている【神樹の森だ。 ここの中では神樹の木によって魔物は浄化されてしまう。 だから魔物はこの森には立ち入れないのです」
「凄い森だな……、その森に俺達を連れて来て何をするんだ?」
「……私と戦ってもらいます」
「え!?」
ライラと戦う? どう言う事だ?
神樹の森の中でも一際大きな大木の前まで来ると、既に助けたエルフ以外にも多くのエルフ達が待っていた。
「ライラ来ましたね……マシオ様、お待ちしておりました」
「君は……」
前に助けた2人のエルフ。
夜這いをかけられたこともあったが……?
「こちらは村の代表にしてエルフの王女様です」
「王女様!?」
「私は【マイラ】と申します」
「私は【キレイラ】と申します」
……エルフの王女様が夜這いをして来るなんて……エルフって……。
「こちらにお呼びしたのは、エルフ代表の戦士、ライラとこの神樹の前で戦っていただきたくお呼びしました」
「なんで俺がライラさんと戦わないといけないんだ?」
「それは私が頼みました……戦士として是非マシオ殿と戦ってみたいのです。 お願いします!」
「そう言われてもな……」
戦う事は別に構わないのだが、こんなみんなが見ている場所で戦わなくても……。
「お願いします」
ライラさんは跪いて頼んで来た。
「わかりましたから頭を上げてください」
「本当か! ありがとう!」
ルールは1対1、範囲は周りの木に無数に張り巡らせてある縄の中だけ。 それと武器は自由だが魔法は禁止、森が焼けたりしたら大変だからな。
俺はまだ2人に見せていない3本目の魔剣を取り出した。
「はじめ!」
声がかかった瞬間、ライラさんは素早く木に移動して弓を引き矢を飛ばして来たが俺はその場で矢を剣で弾いた。
「私達ではマシオ様に相手にされませんでした……ですがライラならマシオ様も気に入っていただけるはずです」
「どう言うこと?」
マイラさんが戦う俺とライラさんを見ながらポツリと呟いたことをディーンは首をかしげながら聞いていた。
「兄さん! 先生が!」
「え!?」
ディーンはリアンが急に叫ぶから俺がライラさんに押されていると思ったのかも知れない。
しかし全くそんな事は無く、ディーンは何かと思いリアンに聞こうとした時、ある事に気がついた。
「リアン、師匠の剣……」
「やっぱりそうよね……私達も見たことが無い剣……」
「3本目の魔剣……」
2人は驚きが隠せない様子だが、実は何度か使っていたりする。
とは言え、この魔剣の効果は強すぎるので軽くしか使えない。
「……さすがマシオ殿……私の攻撃をいとも簡単にいなすとはさすがですね……」
ライラさんは基本的に中距離を保って攻撃してくる。
矢を放っては近寄ってショートソードで攻撃した後は直ぐに離れて矢を拾いなかなか良い場所に撃ち放って来る。
ヒットアンドウェイの戦法が得意なようだ。
戦いながらもライラさんはチラッとマイラさんキレイラさんを見たかと思うと、矢を3本同時に放って来た。
3本同時だが矢の軌道は直線だ。 剣で弾くのは簡単……。
その一瞬、ライラさんが風魔法を使い矢の軌道を変えて俺が避けた場所に飛ばしてくる。
「うおっ!」
突然の事だが2本を剣で弾き、1本は避けて地面に突き刺さる。
「あ! きったねー!」
「ずるい!」
魔法禁止の戦いでライラさんが魔法を使った事を知った2人はぶーぶー文句を言っている。
だが本来戦いとはこう言う事だ。 俺は気にもしてない。
ライラさんは風魔法で風の刃を飛ばし、その間に矢を拾い撃ち放つ。
俺が近づけば風魔法で風の刃を飛ばして来るが、俺は魔剣に魔力を込めると刀身がわずかに輝き、飛んで来た風の刃を切り裂いた。
その事に驚いたのか、一瞬動きが鈍ったライラさんに走り寄り弓を構えるより先にライラさんの喉元へ剣先を突きつけた。
「そこまで!」
キレイラさんの声がかかり、勝負は俺の勝ちと終わった。
「さすがマシオ殿……お強い……」
ライラさんは勝負で魔法を使った事を謝ってきたがそんな事は気にしていないと伝えると……。
「やはり、私のかなう相手ではなかったようだ……」
ライラさんはマイラさんとキレイラさんの元へ行き、膝をついて負けた報告をしている。
「……マシオ様」
「はい」
「やはり貴方様は我々エルフの王として相応しい。 私達と結婚をしてこのエルフ村を守ってはくれないだろうか?」
「結婚!?」
「そうです。 この神樹の前で試合をして、勝った者が私達をめとり、王と選ばれるのです」
おいおい……聞いてないぞ……。
「大変光栄ですが、私は旅の途中です。 そのつもりで戦ったわけでは無いので、今回は辞退させていただきます」
「……そう言うと思っていました……私達が夜這いをかけてもダメでしたからね……、……マシオ様なら良い王となってくれると思ったのですが……」
「仕方ありません……それでは我々エルフを救っていただいたお礼として今夜は宴を開いておもてなしいたしましょう!」
どうやらマイラさんキレイラさんの2人は俺が断る事をわかっていたのかもな。 それでも俺の強さを他のエルフに見せて王としての強さを納得させたかったのかも知れない。
「宴って食材はあるの?」
「我々は常に何かあった時のために隠し倉庫に食材がある」
宴も始まりエルフさん達が森で取ってきてくれた果物などを食べ、俺も持っていた食材を提供して果実酒を飲んだり料理を楽しんだ。
「エルフって野菜しか食べないのかと思ってました」
「そんな事は無い。 確かに野菜は好きだが肉も食べないと力が出ないからな」
「なるほど」
ディーンもリアンも納得したようだ。 実は俺も初めて知ったんだけどね。
宴も盛り上がり始めた頃、ディーンはエルフを守った戦士として、リアンはダクスをエルフ達に紹介していた。
「マシオ殿、ちょっといいか?」
少し離れていた俺にライラさんは声をかけてきた。
「どうしました?」
「頼みがあるのだが」
「頼みですか?」
「私もマシオ殿の弟子にしていただきたい!」
「え!?」
「私はまだまだとわかった。 これからエルフの皆んなを守って行くためにはもっと強くならなくては……だから頼む、弟子にしていただきたい!」
「ライラさんは十分強いと思いますけど?」
「今のままではダメなのだ! あの魔導士に負けてしまうくらいだから……」
あー……あいつか……。 ライラさんは奇襲を受けて負けたようだけど、正面から戦えば勝てただろう……。
戦いには卑怯も何も無いけどね。
やられれば弱かったからとしか言えない。
「頼む! いや、頼みます!!」
ライラさんは土下座でもするのかと思うほど跪き頼み込んできた。
困ったな……仕方ない事情を説明するか……。
俺は自分が逃亡者である事、ディーンとリアンは5年だけ弟子としている事、旅をしているためにここに戻って来る事は無いかも知れないと告げた。
「……それでも構わない……だから頼む」
「私達からもお願い出来ませんか?」
マイラさんキレイラさんが頭を下げて頼んでくる。
「ライラは我々を救うために尽力してくださいました。 次は我々がライラを助けたいのです」
「……エルフの村を守る戦士がいなくなりませんか?」
「それなら大丈夫です。 これからここの森には結界を張ります。 そうすれば資格が無い者は結界内に入る事は出来ません」
「襲われた時は結界を張っていなかったんですか?」
「あの時は丁度結界が切れた時を狙われたのです……それでライラの事は頼めませんか?」
「……いくつかルールがありますが、そのルールを守っていただけるなら……あと、2人にも聞いてみないと……」
「僕達はいいですよ」
話を聞いていたのか、ディーンとリアンが近くに来ていた。
「話しを聞いてたのか?」
「えと……ちょっとだけ……」
「……まあいいか……2人がいいなら迎え入れますが、弟子でいいんですか?」
「もちろんだ! ありがとうございます!」
こうしてエルフのライラさんも弟子として仲間になった。
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