俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第12話 依頼完了とまたゴブリン

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「これで依頼は完了です」
 
 ディメールへ戻った俺達はギルドへ依頼のガラメキ草を届け、受付のお姉さんに渡す。
 依頼の達成料は銅貨10枚。
 Fランクの依頼で、しかも洞窟で採取するだけの依頼だった為、そりゃ料金も安いよね……。

 次の依頼を受けるまでは約1ヶ月ある。

 冒険者のランクF、Eは1ヶ月の間に依頼を受け完了しないといけない。
 ランクDは3ヶ月、ランクCは半年、ランクBは 1年、ランクAより上は期限は無い。
 誰でもなれる冒険者だからこそ、ギルドカードだけ取って何もしないと言う事を防ぐ為らしい。
 期限を過ぎれば10年は冒険者登録は出来なくなってしまう。
 上に上がれば期限は伸びるが、依頼もその分難しくなる。

 ギルドカードはどの街でも使用出来るので、次の街で考えよう。

「ほう、これは良い素材だ」
 
 ギルドを後にした俺は精霊の皆んなに魔法陣の中へ戻ってもらい、リアスちゃんと別れ1人鍛冶屋に来ていた。

 シェルが選んだ鉱石を見て鍛冶屋もご満悦。

「早速取り掛かりたいが、何か希望はあるか?」
「いえ、お任せします」
 
 下手に素人が口を出さない方が良いだろう。

「わかった任せておけ、3日後には出来てるだろうよ」
「よろしくお願いします」
 
 俺は軽く頭を下げ、鞘作りをお願いした。

『翔、酒でも飲みに行こうぜ』
『街の中をもっと色々見ませんか? 確かあちらに可愛いぬいぐるみがありましたわよ』
『兄ちゃん、肉食べたい! 肉~!』
『私は書物を読みたいです』

 頭の中で色々言ってくれる……。
 わかった、わかった、まずは稼いでからな。
 3日もあるなら少しでも稼いでおかないと。
 ギルドに向かうとリアスちゃんと受付のお姉さんが何やら話をしている。

「あらカケルさん」
「カケルじゃない、丁度良いところに」
「丁度良い?」
 
 2人の顔は深刻そうだ。

「はい、ここディメールより北東の森でゴブリンが大量に確認されたとの冒険者より報告がありまして」
 
 またゴブリンかよ。

「そのゴブリンの中にホブゴブリンやメイジゴブリンも居たって言われてるわ。 そいつらがいるって事はもしかしたらゴブリンの王、ゴブリンキングがいる可能性が高いのよ」
「ゴブリンキング?」
「ゴブリンキングはゴブリンを統括し、あちこちの村や街を襲い女性や家畜などを略奪し、男性を皆殺しにすると言われています」
「ゴブリンキングのせいで滅んだ村があるって聞いたことがあるわ」
「そんなに強いのか?」
「知力もあるし、統率力も高いのよ。 恐らくランクC位はあると思う」

 ランクCなら精霊の皆んなで余裕だろう。

「厄介なのは強さより、ゴブリンの団体を指揮して行動する事よ」
「今、ディメールの冒険者全員に討伐依頼を出しているのですが……」
 
 受付のお姉さんは困ったように言う。

「何か問題でも?」
「今のディメールにはDランク冒険者が1番上で、それがリアスさんしかいなくて」
「もっとランクの高い冒険者はいないの?!」
「前はいたのですが、皆さんもっと稼げる場所に行ってしまって……、このディメールは壁で囲まれた要塞都市と呼ばれているので、少しくらいの魔物の襲撃には耐えられるのでよけいに……」

「兵士の方は?」
「彼らも冒険者なんです。 入口などで警備をしている方達はEランクの方がほとんどです」
「でも全員で戦えば何とかなるんじゃない?」
「街の警護と討伐隊に分けると討伐隊の人数が足りないのよ。 この広いディメールを守るとなるとね」
 
 確かにこの広いディメールは何処からゴブリンが来ても良いようにする為、あちこちに配置する必要があるだろう。

「ならギルドマスターのミルヒさんは? あの人ならゴブリンキングなんてあっという間じゃないか?」
「ギルマスは最後の砦よ。 冒険者の指揮をして、どうしようも無くなった時にギルマスは動
けるの」

 既にどうしようも無いんじゃ……?

「そこでカケルくんに頼みたいのだよ」
 
 突然背後から肩を叩かれギルマスが現れた。

「ひっ!」
 
 ビビった……、めっちゃビビった……。

「カケルくんの精霊様達なら対処可能ではないか? カケルくん自身もリアスとの修行でだいぶマシになったとリアスから聞いておるよ」
「確かに皆んな強いですが、俺達だけでどうにかなるとは思えないのですが……?」
「勿論カケルくん達だけでは無いぞ」
「私も行くわよ」
 
 リアスちゃんは腰に手を回してドヤっている。
 足元にいるラビも一緒にドヤっている。

「討伐隊メンバーのEランクやFランクの方々は雑魚のゴブリンを退治してもらうので、カケルくんとリアスはゴブリンキングを退治してもらいたい」
「俺達がですか!?」
「何よカケル! 私じゃ不満だって言うの?!」
「キュー!」
 
 リアスちゃんとラビがこちらを睨んでくる。

「不満なんて事はないけど、危険じゃ無いか?」
「そんなの冒険者になった時に覚悟してるわよ!」
「キュイ!」
 
 14歳で凄い覚悟だ。 俺はそこまでの覚悟はしてなかったな……。

「決まりですな」
 
 ミルヒさんは早速と言わんばかりで自室に戻って行った。

「作戦は明日には出ると思います。 今日は宿でゆっくりお休み下さい」
「カケル! 逃げないでちゃんと来なさいよ!」
 
 それだけ言うとリアスちゃんはギルドから出て行った。

『翔任せとけって!』
『わたくしがいれば問題ないですわ』
『兄ちゃん僕がいるから安心してね』
『わ、私も頑張ります』
 
 皆んな……、一緒に頑張ろう!
 宿に着く前に皆んなを召喚してと……。

「赤き紅より真紅に燃えし心なる火種 盟約に基づきその姿を見せよ」
「青く澄んだ清流の流れよ 盟約に基づきその姿を見せよ」
「白く空に揺蕩いし柔らかな風よ 盟約に基づきその姿を見せよ」
「緑の優しき土の恵みよ 盟約に基づきその姿を見せよ」

 ハァハァ……。
 皆んなを一気に召喚するためとは言え、なんだこの早口言葉みたいなのは!

「お、翔どうした?」
「皆さんを召喚なんてどうしました?」
「兄ちゃん~」
「しょ、召喚して頂きありがとうございます」
「なに、シャルの召喚祝いとゴブリン退治を頑張ってもらいたいからね」

 宿に着く前に建物の影で召喚したが、宿に入ると皆んな目立つな……。 宿で食事をしている人達からめっちゃ見られてる。

 全体的にプロポーションの良いエルザは豪快に酒を呑んでいる。
 青く澄んだ綺麗な長い髪の毛をしているシルクはサラダを上品に食べている。 見てるのは胸元の2つの山だろうけど。
 マリスは肉を頬一杯に頬張っている。 ハムスターかな?
 シャルは初めての食事を楽しんでいるようだ。 野菜スープが気に入ったのかな? 眼鏡曇って大変そうだけど。

 そんな皆んなを見ていると一つ疑問が湧く。
 食事が終わると、全員で外に出て魔法陣へ戻ってもらう。
 そしてまた宿に行き部屋へ。
 そこで皆んなを召喚、話を聞く事にした。
 頭の中だと話が纏まらないし、俺の考えが筒抜けになるし。

「何かわたくし達に聞きたい事でも?」

 シルクとシャルはイス、エルザはベッド、マリスは俺の膝の上に座る。

「皆んなの姿について聞きたい。 シャルなんかはこっちでは見かけない眼鏡を着けてるし」
「そんな事ですの?」
「な~んだ」
「兄ちゃんマリスの事気になる?」
「私が説明しますね」

 シャルが説明を始めてくれた。

「私達精霊は例外もありますが姿を持ちません。 今のこの姿は翔さんの記憶によるものです」
「俺の記憶?」
「前世での記憶です」
「地球の記憶って事か?」
「そうですね。 私達は自分の性格に合った姿を翔さんの記憶から具現化しています」
 
 皆んなの性格は素なのか。

「じゃあエルザの酒好きな所やシルクの……な所も俺の記憶からか?」
「そうですね。 エルザさんのお酒好きは分かりませんけど、私の眼鏡も翔さんの記憶からですね」
「その眼鏡、度数は入ってるの?」
「度数? 度数と言うのは分かりませんが、外す事は可能ですよ」

 眼鏡を外して見せるシャルはまた別な感じで美少女だ。

「なんとなくわかったよ、ありがとう」

 話も聞けたので皆んな魔法陣に戻ってもらおうとした時、エルザの言葉で大変な事になる。

「よし、話も終わったようだし、今日は誰が翔と寝るか勝負しようぜ!」
「良いですわ」
「今日は僕が兄ちゃんと寝る!」
「わ、私も参加して宜しいのでしょうか?」

 と、勝負が始まった。 カードで……。
 この間道具屋でエルザにねだられて変だなとは思ったが、こう言う意味か……。
 そして俺と一緒に寝る事をかけてカードゲームの火蓋が落とされた……。

 俺は1人で寝たいのだが……。

 
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