俺の魔力は悠々自適 〜精霊達と気ままな旅路〜

かなちょろ

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第55話 雪の大地へ

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 アイゼス城へ戻って来た俺達は、王と師匠へ報告をしに王宮へ。

「よく来たな。 八首斬影やしゅざんえいを倒した事は聞いているぞ」
「良くあのメンバーで倒せたもんじゃ」

 王と師匠に王の間にて報告をしている。

「カケルが精霊様と合体したと報告があったが?」
 
 王の問いに答えるが、合体じゃ無くて融合です。

「わしも精霊様と合体する事が出来るなど、初めて聞いたわい」
 
 合体じゃ無くて、融合ですよ!

八首斬影やしゅざんえいと同じ位の力が出ますが、一度使うと、私の体が耐えられなくてしばらく動けなくなりましたが、大精霊様が言うにはもう大丈夫だろうとのことです」
「強い力には代償が必要と言う事じゃな。 どうなるかわからない以上、お主の命にも関わるかもしれん。 むやみに使うで無いぞ」

 八首斬影やしゅざんえいと戦った場所、異世界で世話になった村の事を聞いてみた。

「私はパラキ村へは行っておりませんが、本当に誰もいなくなってしまったのでしょうか?」
「冒険者に確認した。 残念ながら……な。 今、兵に命じて八首斬影やしゅざんえいを探している」
「ジュリムも報告をしたら、さっさと行ってしまったわい」
「私達も直ぐに八首斬影やしゅざんえいを探しに行きます」
「北の地に向かった兵士より報告があってな。 どうやら何かあったようだ。 調査に向かってくれるかい?」
「わかりました」

 やはり北の地……。
 こうして報告も終わり、北の地に旅立つ事になった。

 北の国は雪国で気温も低い。
 防寒具が必要だ。
 とは言え、この辺りでは北の寒さに耐えるだけの防寒具を売っていない為に、最低限の防寒具だけ揃えて、現地調達となった。

『翔、寒くなったら、あたしが体で温めてやるからな』
 それは助かるが、抱き合うのは勘弁してくれ。
『兄ちゃん、僕なら風を操って冷たい風が来ない様に出来るよ』
 それなら確かに助かるな。
『それは融合しないと出来ませんでしょ?』
『あ、そうだった……』
 精霊達も強くなったとは言え、融合しないと精密な魔法を使うのは出来ないらしい。

 船で北に向かって行くと、段々と気温が下がって行く。
 今持っている防寒具では少し肌寒い。

『だから、あたしを召喚して、隣にいれば暖かいぜ』
 抱きつくのは無しだぞ。
『わかったって』
 背に腹は変えられず、エルザを召喚する事にした。

「赤き紅より真紅に燃えし心なる火種 盟約に基づきその姿を見せよ」
「よっと」
 
 エルザは勢いよく魔法陣から出てくると、俺に抱きついてくる。

「抱きつくなって言ったじゃないか!」
「良いだろ~! この方が暖かいし」
 
 まぁ、確かに。

「北の町【プッスモリカ】に着くまで、部屋からでるなよ」
「わかってるって」

 船賃は1人分しか払っていないので、バレるのはまずい。

 エルザのおかげで、【プッスモリカ】に着くまで、部屋ではずっと抱きつかれていたので、暖かく過ごす事が出来た。

「さ、着いたぞ」
 
 雪と氷の国の港町【プッスモリカ】に到着だ。

「さむ~」
 
 さすが雪と氷の国と言われるだけはある。
 まずは防寒具を買いに行くぞ
 俺は体を擦りながら防寒具を売っている道具屋を探した。

「いらっしゃい」
 
 道具屋のおやじさんが無愛想に返事をする。
 室内には防寒具がずらっと並んで……ない?

「ああ、防寒具が欲しいのかい?」
「そうです」
「あんた、冒険者なのかい?」
「はい、この地で異変が起きていると聞いて調べに来たんです」
「そうかい……、なら、帰った方がいいな」
「どう言う事ですか!?」
「前に何度か調べに来た兵士達だが、北の町からまともに帰って来たやつがいないんだよ」
「だから調べに行くんです」
「そうかい、好きにしな。 防寒具なら……、ほらっ!」
「うわっ!」
 
 防寒具を無造作に投げられ、なんとかそれをキャッチする。

『なんだあの、おっさん!』
『せっかく翔様が調べに来て差し上げましたのに!』
 まあまあ、あの人なりの心配の仕方なんだろうよ。

 防寒具を着込み、町の人に話を聞くと、北の町との連絡が途絶え、調べに向かった兵士が戻って来ない。
 戻って来た兵士も少し前にアイゼスト王国に手紙を出して亡くなったと言う。
 兵士はもう一度、北の町へ行きたいと言っていたと言う。

『死に物狂いで逃げて来られましたのに、もう一度行きたいってどう言う事でしょう?』
『何か美味しい物でもあるのかな?』
『んな訳ねーだろ』
『え~、そんなのわかんないじゃん!』
『何か引きつける物がそこにあるって事でしょうか?』
『行ってみないとなんとも言えないですね』
 頭の中で精霊達の会議が始まった。
『翔はどう思うんだ?』
 流石に行ってみない事にはわからない。
 
 兎に角北の町まで行ってみよう。 とは言え、雪の中、移動にも時間かかるし、気温も低い。
 エルザに常にいてもらうしかないか。

 エルザ、頼む。
『任せときな』

 北の町【マシュールス】までエルザの力を借りて向かう。
 雪国特有の魔物、ホワイトファング、グリズリーボアなどは、エルザの力がわかるのか、襲ってくる事は無かった。

 魔物が襲って来ないから、早めに町へ着くはずだったが、エルザが腕を組まないと歩いてくれないとか、休憩は膝枕で横にならないと駄目、寝る時は抱き合わないと温めてくれないとか……、結構な無茶に付き合って、3日で着くはずが5日もかかって、マシュールスの町が見える所まで来れた。
 エルザには戻ってもらい、町の入口から中を覗くと、町の人達は普通に働いている。
 特に変わった様子は無い。

 入ってみるか。
 町に一歩踏み入れた。
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