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第六章 西の大陸と魔導学園
第百二十三話 旅路
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エレメトスハーレスで一泊し、翌朝出発した俺達は【メルチ】さんと【リルチ】さんの二人に案内され、オルディーコムンへ向けて森の中を進んでいる。
「メルチさんとリルチさんはご兄妹なんですか?」
「ああ、そうだ」
「そうですよー。 でもなんでですか?」
「いや、似てるなと思って……」
名前のメルチとリルチってかなり似てるからな。
「え~! 本当ですか!? 私良くお兄ちゃんに似てるって言われてるんです~!」
リルチさんは嬉しそうにはしゃいでいる。
名前以外はそうでも無いよな?
似てるって言われて嬉しいのか?
「少し落ち着け」
「だって私、この森を出るの初めてなんだもん!」
俺達を長の所まで案内してくれたのがメルチさん。 その妹さんがリルチさん。
二人とも見た目はメルチさんは二十代、リルチさんは十七、八といった所だ。
長耳族だから実際はわからないけど……。
二人は仲が良さそうだな。
「オルディーコムンってどんな所なんですか?」
「普通の国だ」
「そんな事無いよ! 町中に花が咲いているって聞いてる。 だからオルディーコムンは花の都って言われてるんだよ」
「それは楽しみですね」
「エイルさんが食べ物以外に興味持つなんて珍しいですにゃ」
「私だって食べ物以外にも興味待つよー」
エイルとレアのやりとりをリルチさんも楽しそうに見ている。
「それで、オルディーコムンまでどの位ですか?」
「そうだな……、大体歩いてひと月だ」
「ひと月!? そんなにかかるんですか!?」
「それはそうだろう。 国を一つ抜けるんだ。 その位はかかる」
「近道や何か乗り物とかは……?」
「無い」
無いのか……。
ひと月歩いて行かないと行けないとは……。
はっ! もしやこれは……。
俺は話しを聞いていたエイルに振り向く。
エイルはレアの前で倒れていた……。
やっぱり……。
「レア、今までありがとう……。 ルルアに宜しくね……」
「何してるにゃ」
「私の事は気にしないで先に行って」
「……そう言う事なら、わかったにゃ」
レアは倒れているエイルを無視して進んで行く……。
「えと……、いいのかな?」
「リルチさん、気にしないで下さいにゃ」
「そ、そう?」
エイルを置いて進むと、走って追いかけて来た。
「置いていかないでよーー!」
「気にしないでって言ってたにゃ」
「そうだけど、そうじゃ無いよ~!」
エイルとレアのやりとりを不思議に思ってリルチさんは俺に聞いて来る。
「エイルさんはレアさんに何か要求してるんですか?」
「あはは……、え~と……説明しづらいな……」
レアの見た目は獣人の為に、変身出来る可能性がある事は知っていると思う。
しかしこれまで出会ってきた獣人達は変身しても人型だ。
四足歩行の獣そのものに変身出来るレアは希少な存在だと思っている。
そして俺とレアは人造人間とは伝えていない。
だからこそ説明しづらいのだ……。
「ほら、早く行くにゃ!」
レアはエイルの腕を取って、手を繋いで引っ張って行く。
「……ん~……、これなら良いかな」
エイルはレアと手を繋げたので少し満足したようだ。
「今日は野営して、明日は近くの村に立ち寄ろう」
「村があるんですか!?」
「当たり前だ。 いくら長耳族の数が少ないとは言え、この広い森だ。 村だっていくつかある」
「それは助かります。 それにしても魔生獣が出ないって良いですね」
「……お前達は世界樹についてどの位知っている?」
「全然知りません」
「……なら後で少し教えてやる」
メルチさんの後を着いて行き、野営出来る手頃な場所があったので、今日はここで休む事にした。
エイルはテントを張って、夕食の準備を始める。
リルチさんは木の実を森から取って来てくれた。
メルチさんは料理に興味無いのか、ずっと座っているが、リルチさんはエイルの作る料理を珍しそうにずっと見ている。
「美味しそう……」
「腕にはちょっと自身あります!」
確かにエイルのご飯は美味しいからな。
今夜の献立は、硬いパンとスープ。
リルチさんが森で取って来てくれた木の実が入っている。
「……美味しい……」
エイルの作ったスープを飲んだリルチさんは初めての味に驚いている。
「エイルさん料理凄く上手なんですね! 後で教えて下さい!」
「もちろん!」
エイルは得意げにリルチさんに料理を教えている。
その間にメルチさんに話しを聞く事にした。
「なんでこの森には魔生獣が出ないんですか?」
「出ない訳では無い。 世界樹の木……、お前達はマナの木と呼んでいたか。 この木から発せられる魔力が強すぎて普通の魔生獣では近寄れないのだ」
「俺達は平気なんですか?」
「魔生獣の魔力は魔石に蓄えられる。 この場所の強い魔力に魔石が耐えられないから近寄って来ない」
「それは平和で良いですにゃ」
「平和か……、本当にそうならな……」
メルチさんはレアを鋭い眼光で睨む様にジッと見つめている。
メルチさんはレアの事嫌いなのか?
「明日は進むペースを少し早くする。 夕方までには村に辿り着きたいからな」
「わかりました」
今日は早く寝た方が良さそうだ。
リルチさんはメルチさんの隣で眠る。
レアも座っている俺の横で肩に寄り添い眠る。
エイルは一人テントだが、皆んなが二人で寝ているのを見て、「私も~」 とレアの隣に行ったが、レアから嫌がられ、渋々俺の横に座り、肩を枕にして眠る。
……せっかくのテントが空なんだけど……。
「メルチさんとリルチさんはご兄妹なんですか?」
「ああ、そうだ」
「そうですよー。 でもなんでですか?」
「いや、似てるなと思って……」
名前のメルチとリルチってかなり似てるからな。
「え~! 本当ですか!? 私良くお兄ちゃんに似てるって言われてるんです~!」
リルチさんは嬉しそうにはしゃいでいる。
名前以外はそうでも無いよな?
似てるって言われて嬉しいのか?
「少し落ち着け」
「だって私、この森を出るの初めてなんだもん!」
俺達を長の所まで案内してくれたのがメルチさん。 その妹さんがリルチさん。
二人とも見た目はメルチさんは二十代、リルチさんは十七、八といった所だ。
長耳族だから実際はわからないけど……。
二人は仲が良さそうだな。
「オルディーコムンってどんな所なんですか?」
「普通の国だ」
「そんな事無いよ! 町中に花が咲いているって聞いてる。 だからオルディーコムンは花の都って言われてるんだよ」
「それは楽しみですね」
「エイルさんが食べ物以外に興味持つなんて珍しいですにゃ」
「私だって食べ物以外にも興味待つよー」
エイルとレアのやりとりをリルチさんも楽しそうに見ている。
「それで、オルディーコムンまでどの位ですか?」
「そうだな……、大体歩いてひと月だ」
「ひと月!? そんなにかかるんですか!?」
「それはそうだろう。 国を一つ抜けるんだ。 その位はかかる」
「近道や何か乗り物とかは……?」
「無い」
無いのか……。
ひと月歩いて行かないと行けないとは……。
はっ! もしやこれは……。
俺は話しを聞いていたエイルに振り向く。
エイルはレアの前で倒れていた……。
やっぱり……。
「レア、今までありがとう……。 ルルアに宜しくね……」
「何してるにゃ」
「私の事は気にしないで先に行って」
「……そう言う事なら、わかったにゃ」
レアは倒れているエイルを無視して進んで行く……。
「えと……、いいのかな?」
「リルチさん、気にしないで下さいにゃ」
「そ、そう?」
エイルを置いて進むと、走って追いかけて来た。
「置いていかないでよーー!」
「気にしないでって言ってたにゃ」
「そうだけど、そうじゃ無いよ~!」
エイルとレアのやりとりを不思議に思ってリルチさんは俺に聞いて来る。
「エイルさんはレアさんに何か要求してるんですか?」
「あはは……、え~と……説明しづらいな……」
レアの見た目は獣人の為に、変身出来る可能性がある事は知っていると思う。
しかしこれまで出会ってきた獣人達は変身しても人型だ。
四足歩行の獣そのものに変身出来るレアは希少な存在だと思っている。
そして俺とレアは人造人間とは伝えていない。
だからこそ説明しづらいのだ……。
「ほら、早く行くにゃ!」
レアはエイルの腕を取って、手を繋いで引っ張って行く。
「……ん~……、これなら良いかな」
エイルはレアと手を繋げたので少し満足したようだ。
「今日は野営して、明日は近くの村に立ち寄ろう」
「村があるんですか!?」
「当たり前だ。 いくら長耳族の数が少ないとは言え、この広い森だ。 村だっていくつかある」
「それは助かります。 それにしても魔生獣が出ないって良いですね」
「……お前達は世界樹についてどの位知っている?」
「全然知りません」
「……なら後で少し教えてやる」
メルチさんの後を着いて行き、野営出来る手頃な場所があったので、今日はここで休む事にした。
エイルはテントを張って、夕食の準備を始める。
リルチさんは木の実を森から取って来てくれた。
メルチさんは料理に興味無いのか、ずっと座っているが、リルチさんはエイルの作る料理を珍しそうにずっと見ている。
「美味しそう……」
「腕にはちょっと自身あります!」
確かにエイルのご飯は美味しいからな。
今夜の献立は、硬いパンとスープ。
リルチさんが森で取って来てくれた木の実が入っている。
「……美味しい……」
エイルの作ったスープを飲んだリルチさんは初めての味に驚いている。
「エイルさん料理凄く上手なんですね! 後で教えて下さい!」
「もちろん!」
エイルは得意げにリルチさんに料理を教えている。
その間にメルチさんに話しを聞く事にした。
「なんでこの森には魔生獣が出ないんですか?」
「出ない訳では無い。 世界樹の木……、お前達はマナの木と呼んでいたか。 この木から発せられる魔力が強すぎて普通の魔生獣では近寄れないのだ」
「俺達は平気なんですか?」
「魔生獣の魔力は魔石に蓄えられる。 この場所の強い魔力に魔石が耐えられないから近寄って来ない」
「それは平和で良いですにゃ」
「平和か……、本当にそうならな……」
メルチさんはレアを鋭い眼光で睨む様にジッと見つめている。
メルチさんはレアの事嫌いなのか?
「明日は進むペースを少し早くする。 夕方までには村に辿り着きたいからな」
「わかりました」
今日は早く寝た方が良さそうだ。
リルチさんはメルチさんの隣で眠る。
レアも座っている俺の横で肩に寄り添い眠る。
エイルは一人テントだが、皆んなが二人で寝ているのを見て、「私も~」 とレアの隣に行ったが、レアから嫌がられ、渋々俺の横に座り、肩を枕にして眠る。
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