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2.合宿
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夏は俺たちのサークルにとって、最も大切なシーズンだった。秋に控えた全国大会を目指して、どのチームも本気で練習に取り組む。
毎年恒例の夏合宿はその準備の一環であり、参加するのはもはや暗黙の了解だった。監督からも「ここで仕上げないと大会はないぞ」と強く言われ、全員が気合いを入れている。
そんな中で俺だけが、合宿に行くべきかどうか迷っていた。翔太との関係が、自分の中であまりにも大きくなりすぎていたからだ。最近は練習中でも彼のことが気になり、まともにプレーできないことが増えていた。同じ空間で過ごすことが辛い──それが理由で、合宿を休むことさえ考えた。
しかし、そんな俺の迷いなど周りのメンバーには関係なかった。「来ないとかマジありえない!お前がいないとチームの士気が下がるだろ!」と、次々に声をかけられる。
さらには翔太までが「お前が来ねぇとかありえないだろ?俺らを見捨てるのかよ!」と笑いながら言ってきた。彼の言葉に、俺は結局断ることができず、バスに乗り込むことになった。
バスは揺れながら山道を進む。緊張のせいか、酔いが回ってきて、次第に気持ち悪くなってきた。座席に身を沈めて目を閉じると、隣に座っていた翔太が顔を覗き込んでくる。
「おい、大丈夫かよ?」
彼は眉を寄せ、心配そうな声で問いかけてきた。その声が妙に優しく響いて、俺の胸をさらに締め付ける。
「……ちょっと気持ち悪いだけ。」
そう答えるのが精一杯だった。
翔太は自分の肩を軽く叩いて、「じゃあ、寄りかかっとけよ。これくらいはサービスしてやるわ。」と軽い調子で言った。
冗談交じりのその言葉に、俺は遠慮がちに頭を預けた。その瞬間、彼の体温とシャツ越しに感じる肩の硬さが、どうしようもなく俺の心を揺さぶる。泣きそうになる気持ちを必死で抑えながら、「ありがとう」と小さく呟いた。
合宿所に到着すると、周りのメンバーは早速騒ぎ始めた。部屋割りが発表されると、案の定、俺と翔太が同じ部屋になっていた。
「おいおい、お前ら、仲良くやれよな!」
「ここで何か進展あったら報告しろよ!」
周囲はニヤニヤしながらからかい、翔太は「お前ら、ほんと悪ノリ好きだな。最悪~、気まずいって!」と笑いながら肩をすくめた。その態度がまた無防備で、俺の胸が高鳴るのを止められなかった。
部屋に入ると、翔太は大きなため息をついてベッドに倒れ込んだ。
「マジでうるせぇよな、あいつら。でも、お前もラッキーだな、俺と同部屋とか最高だろ?」
翔太がニヤリと笑ってそう言ったとき、俺は「そんなことない」と顔を赤くして答えるのが精一杯だった。
初日の練習は想像以上にハードだった。全員が汗だくになり、息を切らしながら合宿所の大浴場へ向かった。浴場に入ると、メンバーたちの逞しい体が湯気の中で輝いている。そこで俺に向けて、いつもの悪ノリが始まる。
「おい、ゲイが来たぞ!襲われねぇように気をつけろよ!」
その声に浴場全体が爆笑に包まれる。
そして、案の定、翔太が悪ノリに便乗してきた。
「おいおい、みんな、気をつけろよ!こいつ、お前らの裸見て興奮してっから!」
彼は大声でそう叫びながら俺の肩を掴み、わざと湯船の中心に引っ張り出した。
「お前、どの体がタイプなんだよ?」
翔太がそう言いながら、周りのメンバーを指差して笑う。その一言に浴場はさらにヒートアップし、拍手や口笛が飛び交う。
俺は顔を真っ赤にして「やめろよ!」と小さく抗議したが、翔太はそれを面白がるばかりだった。
「やめろって?お前、嬉しそうな顔してんじゃん!」
彼はそう言いながら、俺の胸を軽く叩き、湯をかけてきた。
翔太の態度はいつもと同じ、無邪気で悪ノリ全開だった。しかし、俺にとっては、それが何よりも辛かった。湯気の中で輝く翔太の鍛え上げられた体。胸筋、腹筋、そして下半身のラインがちらつくたびに、俺の理性はぎりぎりのところで耐えていた。
「おい、翔太、その体、やべぇな!」
誰かが声を上げると、翔太は得意げに両腕を広げてポーズを決める。
「だろ?俺、バレー界の彫刻だからな!」
そう言いながらわざと体をひねり、腹筋を強調してみせる。
俺はその動きに視線を奪われ、気づけば下半身が反応してしまっていた。必死で湯に隠そうとするが、翔太がその様子を見逃すはずもない。
「おい、こいつ隠してるぞ!まさか勃ってんのか?」
翔太が大声でそう叫ぶと、浴場中が笑いに包まれる。
「マジかよ!お前、俺の体見て反応してんの?」
翔太がニヤニヤしながら俺に顔を近づけてきたその瞬間、俺は羞恥心でどうしようもなく、湯に沈むように隠れることしかできなかった。
「ほらほら、もっと見せろよ!」
翔太の悪ノリは止まらず、周りの声援もさらに激しさを増していく。その中で俺の理性は崩れかけていた。
毎年恒例の夏合宿はその準備の一環であり、参加するのはもはや暗黙の了解だった。監督からも「ここで仕上げないと大会はないぞ」と強く言われ、全員が気合いを入れている。
そんな中で俺だけが、合宿に行くべきかどうか迷っていた。翔太との関係が、自分の中であまりにも大きくなりすぎていたからだ。最近は練習中でも彼のことが気になり、まともにプレーできないことが増えていた。同じ空間で過ごすことが辛い──それが理由で、合宿を休むことさえ考えた。
しかし、そんな俺の迷いなど周りのメンバーには関係なかった。「来ないとかマジありえない!お前がいないとチームの士気が下がるだろ!」と、次々に声をかけられる。
さらには翔太までが「お前が来ねぇとかありえないだろ?俺らを見捨てるのかよ!」と笑いながら言ってきた。彼の言葉に、俺は結局断ることができず、バスに乗り込むことになった。
バスは揺れながら山道を進む。緊張のせいか、酔いが回ってきて、次第に気持ち悪くなってきた。座席に身を沈めて目を閉じると、隣に座っていた翔太が顔を覗き込んでくる。
「おい、大丈夫かよ?」
彼は眉を寄せ、心配そうな声で問いかけてきた。その声が妙に優しく響いて、俺の胸をさらに締め付ける。
「……ちょっと気持ち悪いだけ。」
そう答えるのが精一杯だった。
翔太は自分の肩を軽く叩いて、「じゃあ、寄りかかっとけよ。これくらいはサービスしてやるわ。」と軽い調子で言った。
冗談交じりのその言葉に、俺は遠慮がちに頭を預けた。その瞬間、彼の体温とシャツ越しに感じる肩の硬さが、どうしようもなく俺の心を揺さぶる。泣きそうになる気持ちを必死で抑えながら、「ありがとう」と小さく呟いた。
合宿所に到着すると、周りのメンバーは早速騒ぎ始めた。部屋割りが発表されると、案の定、俺と翔太が同じ部屋になっていた。
「おいおい、お前ら、仲良くやれよな!」
「ここで何か進展あったら報告しろよ!」
周囲はニヤニヤしながらからかい、翔太は「お前ら、ほんと悪ノリ好きだな。最悪~、気まずいって!」と笑いながら肩をすくめた。その態度がまた無防備で、俺の胸が高鳴るのを止められなかった。
部屋に入ると、翔太は大きなため息をついてベッドに倒れ込んだ。
「マジでうるせぇよな、あいつら。でも、お前もラッキーだな、俺と同部屋とか最高だろ?」
翔太がニヤリと笑ってそう言ったとき、俺は「そんなことない」と顔を赤くして答えるのが精一杯だった。
初日の練習は想像以上にハードだった。全員が汗だくになり、息を切らしながら合宿所の大浴場へ向かった。浴場に入ると、メンバーたちの逞しい体が湯気の中で輝いている。そこで俺に向けて、いつもの悪ノリが始まる。
「おい、ゲイが来たぞ!襲われねぇように気をつけろよ!」
その声に浴場全体が爆笑に包まれる。
そして、案の定、翔太が悪ノリに便乗してきた。
「おいおい、みんな、気をつけろよ!こいつ、お前らの裸見て興奮してっから!」
彼は大声でそう叫びながら俺の肩を掴み、わざと湯船の中心に引っ張り出した。
「お前、どの体がタイプなんだよ?」
翔太がそう言いながら、周りのメンバーを指差して笑う。その一言に浴場はさらにヒートアップし、拍手や口笛が飛び交う。
俺は顔を真っ赤にして「やめろよ!」と小さく抗議したが、翔太はそれを面白がるばかりだった。
「やめろって?お前、嬉しそうな顔してんじゃん!」
彼はそう言いながら、俺の胸を軽く叩き、湯をかけてきた。
翔太の態度はいつもと同じ、無邪気で悪ノリ全開だった。しかし、俺にとっては、それが何よりも辛かった。湯気の中で輝く翔太の鍛え上げられた体。胸筋、腹筋、そして下半身のラインがちらつくたびに、俺の理性はぎりぎりのところで耐えていた。
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