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グラード王国王都ヴェーテル

いざ、謁見の間へ。

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色々な出来事があって、王都ヴェーテルの南門に到着したのは朝方であった。
途中、サラが疲れが出たのか眠りそうになったので、休憩を入れてから来たので、今の時間になった。

南門の門番が、俺を怪しげに見ていたが、サラの姿を見ると、何故か姿勢を正し、礼儀を取り通過出来た。

サラが言うには、王城へと向かって欲しいとの事で、そちらにハンドルを切る。

やはり途中途中、好奇な目で俺を見る人々が多かった。

まぁ、この世界でバイクは無い様だから仕方ないかもしれない。

しかし、サラは一体何者なのだろうか?
先ほどの門番の応対からして、只者ではない印象があるのだが。

等々思案しながら運転をしていると、王城の門の前に到着した。
竜の双角をサラが王城の門番達に引渡し、

「用事はすぐ済ませますので、ここでお待ち下さいませんか?」

と言うので、ゲールランナーを消し、アーマー姿のまま、待機する事にした。

その間、レベル確認をする事にした。
すると総合レベルが15になっていた。
………ま……まぁ、相手は竜だった訳で一気に上がるわな、そりゃあ。

そうこう確認していたら、城の中から、サラが現れた。
サラの話だと、王様直々にお礼を述べられたいとの事だったので無下に断れず、謁見の間に通される事となった。

「何か大変な事になってないか?」

周囲をキョロキョロしながら、独り言を言う。

「大丈夫ですよ。中型とは言え、あの地竜を1人で討伐出来た方なんです。国王陛下もお会いし、お礼がしたいとの事です。あんまり緊張なさらないで下さい。」

サラは微笑を浮かべ、俺を見ながら安心出来る様に話をする。

『いや、光栄な事なんですけどね。
前の世界では、悪の組織を倒しても、誰も見向きもされなかったから、礼なんて無くて当たり前と思っていたんだが。』

そうこうしている内に例の間の扉の前に到着してしまった。

『……ハァ………緊張するなと言うが、無理難題だな。
先に述べたが、俺は日陰者な存在。あり得ん。表舞台に立つのは。』
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