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1章 幼少編 異世界召喚
3話
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双子を眠らせている間に、この国の王であるノア・エルネスは術者に命じて二人の能力適正を調べさせた。
結果、流輝は魔力が驚くほど強いことがわかった。火や水などあらゆる力を保持している。相当な魔力量であり、流輝はこのニューラウラ王国の中でも類を見ない希少な魔術師になれる力の持ち主だと判明した。ただし、光と闇の力はなかった。
逆に琉生は魔力量がかなり少ないことがわかった。おそらくずば抜けた剣の才能はありそうだが魔力を使うことはあまりできないだろうと思われる。ただし「光の救世主」が持ち得る希少な光の魔力が備わっている。
「どういうことだ」
現在、各国の代表として来ている他国の王や騎士、そしてノア自身の重臣たちと顔を突き合わせるようにして話し合いが行われていた。
本来召喚される者は一人のはずだ。そして光の救世主として召喚された者は強い魔力とともに光魔法を持ち、その上剣の才能にも優れているはずだった。だが実際召喚されたのは二人、しかも幼子だ。どう考えてもおかしい。片割れが光魔法を保持しているのもありおそらく「光の救世主」には間違いないとしても、魔力量など互いに持ち得ている才能が分散していることもおかしい。やはり何らかの間違いがあったのではと術者だけでなく学者たちも呼び寄せ、改めて調べさせた。
そして本来召喚の儀を行うのは実はあと十年前後は先だが、何故か計算が狂ってしまい誤って早めてしまっていたとわかった。そのせいで、今回のような事態になったのではないかという結論に達した。また、本来召喚されるはずの「光の救世主」が持ち得る能力と双子の適性を鑑みるに、おそらく計算が狂ったせいで運命も変わり、能力が二分されたのではないかと考えるに至った。
ミスはさておき、とにかくあの双子が「光の救世主」であることは間違いないということで話は収束した。そして時期が早まっただけだろうし、いつもの召喚と違ってこれから時期が来るまでゆっくり訓練していけるのも悪くないのではという話も出た。
となると、あの双子をどの国が保護するかだ。召喚者は世界のために呼び寄せた大切な存在になる。身分としては貴族どころか王族と同等として扱われ、もちろん衣食住も保証され、丁重に扱うこととなる。
モールザ王国が、保護すると率先して名乗り出たが、各国で話し合った結果ここはやはり各国の代表として実際召喚も行ったニューラウラ王国がいいのではないかとなった。また、今回の召喚者についてはかん口令を敷くことになった。光の救世主とはいえ、あの二人はあまりにも幼い。訓練をしていくにしても命を狙われる可能性もなくはなく、相当危険でしかない。
各国の代表を交えての話し合いが終わった後、ノアは改めて何てことをしてしまったのだと頭を抱えていた。先ほどの幼子たちが怯えていた様子を思い出す。とりあえず別途自国の重臣や術者、学者たちを集めた。
「こんな重要な儀に、計算を間違えていましたで済むと思うのか」
とはいえ術者や学者たちも軽率なやり方で調べたり、力を使ったりなどするはずもない。入念に調べ、話し合い、そして完璧に問題ないと結論を出した上での召喚だったはずだ。それはノアもわかっている。最終的に許可を出したのも自分だ。しかし口に出さずにはいられなかった。
「恐れながら、申し上げてもよろしいでしょうか」
「申せ」
「我々としてもいい加減なことで召喚の儀の方法や日程を導き出してなどおりません。証拠は今現状ありませんし仮説でしかないですが、もしや光の救世主を召喚するという情報を何らかの方法で知った魔族が邪魔をした可能性はないか、と……」
「……ふむ」
今回の過ちを、ノアとしても下の者に押し付けたい訳ではない。事実を見極めたいだけだ。なので今発言した内容にも一理あるとして、その方向で調べるよう命じた。
「あと、どうにかして召喚者を元の世界へ帰す方法も探せ」
文献には召喚の儀については書かれていても、救世主を元の世界へ戻す方法については一切書かれていない。
「帰す、ですか」
「あんな幼い子どもを親から引き離し、勝手に呼びつけるなどあってはならないことだ」
話し合いが終わると、ルイは疲れた顔をしながら愛する王妃、ソフィアの元へ向かった。ただしその表情はソフィアには見せないよう、取り繕ってから王妃の部屋に入る。だがすぐにばれた。
「何故そんな疲れた顔をなさっておられるのです」
「そなたには敵わないな。……実は」
先ほどあった出来事をソフィアに語ろうとした時、娘のローザリアが「お母さま!」と叫びながら部屋に駆けつけてきた。そして父親であるノアに気づく。
「ご、ごめんなさい」
「どうしたんだ?」
ノアは優しく微笑みながら、たじろぐローザリアを招き寄せるために腕を広げた。ローザリアはホッとしたように笑みを浮かべるとノアの元へ走り寄る。
「怖い夢をみたの」
「まあ、ローザリア。あなたはもう十歳になるお嬢さんなのにまだそんな怖がりさんでどうするの」
ソフィアが微笑ましそうな顔をしながらそんなことを言っている。ノアも微笑みながら、あの双子はこの我がローザリアよりももっと小さな子どもだったというのに、と心を痛めた。
結果、流輝は魔力が驚くほど強いことがわかった。火や水などあらゆる力を保持している。相当な魔力量であり、流輝はこのニューラウラ王国の中でも類を見ない希少な魔術師になれる力の持ち主だと判明した。ただし、光と闇の力はなかった。
逆に琉生は魔力量がかなり少ないことがわかった。おそらくずば抜けた剣の才能はありそうだが魔力を使うことはあまりできないだろうと思われる。ただし「光の救世主」が持ち得る希少な光の魔力が備わっている。
「どういうことだ」
現在、各国の代表として来ている他国の王や騎士、そしてノア自身の重臣たちと顔を突き合わせるようにして話し合いが行われていた。
本来召喚される者は一人のはずだ。そして光の救世主として召喚された者は強い魔力とともに光魔法を持ち、その上剣の才能にも優れているはずだった。だが実際召喚されたのは二人、しかも幼子だ。どう考えてもおかしい。片割れが光魔法を保持しているのもありおそらく「光の救世主」には間違いないとしても、魔力量など互いに持ち得ている才能が分散していることもおかしい。やはり何らかの間違いがあったのではと術者だけでなく学者たちも呼び寄せ、改めて調べさせた。
そして本来召喚の儀を行うのは実はあと十年前後は先だが、何故か計算が狂ってしまい誤って早めてしまっていたとわかった。そのせいで、今回のような事態になったのではないかという結論に達した。また、本来召喚されるはずの「光の救世主」が持ち得る能力と双子の適性を鑑みるに、おそらく計算が狂ったせいで運命も変わり、能力が二分されたのではないかと考えるに至った。
ミスはさておき、とにかくあの双子が「光の救世主」であることは間違いないということで話は収束した。そして時期が早まっただけだろうし、いつもの召喚と違ってこれから時期が来るまでゆっくり訓練していけるのも悪くないのではという話も出た。
となると、あの双子をどの国が保護するかだ。召喚者は世界のために呼び寄せた大切な存在になる。身分としては貴族どころか王族と同等として扱われ、もちろん衣食住も保証され、丁重に扱うこととなる。
モールザ王国が、保護すると率先して名乗り出たが、各国で話し合った結果ここはやはり各国の代表として実際召喚も行ったニューラウラ王国がいいのではないかとなった。また、今回の召喚者についてはかん口令を敷くことになった。光の救世主とはいえ、あの二人はあまりにも幼い。訓練をしていくにしても命を狙われる可能性もなくはなく、相当危険でしかない。
各国の代表を交えての話し合いが終わった後、ノアは改めて何てことをしてしまったのだと頭を抱えていた。先ほどの幼子たちが怯えていた様子を思い出す。とりあえず別途自国の重臣や術者、学者たちを集めた。
「こんな重要な儀に、計算を間違えていましたで済むと思うのか」
とはいえ術者や学者たちも軽率なやり方で調べたり、力を使ったりなどするはずもない。入念に調べ、話し合い、そして完璧に問題ないと結論を出した上での召喚だったはずだ。それはノアもわかっている。最終的に許可を出したのも自分だ。しかし口に出さずにはいられなかった。
「恐れながら、申し上げてもよろしいでしょうか」
「申せ」
「我々としてもいい加減なことで召喚の儀の方法や日程を導き出してなどおりません。証拠は今現状ありませんし仮説でしかないですが、もしや光の救世主を召喚するという情報を何らかの方法で知った魔族が邪魔をした可能性はないか、と……」
「……ふむ」
今回の過ちを、ノアとしても下の者に押し付けたい訳ではない。事実を見極めたいだけだ。なので今発言した内容にも一理あるとして、その方向で調べるよう命じた。
「あと、どうにかして召喚者を元の世界へ帰す方法も探せ」
文献には召喚の儀については書かれていても、救世主を元の世界へ戻す方法については一切書かれていない。
「帰す、ですか」
「あんな幼い子どもを親から引き離し、勝手に呼びつけるなどあってはならないことだ」
話し合いが終わると、ルイは疲れた顔をしながら愛する王妃、ソフィアの元へ向かった。ただしその表情はソフィアには見せないよう、取り繕ってから王妃の部屋に入る。だがすぐにばれた。
「何故そんな疲れた顔をなさっておられるのです」
「そなたには敵わないな。……実は」
先ほどあった出来事をソフィアに語ろうとした時、娘のローザリアが「お母さま!」と叫びながら部屋に駆けつけてきた。そして父親であるノアに気づく。
「ご、ごめんなさい」
「どうしたんだ?」
ノアは優しく微笑みながら、たじろぐローザリアを招き寄せるために腕を広げた。ローザリアはホッとしたように笑みを浮かべるとノアの元へ走り寄る。
「怖い夢をみたの」
「まあ、ローザリア。あなたはもう十歳になるお嬢さんなのにまだそんな怖がりさんでどうするの」
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