偽りの仮面

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20話(終)※

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 伊吹を愛しているが、伊吹の体も堪らなく好きだと芳は改めて思った。自分にも同じようについているペニスも伊吹のなら愛しくて堪らなく、本当に前からじっくり触れるだけでなく舐めてみたいと思っていた。伊吹が女だったらここまで思えなかったような気がするが、実際伊吹は男なのでそれはどうでもいい。
 硬く反応している伊吹のものを口で感じるのはとても興奮したし、芳が口に含み動かすことによってそれがますます反応して膨張するのも、先がどんどん濡れてくるのも愛しくてならなかった。
 達してしまうから顔を離すよう言われても芳は止めなかった。吸い込むように動かすと確かにもう我慢できなかったようで伊吹のものは脳内でパシャッと音が聞こえてきそうなほど勢いよく射精してきた。
 伊吹の精液が忌まわしい訳がない。多少喉に引っ掛かりを感じつつも飲み込み、その上で一気に縮んでいくかわいい伊吹の先を舌でさらに舐める。

「の、飲んだの……? ちょ、芳、大丈夫……?」
「問題ない。愛しさしかないよ」
「何言って……、……あと、あの、さ、出ちゃったし、その、口、離して?」
「何故?」
「だって、も……イった……」
「また硬くしてきてるのに?」

 少々キツそうだった声はだが、だんだんまた艶を帯びた風になっていくのがわかる。

「……それ、はあんたが舐めるから……! 正直ちょっとキツ……、かった、のにも……また勃っちゃっただろ……」
「伊吹……好きだよ」

 伊吹のペニスがまた勃起してから芳は一旦渋々そこから口を離した。そしてローションを手に取る。
今までも何度か伊吹の後ろを弄ったことはあるが、今日は最後までするためローションは丸々一本使いきるつもりでいた。
 最初はゆっくり一本の指を使いながら何度もローションで濡らしていく。多少慣れてくるともう一本、と増やしてまた伊吹のペニスを口に咥えた。

「な、舐めながらすんの?」
「その方が気持ちいいだろ」

 不器用なので上手く両立できるだろうかと、する前は少し心配していたが問題なかった。伊吹の中も、傷つけないよう何度もローションを足しているからか水音が響くほど濡れてどんどん柔らかくなっている気がする。かなり慣れてきた気がしたので今度は舐めながら中をゆっくり探っていく。
 それにしても最初は少々苦しげな息だった伊吹だが、中が慣れていくのが早い気がする。まさか後ろの経験も? と一瞬心配になったが、伊吹はそんなことを今まで一言も言っていないので、ないなとすぐに考え直した。
 伊吹は正直だ。もちろん隠し事が全くないとは言わないが、大切なことは前から口にしてくれていた。お互い本音を言うようにしてからの伊吹は今まで被っていた仮面を取り払ったかのように辛辣なこともニコニコさらりと口にするようにもなった気がするが、芳としてはいいことだと思っている。

「っあ? え、ちょ、待ってそこ……っ」

 中を探っていると伊吹がビクッと体を震わせてきた。

 ああ、ここなんだ。

 芳は笑みを浮かべ「見つけた」とペニスから一旦口を離して囁いた。見つけられてよかったと思う。笑みを浮かべた後にまたペニスを咥え舐めながらそこを弄っていると、切なさを通り越して苦しそうな伊吹の声がした。

「芳、今あんまそこ……弄らないで」
「何故」
「しゃぶりながら弄られるたら多分またイっちゃうだろ」
「いいことじゃないか」
「俺ばかり何度イかせる気だよ。さすがにキツいし、それならあんたもイかさせてよ。俺も芳を気持ちよくしたい」
「ありがとう、でも俺はお前の中で達するって決めてるから」
「……もう。じゃあ来て」
「駄目だよ、もっと慣らさないと」
「結構そこ弄ってるよ。どれだけするつもりなの」
「泊まりなんだから時間はいくらでもあるだろ。何時間でも弄って慣らすつもりだったが」
「それ何の拷問……! 抱き潰す前にイき殺す気なの……っ? なぁ……、もう指、三本は入るんじゃないの」
「まぁ」
「じゃあいいよ……して。……言いたくなかったけど……俺、ひとりでもずっと慣らしてたから……多分いける……」

 ひとりで?

 先ほどからずっと堪えてていた芳のものが痛いほどに主張してきた。

 俺のために?
 ──本当になんて愛しいんだろう。

「ん……ゆっくり……うん、芳……、大丈夫だよ……」

 コンドームをつけて念のためローションで濡らした芳のものを、伊吹は男らしく受け入れてくれた。いくら指で慣らしても質量の違うそれはかなりキツいだろうに、少し顔をひそめながらも「大丈夫」と何度も笑いかけてくる。
 芳が抱いているのだが、ある意味伊吹に抱かれているような気さえした。

 堪らないな……。

 男らしくていじらしくて愛しいと思う。
 何とか全部埋め込むようにゆっくり入れてからは馴染むまで動かないでいたかったのだが、童貞には厳しかった。

「悪い……本当にごめん……止まれない……」
「っん、ぁ、あ……っ」
「苦しい、か……?」
「ん、ん……っ、苦しい、し、硬くてでかくて熱い……」
「……煽らないで欲しいな……」
「煽って、ないから……、っん……苦しい、けど嬉しいよ……ようやく芳と最後まで、した……最高……、好き……、って、ちょ、またでかくした……っ?」
「不可抗力だ……」
「っあ、そこ、駄目……っあ、ぁ」

 芳こそ、最高なんてものでは言い表せなかった。気持ちよすぎて嬉しすぎて胸が震えいっぱいで苦しくて熱くて、とにかくどうにかなりそうだった。
 体位を変える余裕もなく、ひたすら伊吹のいいところだけは心に留めて自身を突き上げていた。



「お風呂、気持ちいいな」

 バスルームから出てきた伊吹が嬉しそうに言う。一緒に入ろうと誘ったが「ひとりで入らせて」と断られた。少しふらついていたので心配でもあったのだが、出てきた伊吹は何とか大丈夫そうで芳はホッとする。

「で、アロマライトの他は、何仕込んでたの」

 大丈夫どころか面白そうに聞いてくる伊吹に「……その辺は別に仮面を被ってくれていてもよかったぞ」と呟けば「何の話?」と怪訝そうにされた。

「まぁ、伊吹がかわいくて仕方ないって話」
「お兄ちゃんとして?」

 ニコニコと伊吹が近づいてくる。 
 もちろんこれからも年上の幼馴染として精進していきたいとは思う。けれども。

「蕩けそうなほど甘くて愛しい、俺の頼れる恋人としてだよ。俺が出てきたらシャンパン飲みながら俺の髪、乾かしてくれるか?」
「もちろん。何でもしてあげるよ」
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