君の風を

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14話

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 本当なら瑠衣の高ぶって硬くなっているそれに直接触れて思い切り扱きたい。それを相変わらず堪え、七瀬はひたすら瑠衣の体中に指や手のひらを這わせた。たびたび小さく震える瑠衣が愛しいと思っていたら、その瑠衣が七瀬の方を向いて睨みつけてきた。そんな様子すら堪らず、限界だとばかりにキスした。最初はそっと触れるように、だがすぐに理性が決壊したかのように貪った。
 まさかずっと避けていた瑠衣とキスできるなど、思いもよらなかった。もちろん同意じゃない。七瀬は今、勝手に襲っている。だが唖然としているせいか反応すら鈍るほど怒っているのか、瑠衣は反撃も抵抗もしてこない。

「や……」

 かわいい。
 かわいい。
 何てかわいいんだろう。耐え難い。

 キスを貪れば貪るほど、七瀬の理性が壊れる。
 瑠衣の目に涙が浮かんでいることに気づくと、最高潮にテンションが上がった。愛しすぎておかしくなりそうだった。
 もしかして耳が弱いのだろうかと、つい耳をひたすら愛撫してしまう。男の七瀬を拒んでいた瑠衣の乳首は、まるで男の七瀬を受け入れてくれているかのように先が硬く尖ってきた。おそらく硬く主張している瑠衣のものも先を濡らし、これ以上の刺激を耐え難いほど求めているのではないだろうか。
 携帯電話から「切る」といった声がふと聞こえてきた。と同時に七瀬は瑠衣の鈴口を指でぐりっと刺激させた。途端に瑠衣が喘ぎ声を漏らす。七瀬は手を離し、自ら携帯電話を急いで切った。
 瑠衣をいたぶるため通話のままにしていたが、それとこれとは別だ。瑠衣の喘ぎ声を大胡などに聞かせる気は皆無だった。
 その瑠衣の肩が小さく揺れている。堪らず出したのであろう精液がシャワーの湯によってじわじわと排水口へとゆっくり流れていた。それを目の当たりにし、七瀬も我慢できなくなった。射精した瑠衣をもう一度抱きしめたかったが諦めてそこから出、そのまま脱衣所に置いてあったタオルで簡単に体を拭くと、トイレへ向かった。
 ずっと勃たなかったそれは、今や痛いほど勃起していた。怒張したそれに手をやり、七瀬は今しがたまでの瑠衣を思い返しながら扱いた。あれほど勃たなかったというのに、笑えるほどあっけなく射精した。なんならもう一度出す勢いでまだ硬いままだった。
 しばらくして瑠衣の携帯電話に自分の番号などを登録してからリビングへ向かうと、瑠衣が出てくるのを待った。ようやく出てきた瑠衣は七瀬を見てまた唖然としている。

「おま……帰ったんじゃ」
「トイレ行ってた」
「は?」

 怒りがようやく最高潮に達したのか、瑠衣は七瀬の胸倉をつかんできた。

「お前何考えてんだよ。何だよさっきの! 俺がいいとこ邪魔した仕返しかっ? 悪質すぎるだろ……!」

 だが言ってきた意味がわからない。七瀬が勝手に入ってきたかと思うと瑠衣の体をまさぐり、射精させたことにも怒っているようではあるが、それとはまた別のことのほうが腹立たしいのだろうか。何の話かと聞けばあの女子二人のことを指摘してきた。

「あー……あいつらか。勝手についてきたんだよ。確かに迫ってきたけどどうせ俺、勃たないし断んのもいちいち面倒だから放っておいただけ」
「面倒ってお前、だいた……え? 何て?」
「何が」
「え、あ、いや、え? だって勃たないって」
「勃たないよ」
「んん?」

 また瑠衣が不可解そうな顔をしている。七瀬がまさぐったことに関しては構わないのだろうか。

「いや、だってお前……その、さっきは……」

 何かしどろもどろになりながら、瑠衣がまた赤い顔をしてきた。七瀬の部屋の前でも見せてきたそういった様子は、どうにも堪らなくなるので軽率に見せてこないで欲しいと思う。いや、ずっとでも見ていたいが、見ていると今すぐにでも瑠衣をどうにかしたくなる。

「……ねえ、何で赤くなんの」
「は? あ? ああ、いやだってそれはだってそりゃ普通なるだろ! せ、センシティブなことだし!」

 何を言っているのかと思いつつも、やはりどうにも堪らない。

「だ、だいたい勃たないって、お前さっき俺が部屋まで行った時すごい機嫌悪そうだっただろ。さっさと帰れと言わんばかりに。やる気に満ち溢れてたんじゃないのか」

 ねえ、俺が好き勝手にまさぐったことは別にいいの?

「そりゃ……お前にああいう肉食な生き物近づけたくなかったし」
「は?」
「それにあいつら見てお前、赤くなってたから機嫌も悪くなる」
「つか、仕返しとかじゃないならほんとさっきのあれ、何だよ! わざわざお前何しに来たんだよ」

 一瞬、ようやく咎めてきたかと思ったが、よく考えなくともやはりまさぐって射精させたことにさほど怒っているように思えない。七瀬はじわじわと気持ちがまた向上してくるのを感じつつ、今も赤い顔色の瑠衣を見た。

「……赤い顔したお前の何とも言えない表情に、どうしようもなくなった」
「はい?」

 今一度、瑠衣を堪能できるだろうか。

 そう考えていると玄関が開く音がした。どうやら瑠衣の母親が帰ってきたようだ。もう一度瑠衣を見てから、七瀬は諦めて玄関へ向かった。

「あれ、七瀬くんじゃない。久しぶり。聞いてたとおりほんと派手な色ねえ。学校、怒られないの」
「大丈夫です」

 七瀬にとって中学二年から今までの時間というのは相当長い時間だったが、当事者でもないというのもあるかもしれないものの瑠衣の母親といった身内でありながら第三者の大人からすれば単にさらりと「久しぶり」で済む時間なのだろう。何となくおかしく思えた。

「またいつでも遊びに来てね」
「はい、そうさせてもらいます」

 言葉通りに。

 七瀬は瑠衣の母親に頷いた。
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