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138話
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抱えられて放心しているとラルフのムッとした声が聞こえてきた。
「ちょっとさーレッド。そもそもお前のこと俺、あんまり許してないから」
何の話だ、とウィルフレッドは振り返ろうとした。だが抱えられたままびくともしない。そしてレッドはウィルフレッドを抱えたまま黙っている。
何か許す許さないといったやり取りをレッドはラルフとしていたのだろうかと怪訝に思っているとラルフが続けてきた。
「ウィルは俺の可愛い可愛い弟なの。分かる? それこそ可愛さ溢れてちゅーだってしたくなるくらいね。リストリア王に溺愛されてるアリーセ王女だと第三王子だけにウィルが下手をするとあっちの国行っちゃうかもだし、お前は本当に仕事の出来るやつだと分かってるし多分お前以外だったなら本気で蹴散らしてるかもだけどさー、だからといって諸手上げて喜んでお前にあげる、なんて言えないの。分かる?」
何て話をしているのだ……!
ポカンとしていた顔が今の話で途端に引きつる。
「……何故俺がウィルフレッド様と……」
「舐めないでもらいたいな。だいたいお前、昔からウィルのこと大好き過ぎでしょ。つってもとうとう恋人になったかもしれないって情報は兄上であるルイから。レッド、お前さー気をつけたほうがいいよ。兄上は俺以上に納得してないから。今はアルス王国やら何やらのことでまだごたついてるから何も言ってこないんだろうけど」
なんてことだよとウィルフレッドは何も言えずに身を強張らせていた。腹立たしさ云々というより相当な羞恥に襲われている。むしろ縦に抱えられていてラルフからもレッドからも顔が見えなくて良かったと思えた。
何故恋人になったかもしれないなどとばれているのか。
まさか肉体関係か、と思ったが、その関係なら恋人でない頃にもあった。ということは雰囲気か何かで察せられたとしか思えない。レッドを助けようと必死だったからか。しかし主人ならそもそも自分の側近が死にかけているというのに悠長に構えてなどいられないはずだ。
なんにせよ、ウィルフレッドにとっては雰囲気で気づかれるなど、肉体関係がバレるよりも恥ずかしい気がした。
「レッド……頼むからこのまま部屋まで急いで俺を運べ」
顔が熱くて堪らないウィルフレッドが小声でぼそりと呟くと、レッドも小さく「御意」と呟いた。
「ラルフ様。俺は騎士としても側近としても、そして恋人としてもウィルフレッド様を生涯お慕いし、大切にし続けます。では失礼いたします」
「あ、ちょっと」
有無を言わさないといった態度でレッドはそのまま移動した。この時ばかりは無口で淡々としたレッドでよかったと思う。その上でレッドの男らしい毅然とした態度にウィルフレッドは顔だけでなく全身が熱くて堪らなくなった。そして自室が近くなったところでようやく、抱えられて運ばれている恥ずかしさよりも重要なこと、レッドが死にかけていた怪我人だったと改めて思い出した。
「お、下ろしてくれ」
「? このまま部屋まで運びますが」
「違う、お前が重傷を負っていたことを今更ながらに思い出したのだ」
「ああ。ご安心ください。もう治りました」
いくらクライドの魔法が凄いとはいえ、レッドは本当に死にかけていた。
「……い、痛みくらいは残っているのだろう?」
「それも既にありません」
言い切るとレッドはウィルフレッドを運び続けた。
鍛え方が違うのだろうか、と一瞬放心していたウィルフレッドは改めて落ちないようにぎゅっとレッドにしがみつきながら微妙に思った。ウィルフレッドは未だに少々筋肉痛が残っている。必死に誤魔化していたが、実は戦いの翌日は肉離れの一種かと思うほどの筋肉痛に襲われていた。自分よりも周りの人間のほうが魔王のように思えてくる。
ふと耳元でため息が聞こえた。
「おい。やはりまだ体に堪えるのではないのか」
「違います。しがみついてくる王子が可愛くて堪らないだけです」
「……、は、はぁ? お、お前そういう性格だったか?」
「俺はこういう性格です。ただ王子への気持ちはひた隠しにしていたので」
妙にむずむずとしてきた。全身の熱が下肢に集まりそうだ。ウィルフレッドは一気にその気になった。
「本当に完全に治ったというなら、部屋へ俺を連れて行ったらそのまま俺を抱け」
「……光栄ですがさすがにそれは。まだ日中で、俺は仕事中ですし王子も仕事をしてください」
「俺のおもりも仕事だろうが。じゃないと俺は一人でするぞ。どうせお前は俺の様子を窺わねばならんのだろう? 俺が一人でするのをこっそり見てるなら一緒にすればいいだろうが」
「……あなたがおひとりでされるのを見ているのも中々俺は楽しめますが」
ウィルフレッドの屋敷につき、結局抱えたままレッドはウィルフレッドの自室まで運んだ。下ろされながらそんなことを言われ、ウィルフレッドはまた顔が熱くなるのが分かった。
「な、何のプレイだ! まさかそれを見ながらお前もするのか?」
「いえ、俺はあなたがなさっていることをただじっと腕組みでもして見ております」
本当に何のプレイだよ……!
「……クソ、ちょっと興奮しただろうが。が、分かった。仕事をする。その代わり今晩は絶対俺を抱け」
「御意」
レッドが小さくではあるが笑った。
「ちょっとさーレッド。そもそもお前のこと俺、あんまり許してないから」
何の話だ、とウィルフレッドは振り返ろうとした。だが抱えられたままびくともしない。そしてレッドはウィルフレッドを抱えたまま黙っている。
何か許す許さないといったやり取りをレッドはラルフとしていたのだろうかと怪訝に思っているとラルフが続けてきた。
「ウィルは俺の可愛い可愛い弟なの。分かる? それこそ可愛さ溢れてちゅーだってしたくなるくらいね。リストリア王に溺愛されてるアリーセ王女だと第三王子だけにウィルが下手をするとあっちの国行っちゃうかもだし、お前は本当に仕事の出来るやつだと分かってるし多分お前以外だったなら本気で蹴散らしてるかもだけどさー、だからといって諸手上げて喜んでお前にあげる、なんて言えないの。分かる?」
何て話をしているのだ……!
ポカンとしていた顔が今の話で途端に引きつる。
「……何故俺がウィルフレッド様と……」
「舐めないでもらいたいな。だいたいお前、昔からウィルのこと大好き過ぎでしょ。つってもとうとう恋人になったかもしれないって情報は兄上であるルイから。レッド、お前さー気をつけたほうがいいよ。兄上は俺以上に納得してないから。今はアルス王国やら何やらのことでまだごたついてるから何も言ってこないんだろうけど」
なんてことだよとウィルフレッドは何も言えずに身を強張らせていた。腹立たしさ云々というより相当な羞恥に襲われている。むしろ縦に抱えられていてラルフからもレッドからも顔が見えなくて良かったと思えた。
何故恋人になったかもしれないなどとばれているのか。
まさか肉体関係か、と思ったが、その関係なら恋人でない頃にもあった。ということは雰囲気か何かで察せられたとしか思えない。レッドを助けようと必死だったからか。しかし主人ならそもそも自分の側近が死にかけているというのに悠長に構えてなどいられないはずだ。
なんにせよ、ウィルフレッドにとっては雰囲気で気づかれるなど、肉体関係がバレるよりも恥ずかしい気がした。
「レッド……頼むからこのまま部屋まで急いで俺を運べ」
顔が熱くて堪らないウィルフレッドが小声でぼそりと呟くと、レッドも小さく「御意」と呟いた。
「ラルフ様。俺は騎士としても側近としても、そして恋人としてもウィルフレッド様を生涯お慕いし、大切にし続けます。では失礼いたします」
「あ、ちょっと」
有無を言わさないといった態度でレッドはそのまま移動した。この時ばかりは無口で淡々としたレッドでよかったと思う。その上でレッドの男らしい毅然とした態度にウィルフレッドは顔だけでなく全身が熱くて堪らなくなった。そして自室が近くなったところでようやく、抱えられて運ばれている恥ずかしさよりも重要なこと、レッドが死にかけていた怪我人だったと改めて思い出した。
「お、下ろしてくれ」
「? このまま部屋まで運びますが」
「違う、お前が重傷を負っていたことを今更ながらに思い出したのだ」
「ああ。ご安心ください。もう治りました」
いくらクライドの魔法が凄いとはいえ、レッドは本当に死にかけていた。
「……い、痛みくらいは残っているのだろう?」
「それも既にありません」
言い切るとレッドはウィルフレッドを運び続けた。
鍛え方が違うのだろうか、と一瞬放心していたウィルフレッドは改めて落ちないようにぎゅっとレッドにしがみつきながら微妙に思った。ウィルフレッドは未だに少々筋肉痛が残っている。必死に誤魔化していたが、実は戦いの翌日は肉離れの一種かと思うほどの筋肉痛に襲われていた。自分よりも周りの人間のほうが魔王のように思えてくる。
ふと耳元でため息が聞こえた。
「おい。やはりまだ体に堪えるのではないのか」
「違います。しがみついてくる王子が可愛くて堪らないだけです」
「……、は、はぁ? お、お前そういう性格だったか?」
「俺はこういう性格です。ただ王子への気持ちはひた隠しにしていたので」
妙にむずむずとしてきた。全身の熱が下肢に集まりそうだ。ウィルフレッドは一気にその気になった。
「本当に完全に治ったというなら、部屋へ俺を連れて行ったらそのまま俺を抱け」
「……光栄ですがさすがにそれは。まだ日中で、俺は仕事中ですし王子も仕事をしてください」
「俺のおもりも仕事だろうが。じゃないと俺は一人でするぞ。どうせお前は俺の様子を窺わねばならんのだろう? 俺が一人でするのをこっそり見てるなら一緒にすればいいだろうが」
「……あなたがおひとりでされるのを見ているのも中々俺は楽しめますが」
ウィルフレッドの屋敷につき、結局抱えたままレッドはウィルフレッドの自室まで運んだ。下ろされながらそんなことを言われ、ウィルフレッドはまた顔が熱くなるのが分かった。
「な、何のプレイだ! まさかそれを見ながらお前もするのか?」
「いえ、俺はあなたがなさっていることをただじっと腕組みでもして見ております」
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「御意」
レッドが小さくではあるが笑った。
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