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大河原 良紀(おおがわら よしき)は基本的に周りから「何考えているかわからない」とはっきり口にされるタイプだ。
家業が極道であることは大抵皆知っている。かといってそれに関しては、胡散臭いながらも良紀の愛想がいいからか、特にわかりやすく恐れられることはない。何考えているのか、というのは恐らく誰に対してもニコニコ敬語であるからだろうとは本人も何となくわかっている。
背が高く、顔つきは整っているものの、どちらかと言えば鋭いほうだ。明らかにかわいいタイプではない。ただそれでも相変わらず良紀はニコニコ愛想よく誰にでも敬語で話す。
生徒会では書記をずっとしていて、同じ書記である二年の三里と一年の永久をとてもかわいがっている。これに関しても、あからさまにかわいがっているというのにどうにも胡散臭く思われているのか、特に三里からは少々引かれている。それでも三里の反応がかわいくて、良紀はますますちょっかいかけたくなる。
とても反応の冷たい永久に関しては、永久の性格を思うと真っ当な反応だと思っているので特に気にしていない。自分が楽しいからかわいがっており、良紀は自分の腹が白くないと自覚しているので全然気にしないし、二人に対しても配慮することなく無駄にかわいがる。
会計に関してだと、瑠生は同級生のためかわいがるという感覚はない。ある意味同志的な感覚というのだろうか。ただし「俺たちは同志だよね」などと瑠生に対し口にすれば、生徒会メンバーには温厚である瑠生も「遠慮する」と言ってきそうではある。
二年の睦と一年の青葉に関しては、書記である後輩とはまた違った風にかわいいと思っている。
あの二人は実際本当にろくでもない。最近は変わってきているが、良紀としてはろくでもない二人だろうが変わってきている二人だろうが気にならないし、咎めようと思ったこともない。
生徒会に所属している生徒はそもそも皆、文武両道である優秀な者だが、変に個性豊かというか褒められたものではない部分を持っている。それでも皆が自分の中でこれだけはという芯も持っていると良紀は思っている。そういう部分が良紀としては好ましい。
ちなみに会計の兄弟二人はあろうことか会長、副会長である宏と千鶴の恋愛本を作って楽しんでいたりもする。いわゆる同人誌的なものらしい。それに関して知っても、良紀は咎めるどころかその本を楽しく読ませてもらっている。むしろ宏も千鶴も両極端な性格でありながら全くといってもいいくらい本心を出さなさそうな二人であるというのに、よくそれらしき人物像をつかんで表現できるなと、ある意味関心している。
風紀に対しても良紀は遠慮なく絡みに行く。委員長の基久は同級生でもある。そして彼は誰に対しても気さくであり、良紀も気軽に絡みやすい。
一学年下の副委員長、拓実は相当良紀を警戒してくる。さすがに年上で生徒会メンバーである良紀に対し、他の者が良紀をあからさまに「何考えているかわからない」と言ってくるのと違い、真面目な受け答えはしてくる。だが警戒しているという態度は隠れていない。もしかしたら隠さないことで暗に「何考えているかわからない」と伝えてきているのかもしれない。真面目でいて中々食えないタイプの拓実ならやりかねないと思っているし、そういう拓実を良紀は好きだ。
風紀一般の雫と慧に関しては見回りもしているし役職に近い仕事をしてはいるのだが、基本的にはやはり一般なので残念ながらあまり風紀室にずっといるわけではないし、良紀もさほど接触する機会がないままだ。
風紀書記の黄馬は同級生であるのだが、あまり仲よく接すると瑠生が喜ばないため、残念ながらさほど絡みに行っていない。慶一には機会があれば絡みに行くのだが、面白いくらい無表情で無口であるため、会話が続くことはない。ただそういった無反応具合が楽しいのでやはりちょくちょく絡みには行く。
他の生徒会メンバーはあまり風紀メンバーと接していないようだ。とはいえ黄馬は瑠生とつき合っているし、慶一も最近青葉とつき合い始めたようなので、彼らは別だろうか。
そして風紀書記一年の斗真は新しく良紀のお気に入りになった生徒だ。元々家業が同じなので存在は知っていた。見た目も態度もとてもかわいらしい。ただ中身は中々いい性格をしているということはすぐに見てとれた。だからこそ、なおさらかわいいと思っている。
その上、良紀の姉がこのたび斗真の兄と婚約した。将来、良紀と斗真は身内になる。それもあり、ますますかわいがっている。
こうして皆をかわいい、気に入っていると思ったり実際口にしているからか、良紀はどうにも周りからチャラいヤツだと思われているようだ。男女ともに軽率なつき合いをしていると見られている。
確かに言動がそう思わせるのかもしれないが、本人としてはチャラいつもりはないし、軽率なつき合いはむしろ好まない。
男女ともに一応大丈夫ではあるが、女性の方が好きだ。今つき合っている相手も女性だ。最近つき合い始めたのだが、一つ年下の幼馴染だったりする。色々あってようやくつき合い始めたと言ってもいいかもしれない。
それまでも何人かとつき合ってはいたが、いい加減な気持ちでつき合ったことだけはない。
「良紀さん、こんばんはです」
夜、寮の生徒会スペースで寛いでいると、そこへ斗真が近づいてきた。基本的に風紀メンバーがこちらへ来ることはないが、斗真はあまりそういったことを気にしない。
「斗真。どうかしたんです? そういえば放課後訪ねてきてくれてたんですよね、青葉が言ってました」
「はい。兄さんたちが今度僕の実家で一緒に食事するそうなので、僕と良紀さんもよかったらって連絡きたんです」
「そうですか。いいですね、俺もご一緒していいならお伺いしたいとお伝えください」
ニコニコかわいらしい笑みを向けてくる斗真に、良紀もニッコリ微笑む。それをたまたま通りかかった三里が見て微妙な顔をしてきた。
「おや、三里ちゃんじゃないですか。なぜそんな顔してるんです?」
気づいた良紀が聞くも「いや……何でもねぇす」と呟きながら歩いて行こうとしたので、良紀は笑顔のまま三里の腕をつかんだ。
「な、何すか」
「思ったことは声に出さないとそれが溜まって胃に穴が空いてしまうらしいですよ」
「ま、マジかよ……!」
そんなわけないですよね、と聞いていた斗真だけでなく言った本人、良紀も心の中でそっと呟く。実際に激しいストレスにずっと晒されているといった状態なら別だが、三里が少々微妙に思った程度で穴が空いていたら、世の中大変なことになるだろうと思われる。
だが三里は微妙そうだった顔を青くしながら固まっている。成績は相当いいというのに、と良紀はそっと苦笑した。
「え、えっと……別に大したことじゃねーんすけど。何つーか、二人とも仲よさげなのに敬語だし、敬語なのに何かやたらニコニコしてて、えっとその」
「ああ、それで微妙に思ったんですね」
説明しようとしてどこか言いづらそうな三里に、良紀はおかしげに笑いながら後を続けた。
「ぅ、あ、まあその、そういうよーな感じっつーか……」
「俺と斗真はこれで普通なのですよ」
「そーなんです。僕も良紀さんもこんな感じが普通です。だからあまり気にされないでくださいね!」
楽しげに良紀が言った後に斗真が愛らしい笑みを浮かべて三里に笑いかけた。
「わ、かった。えっと、じゃあその、俺、部屋に戻るんで」
まだ少々微妙そうな三里が実際部屋に戻っていったのを見ながら、斗真が楽しげに良紀を見てきた。
「三里さんってかわいい人ですよね」
「斗真に言われてるってわかったら、きっとますます微妙な顔をされると思いますよ」
「あーそうかもしれませんね」
それにしても三里的にあまり立ちあいたくないような場面に、三里は出くわすことが多いなと良紀は改めて思い、またおかしくなる。
「そういえば良紀さん」
「はい?」
そっと笑っていると、斗真がぼそりと小声で呼びかけてきた。
「少し前に慧さんが襲われたこと、あったじゃないですか」
「斗真はむしろなぜ知ってるんです?」
「えへへ。なぜか、です」
穏やかに問いかけると無邪気な笑顔が返ってきた。
斗真は風紀メンバーなので慧が襲われたことは普通に考えると知らないはずだった。当事者の慧とその場に居合わせた雫はもちろん知っているが、口止めされている。例え万が一誰かに言うとしても自分たちより一つ年下の、この一見無害そうな小動物に言うとは思えない。
「全く。あなたは本当に侮れませんね。あなたに背中を向けた途端やられそうですよね」
「そんなことありませんよ! むしろ背中を預ける感じでお願いしたいです」
「何言ってるんですか」
ムキになって言ってくる斗真に思わず普通に笑った後、良紀は一旦口を閉じてからもう一度言い直した。
「襲われたことで、何かあるんですか?」
「いえ、何か知ってるとか心当たりがあるとかではないんですが、薬系が絡んでるなら僕のほうでもあたるようにしましょうか」
何をあたるのか、というのは聞かなくともわかった。斗真の家が抱えている範囲だろう、と良紀は思う。
昨年起きた事件の際は特に表立って外部が関わっているといった様子は見られなかったし、調べても何も出てこなかった。だがいくら金持ちの坊ちゃんとはいえ、薬やハーブは突然湧いて出てこない。
「そうですねぇ……こっそりと、やれるなら」
少し考えた後、良紀が言うと「はい!」と斗真は嬉しそうに破顔した。
家業が極道であることは大抵皆知っている。かといってそれに関しては、胡散臭いながらも良紀の愛想がいいからか、特にわかりやすく恐れられることはない。何考えているのか、というのは恐らく誰に対してもニコニコ敬語であるからだろうとは本人も何となくわかっている。
背が高く、顔つきは整っているものの、どちらかと言えば鋭いほうだ。明らかにかわいいタイプではない。ただそれでも相変わらず良紀はニコニコ愛想よく誰にでも敬語で話す。
生徒会では書記をずっとしていて、同じ書記である二年の三里と一年の永久をとてもかわいがっている。これに関しても、あからさまにかわいがっているというのにどうにも胡散臭く思われているのか、特に三里からは少々引かれている。それでも三里の反応がかわいくて、良紀はますますちょっかいかけたくなる。
とても反応の冷たい永久に関しては、永久の性格を思うと真っ当な反応だと思っているので特に気にしていない。自分が楽しいからかわいがっており、良紀は自分の腹が白くないと自覚しているので全然気にしないし、二人に対しても配慮することなく無駄にかわいがる。
会計に関してだと、瑠生は同級生のためかわいがるという感覚はない。ある意味同志的な感覚というのだろうか。ただし「俺たちは同志だよね」などと瑠生に対し口にすれば、生徒会メンバーには温厚である瑠生も「遠慮する」と言ってきそうではある。
二年の睦と一年の青葉に関しては、書記である後輩とはまた違った風にかわいいと思っている。
あの二人は実際本当にろくでもない。最近は変わってきているが、良紀としてはろくでもない二人だろうが変わってきている二人だろうが気にならないし、咎めようと思ったこともない。
生徒会に所属している生徒はそもそも皆、文武両道である優秀な者だが、変に個性豊かというか褒められたものではない部分を持っている。それでも皆が自分の中でこれだけはという芯も持っていると良紀は思っている。そういう部分が良紀としては好ましい。
ちなみに会計の兄弟二人はあろうことか会長、副会長である宏と千鶴の恋愛本を作って楽しんでいたりもする。いわゆる同人誌的なものらしい。それに関して知っても、良紀は咎めるどころかその本を楽しく読ませてもらっている。むしろ宏も千鶴も両極端な性格でありながら全くといってもいいくらい本心を出さなさそうな二人であるというのに、よくそれらしき人物像をつかんで表現できるなと、ある意味関心している。
風紀に対しても良紀は遠慮なく絡みに行く。委員長の基久は同級生でもある。そして彼は誰に対しても気さくであり、良紀も気軽に絡みやすい。
一学年下の副委員長、拓実は相当良紀を警戒してくる。さすがに年上で生徒会メンバーである良紀に対し、他の者が良紀をあからさまに「何考えているかわからない」と言ってくるのと違い、真面目な受け答えはしてくる。だが警戒しているという態度は隠れていない。もしかしたら隠さないことで暗に「何考えているかわからない」と伝えてきているのかもしれない。真面目でいて中々食えないタイプの拓実ならやりかねないと思っているし、そういう拓実を良紀は好きだ。
風紀一般の雫と慧に関しては見回りもしているし役職に近い仕事をしてはいるのだが、基本的にはやはり一般なので残念ながらあまり風紀室にずっといるわけではないし、良紀もさほど接触する機会がないままだ。
風紀書記の黄馬は同級生であるのだが、あまり仲よく接すると瑠生が喜ばないため、残念ながらさほど絡みに行っていない。慶一には機会があれば絡みに行くのだが、面白いくらい無表情で無口であるため、会話が続くことはない。ただそういった無反応具合が楽しいのでやはりちょくちょく絡みには行く。
他の生徒会メンバーはあまり風紀メンバーと接していないようだ。とはいえ黄馬は瑠生とつき合っているし、慶一も最近青葉とつき合い始めたようなので、彼らは別だろうか。
そして風紀書記一年の斗真は新しく良紀のお気に入りになった生徒だ。元々家業が同じなので存在は知っていた。見た目も態度もとてもかわいらしい。ただ中身は中々いい性格をしているということはすぐに見てとれた。だからこそ、なおさらかわいいと思っている。
その上、良紀の姉がこのたび斗真の兄と婚約した。将来、良紀と斗真は身内になる。それもあり、ますますかわいがっている。
こうして皆をかわいい、気に入っていると思ったり実際口にしているからか、良紀はどうにも周りからチャラいヤツだと思われているようだ。男女ともに軽率なつき合いをしていると見られている。
確かに言動がそう思わせるのかもしれないが、本人としてはチャラいつもりはないし、軽率なつき合いはむしろ好まない。
男女ともに一応大丈夫ではあるが、女性の方が好きだ。今つき合っている相手も女性だ。最近つき合い始めたのだが、一つ年下の幼馴染だったりする。色々あってようやくつき合い始めたと言ってもいいかもしれない。
それまでも何人かとつき合ってはいたが、いい加減な気持ちでつき合ったことだけはない。
「良紀さん、こんばんはです」
夜、寮の生徒会スペースで寛いでいると、そこへ斗真が近づいてきた。基本的に風紀メンバーがこちらへ来ることはないが、斗真はあまりそういったことを気にしない。
「斗真。どうかしたんです? そういえば放課後訪ねてきてくれてたんですよね、青葉が言ってました」
「はい。兄さんたちが今度僕の実家で一緒に食事するそうなので、僕と良紀さんもよかったらって連絡きたんです」
「そうですか。いいですね、俺もご一緒していいならお伺いしたいとお伝えください」
ニコニコかわいらしい笑みを向けてくる斗真に、良紀もニッコリ微笑む。それをたまたま通りかかった三里が見て微妙な顔をしてきた。
「おや、三里ちゃんじゃないですか。なぜそんな顔してるんです?」
気づいた良紀が聞くも「いや……何でもねぇす」と呟きながら歩いて行こうとしたので、良紀は笑顔のまま三里の腕をつかんだ。
「な、何すか」
「思ったことは声に出さないとそれが溜まって胃に穴が空いてしまうらしいですよ」
「ま、マジかよ……!」
そんなわけないですよね、と聞いていた斗真だけでなく言った本人、良紀も心の中でそっと呟く。実際に激しいストレスにずっと晒されているといった状態なら別だが、三里が少々微妙に思った程度で穴が空いていたら、世の中大変なことになるだろうと思われる。
だが三里は微妙そうだった顔を青くしながら固まっている。成績は相当いいというのに、と良紀はそっと苦笑した。
「え、えっと……別に大したことじゃねーんすけど。何つーか、二人とも仲よさげなのに敬語だし、敬語なのに何かやたらニコニコしてて、えっとその」
「ああ、それで微妙に思ったんですね」
説明しようとしてどこか言いづらそうな三里に、良紀はおかしげに笑いながら後を続けた。
「ぅ、あ、まあその、そういうよーな感じっつーか……」
「俺と斗真はこれで普通なのですよ」
「そーなんです。僕も良紀さんもこんな感じが普通です。だからあまり気にされないでくださいね!」
楽しげに良紀が言った後に斗真が愛らしい笑みを浮かべて三里に笑いかけた。
「わ、かった。えっと、じゃあその、俺、部屋に戻るんで」
まだ少々微妙そうな三里が実際部屋に戻っていったのを見ながら、斗真が楽しげに良紀を見てきた。
「三里さんってかわいい人ですよね」
「斗真に言われてるってわかったら、きっとますます微妙な顔をされると思いますよ」
「あーそうかもしれませんね」
それにしても三里的にあまり立ちあいたくないような場面に、三里は出くわすことが多いなと良紀は改めて思い、またおかしくなる。
「そういえば良紀さん」
「はい?」
そっと笑っていると、斗真がぼそりと小声で呼びかけてきた。
「少し前に慧さんが襲われたこと、あったじゃないですか」
「斗真はむしろなぜ知ってるんです?」
「えへへ。なぜか、です」
穏やかに問いかけると無邪気な笑顔が返ってきた。
斗真は風紀メンバーなので慧が襲われたことは普通に考えると知らないはずだった。当事者の慧とその場に居合わせた雫はもちろん知っているが、口止めされている。例え万が一誰かに言うとしても自分たちより一つ年下の、この一見無害そうな小動物に言うとは思えない。
「全く。あなたは本当に侮れませんね。あなたに背中を向けた途端やられそうですよね」
「そんなことありませんよ! むしろ背中を預ける感じでお願いしたいです」
「何言ってるんですか」
ムキになって言ってくる斗真に思わず普通に笑った後、良紀は一旦口を閉じてからもう一度言い直した。
「襲われたことで、何かあるんですか?」
「いえ、何か知ってるとか心当たりがあるとかではないんですが、薬系が絡んでるなら僕のほうでもあたるようにしましょうか」
何をあたるのか、というのは聞かなくともわかった。斗真の家が抱えている範囲だろう、と良紀は思う。
昨年起きた事件の際は特に表立って外部が関わっているといった様子は見られなかったし、調べても何も出てこなかった。だがいくら金持ちの坊ちゃんとはいえ、薬やハーブは突然湧いて出てこない。
「そうですねぇ……こっそりと、やれるなら」
少し考えた後、良紀が言うと「はい!」と斗真は嬉しそうに破顔した。
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