生まれついた心と体 ~『私』という名の新しい性別~

新帯 繭

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私の体験談

それは幼少期から脈々と続いていて、未だに解決しない悩みである。

私は、生まれ付きの不定性で、女性寄りの性自認を持っている。
乳児期から女性の行動に興味があって、メイクをしたり、人形遊びをしたり、ぬいぐるみとずっと一緒にいて遊んだり、ままごとをしたり、とにかく女の子っぽい遊びが中心だった。
見るアニメも、『セーラームーン』や『キューティーハニー』、『あずきちゃん』や『秘密のあっこちゃん』が中心で、どちらかと言えば戦隊ものや男の子向けは『ウルトラマン』以外は興味が無かった。
周囲から『男の子だから』とか『女の子だから』と言われても、未だに十分には理解はできない
遊び相手も、男の子よりも女の子が中心。
男の子は殴ってくるし乱暴だから怖くて仕方がない。
その代わり、女の子とは、今思えば同性の感覚で、好きになり得る異性と言うより友達感覚。
男の子と一緒が嫌と言う訳じゃないけれど、お友達としては女の子との方が、気があって落ち着いて、リラックスして過ごせた。
それでも、生まれついた性別が『男』。
見た目は、幼少期は中性的に近い見た目でも、服装もグループ分けも、何もかもが男の子。
女の子から気味悪がられたり、『男の子だから、男の子と遊んだら?』と言われたりして、酷く傷ついたし、どんどん落ち込んでいく毎日だった。

小学生に上がれば、自分で言うのも変だけれど、見た目の良さもあってか女の子に取り囲まれることが多く、虐めに遭うことの多かった日常で救いだった。
しかし、その取り囲みも『男の子』として……。
自分は同性の友達という感覚で一緒に帰ったり、遊んだりしていても、『カップル』という括りと固定概念で見られて、結局相手から敬遠されたり、周囲から揶揄われたり、時には逆に好意を抱かれたりして、非常に困っていた。
虐めの原因は、『体が大きい割に落ち着いていて大人しいから』、『基本的に女の子と一緒にいて、男の子らしくないから』、『勉強しないし鈍いくせに、科学に異様に詳しくて変に頭が良いから』というものだったと、大人になってから周囲から聞く情報も合わせて根拠を持って認識している。
要は、男の子なのに変に落ち着いていて女の子といるような軟弱者だから、気持ち悪いし仕返しもしないから、徹底的に虐めてやろうという、小学生のみならず日本社会の悪い思想だ。
本当は、ガーリーじゃなくても、男の子っぽい服装よりは女の子でも通用するようなカワイイ着こなしか、いっその事パンツスタイルでカッコいいガールズウェアを着たりして、髪も少し長めにカッコカワイイセットをしたりして、自分を楽しみたかったけれど、我慢して、筋肉を鍛えたり、女性っぽくなっていく体を必死で隠したり、敢えて恥ずかしいのを我慢して上半身裸で歩いてみたり、髪を短くしたりして、自分が傷つかないために『男の子』を演じ続ける様にした。

中学に上がっても、結局言われる言葉は『オカマ』。
仕草や言葉の所為だった。
手を口に当てる癖と感嘆の際に発する声や相槌が、どちらかと言えばJKやギャルに近い。
自分を指す一人称も、殆どの場合が『ウチ』。
体を鍛えて、見た目を男にしてみても、内面は儘。
故に、部活で丸坊主にしてみて、誤魔化してみていた。
意中の女子も、聞かれるたびに複数人答えていた。
でも、本当に好きなのは一人だけで、後は友達と思っているひとばかり。
本当は男の子も好きになってみたくて、他の学校とかで一目惚れしそうな男子を見つけても、結局は日頃されている所業が頭を過って、一気に冷めてしまう。
結局、告白したのは幼少期から思い続けていた初恋の相手だった。
知性的で、優しくて、頭の良い彼女に、受験を理由に呆気なくフラれた。
だけど、それでいいと思った。
少しだけ、心の靄が薄くなった。
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