光の剣

湯島晴一

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7 光の剣

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私は、遙かな天上からあの御方を見詰めている。空のように蒼い目をしたあの御方を。

私はあの御方が地上の方々を歩まれるのを見詰めている。
幾多の仲間達と共に。
気高く美しき心を持ち、世を去った幾多の仲間達と共に。

あの御方は、その果て無き旅路の途上にて出会うのだ。
どうしようもなく心を痛めてしまった哀れな者達に。
過去に負った心の傷の為に、本来歩むべき生を見失ってしまった哀れな者達に。

そんな時、あの御方は、その右手を掲げる。

そして、その右手の腕輪を輝かせながら、こう叫ぶ。

『降り注げ、光の剣!』

その叫びに、その腕輪の輝きに応じるかのように、私は仲間達と共に地上へと舞い降りる。
地上へと舞い降りる私達は、光の剣の姿を為している。
光の剣の姿となり、地上へと舞い降りた私達は、その者と重なり合う。
そして、その者に、私達の魂の熱を伝えるのだ。
私達が伝えた魂の熱は、その者に幸せな夢を見させる。
その心の傷を癒やす、幸せな夢を。
その者の哀しき過去を塗り替える、幸せな夢を。

一刻であれど、私達はその者の家族となる。
一刻であれど、私達は魂の全てを傾け、その者を愛する。
一刻であれど、私達はその者の家族として、その者の心を暖める。
そして、その者の心から打ち払うのだ、その者を苛んで止まない、憤怒や絶望を。
その者を蝕んで止まない、悲嘆や苦悩を。
そして、その者の心を支える力を与えるのだ。
 

私は見守り続ける、あの蒼き瞳の御方の果て無き旅路を。
蒼空の彼方にて、私の新たなる家族と共に。
そして、蒼き瞳の御方の呼び掛けと共に地上へと舞い降りる。
金色の輝きを纏った光の剣となって。



光の剣、
それは、あの御方が私に与えて下さった新たな姿。


光の剣、
それは、あの御方が私に与えて下さった新たな名。
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