Dear Dandelion,

響也

文字の大きさ
21 / 39

第21話 大都市ガリモオ

しおりを挟む
 カイが目を覚ました。

「レオ?」

「カイ大丈夫?」

「なんとかな。あんまり記憶がないけど」

「かなりうなされてたんだよ。まってて、クリスを呼んでくる。クリスー! カイが目をさましたよー!」

 レオはクリスの元に走っていってしまった。

「そうか、俺は倒れちまったんだったな」

しばらくするとレオがクリスを連れてやってきた。

「おお!カイ。大丈夫そうだな」

「大丈夫にみえんのか? めちゃくちゃ身体がダリィ」

「それだけ悪態をつけるなら大丈夫だろう。今日から出発するがお前は荷車に乗っておけ」

そう言ってクリスが指さす方には荷車があった。

「これ、おっさんが作ったの?」

「運ぶもんが増えちまったからな。この盗賊達も縛って乗せなきゃならんしな」

盗賊達はグルグルに縄で縛られていた。これでは身動きはなかなか取れないだろう。

「よし! カイの支度ができたら出発だ!」

 それから1時間ほどして都市ガリモオへと出発した。ガリモオまではあと歩いて1日ほどかかる。レオ達は何度か休憩を取りながらあと2時間ほどで着くというところまで来た。その間盗賊達は何度か暴れて逃げようとしたが、その度にクリスが縄をきつくしめて制していた。この縄はクリスがスキルで生成したものなので魔力も抑えられている。とても便利だ。

「後もう少しだ。お前らしっかり歩けよ」

 この頃になるとカイも自分の足で歩けるようになっていた。獣人の回復力はすごいものだなとレオは感心していた。

「俺の顔になんかついてるか?」

「いや違うんだよ。カイはすごいなーと思ってね。尊敬の眼差しだよ」

「何言ってんだ笑。恥ずかしいからやめてくれ。」

 和気藹々とこの最後の2時間を歩いた。

 そしてようやくたどり着いた。

 この辺りでは王都に次いで大きな街。ガリモオ。この街の周りは壁で四角く囲まれていて、その東西南北4ヶ所に門が設けられていて、警備隊が検問している。

「わあ、すごいね。こんな大きな壁見たことないや!」

「王都はもっとすごいからな」

「そうなんだ! 早くいってみたいな」

「そうだ! カイ、これを被って尻尾も隠しておけ」

「わかってるよ」

「よし! じゃあ入るぞ」

 そう言ってクリスは門に向かっていった。

「止まれ!」

警備隊員に止められる。

「子供2人と縄で縛ってる大人2人を連れているな。お前、奴隷商人か? この町では禁じられている」

「あぁん? ちげぇよ! この縛ってんのは盗賊でこの2人は俺のツレだ。盗賊に襲われたんでとっちめて連れてきたんだ。」

「怪しいな。身分を証明できるものをみせたまえ!」

「この街こんなに厳しかったか?」

 そう言いながら渋々クリスは懐から何かカードを取り出しそれを警備隊員に見せた。

「王国騎士だと? ふざけるな! 偽造カードだな?王国騎士がそんな身なりでこんなところにいるはずがない! お前らコイツをつかまえろ!」

 そう言うと、警備隊員が5人現れてクリスをかこむ。

「えらいことになっちまったなこりゃ」

 ジリジリとその輪を縮めてくる。そして....

「かかれぇ!」

 合図が出た。その合図よりも大きな声で、

「お前らやめろ!」

 どこからか声がした。



しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

九尾と契約した日。霊力ゼロの陰陽師見習いが大成するまで。

三科異邦
ファンタジー
「霊力も使えない。術式も出せない。 ……西園寺玄弥、お前は本当に陰陽師か?」 その言葉は、もう何度聞いたか分からない。 霊術学院の訓練場で、俺はただ立ち尽くしていた。 周囲では炎が舞い、水がうねり、風が刃のように走る。 同年代の陰陽師たちが、当たり前のように霊を操っている。 ――俺だけが、何もできない。 反論したい気持ちはある。 でも、できない事実は変わらない。 そんな俺が、 世界最強クラスの妖怪と契約することになるなんて―― この時は、まだ知る由もなかった。 これは―― 妖怪の王を倒すべく、九尾の葛葉や他の仲間達と力を合わせて成長していく陰陽師見習いの物語。

修復スキルで無限魔法!?

lion
ファンタジー
死んで転生、よくある話。でももらったスキルがいまいち微妙……。それなら工夫してなんとかするしかないじゃない!

復讐のための五つの方法

炭田おと
恋愛
 皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。  それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。  グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。  72話で完結です。

公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌

招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」 毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。 彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。 そして…。

処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ

シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。  だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。 かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。 だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。 「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。 国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。 そして、勇者は 死んだ。 ──はずだった。 十年後。 王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。 しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。 「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」 これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。 彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。

《カクヨム様で15000PV達成‼️》悪魔とやり直す最弱シーカー。十五歳に戻った俺は悪魔の力で人間の頂点を狙う

なべぞう
ファンタジー
ダンジョンが生まれて百年。 スキルを持つ人々がダンジョンに挑む世界で、 ソラは非戦闘系スキル《アイテムボックス》しか持たない三流シーカーだった。 弱さゆえに仲間から切り捨てられ、三十五歳となった今では、 満身創痍で生きるだけで精一杯の日々を送っていた。 そんなソラをただ一匹だけ慕ってくれたのは―― 拾ってきた野良の黒猫“クロ”。 だが命の灯が消えかけた夜、 その黒猫は正体を現す。 クロは世界に十人しか存在しない“祝福”を与える存在―― しかも九つの祝福を生んだ天使と悪魔を封印した“第十の祝福者”だった。 力を失われ、語ることすら封じられたクロは、 復讐を果たすための契約者を探していた。 クロは瀕死のソラと契約し、 彼の魂を二十年前――十五歳の過去へと送り返す。 唯一のスキル《アイテムボックス》。 そして契約により初めて“成長”する力を与えられたソラは、 弱き自分を変えるため、再びダンジョンと向き合う。 だがその裏で、 クロは封印した九人の祝福者たちを狩り尽くすための、 復讐の道を静かに歩み始めていた。 これは―― “最弱”と“最凶”が手を取り合い、 未来をやり直す物語

やり直し令嬢は箱の外へ、気弱な一歩が織りなす無限の可能性~夜明けと共に動き出す時計~

悠月
ファンタジー
 これは、狭い世界に囚われ、逃げ続けていた内気な貴族令嬢が、あるきっかけで時間が巻き戻り、幼い頃へ戻った。彼女は逃げるように、過去とは異なる道を選び、また周囲に押されながら、徐々に世界が広がり、少しずつ強くなり、前を向いて歩み始める物語である。  PS:  伝統的な令嬢物語ではないと思います。重要なのは「やり直し」ではなく、「箱の外」での出来事。  主人公が死ぬ前は主に引きこもりだったため、身の回りに影響する事件以外、本の知識しかなく、何も知らなかった。それに、今回転移された異世界人のせいで、多くの人の運命が変えられてしまい、元の世界線とは大きく異なっている。  薬師、冒険者、店長、研究者、作家、文官、王宮魔術師、騎士団員、アカデミーの教師などなど、未定ではあるが、彼女には様々なことを経験させたい。 ※この作品は長編小説として構想しています。  前半では、主人公は内気で自信がなく、優柔不断な性格のため、つい言葉を口にするよりも、心の中で活発に思考を巡らせ、物事をあれこれ考えすぎてしまいます。その結果、狭い視野の中で悪い方向にばかり想像し、自分を責めてしまうことも多く、非常に扱いにくく、人から好かれ難いキャラクターだと感じられるかもしれません。  拙い文章ではございますが、彼女がどのように変わり、強くなっていくのか、その成長していく姿を詳細に描いていきたいと思っています。どうか、温かく見守っていただければ嬉しいです。 ※リアルの都合で、不定期更新になります。基本的には毎週日曜に1話更新予定。 作品の続きにご興味をお持ちいただけましたら、『お気に入り』に追加していただけると嬉しいです。 ※本作には一部残酷な描写が含まれています。また、恋愛要素は物語の後半から展開する予定です。 ※この物語の舞台となる世界や国はすべて架空のものであり、登場する団体や人物もすべてフィクションです。 ※同時掲載:小説家になろう、アルファポリス、カクヨム ※元タイトル:令嬢は幸せになりたい

処理中です...