Dear Dandelion,

響也

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第22話 相棒

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 その声にその場にいた全員が振り返る。そこには、丸眼鏡をかけた綺麗な白髪の老紳士が立っていた。この人が発したとは思えないほどの大声だった。しかしよく見ると服の上から分かるほど筋肉が盛り上がっていて、右目から上唇にかけて傷がある。穏やかなめをしているがその奥には何かもあるようなものがある。いかにも歴戦の騎士といった感じだ。

「こ、これはこれは領主様。なぜこんなところまで....」

 領主様と呼ばれたその老紳士が応える。

「いやなに、私も街の外を散歩したい時があってな。そうしたら懐かしい声がしたもので来てみたら、古い友人が警備隊に囲まれているのを見つけてな。なあ? クリス?」

「まさかお前がここの領主になってるとは驚いたぞルーイン」

 ルーインと呼ばれたこの街の領主は微笑みながら言った。

「私もお前が子どものお守りをしてるなどとは夢にも思わなかったよ」

「こいつらは俺の弟子だ。まだ幼いがなかなかやるぞ?」

「ねぇねぇ?」

「ん? どうしたレオ」

「この人はクリスとどんな関係なの?」

「ああ、紹介が遅れたな。コイツはルーインと言ってな騎士団にいた時の俺の相棒だ。ルーイン、コイツらは金髪の方がレオでこっちの黒いのがカイだ。」

「よろしく。2人とも」

「こちらこそよろしくお願いします。ルーインさん」

 その後にカイもレオの影に隠れてペコっと頭を下げた。

「3人ともうちの警備隊が悪かったね。彼らもこれが仕事なんだ許してやってくれ。お詫びと言ってはなんだが私がこの街を案内しよう。そして今日はうちに泊まって行ってくれ」

「おお! いいのか? それじゃあお言葉に甘えちまおうかな」

「そうかなくちゃな。さあ!いこう!」 

 こうして3人はルーインに続いて街へと足を踏み入れた。

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