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第34話 前触れ
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「これは....」
レオが三人が移る写真を見ていると、足音が聞こえてきた。レオは慌てて写真を手帳に挟んみ、そばにあった机に置いた。と同時にルーインが病室に入ってきた。
「ルーインさん?」
「やあ、レオ君。すまないが手帳を見なかったかい?」
「あ、これのことですか?」
そういってテーブルの上の手帳を指さす。
「おお、これだこれだ。途中で気が付いたんだ。これは私の大切なものでね。おっとこうしてはいられない。家来たちに探させているから報告しないと。じゃあ、また」
そういって嵐のようにルーインは去っていった。
「ふぅ、なんか見ちゃいけないものを見た気がして慌ててしまっちゃった。気づかれなかったみたいでよかった」
レオが安心していると、
「うーん....。さわがしいな」
「クリス起きたんだね! よかった。今先生呼んでくるよ」
そういってレオは病室を飛び出していった。
少し戻ってカイはというと....
アジトらしきところまで尾行することに成功していた。そこは入り組んだ路地の奥の奥にあるバーらしき店だった。
「ここで店をやりながら襲撃する機会をうかがってたってことか?」
少女と男が店に入っていくのを見計らい、カイも店に近づいて行った。店の窓から中を覗く。店の中は薄暗くよく見えなかったが人影が何人かあるのは確認できた。
「中で何してんだろうな。よくみえねぇ」
会は中を覗くのに必死になっていて後ろから近づいてくる気配に気付くことができなかった。
「おい坊主そこで何してんだ?」
カイは驚きで後ろを振り返ることができない。
「おい、聞いてんのか?」
肩をつかまれる。すごい力だ。肩をつかまれたまま店の中へと引きずられていく。
カランカラン。
男は店のドアを開け中にいる人に向かって叫ぶ。
「おーい。こいつがなんか用があんだってよ。だれか知り合いか?」
するとカウンターの向こうからあの少女の声がした。
「あんたはこの前の!」
万事休す。
一方、レオとクリスはあの写真のことを話していた。
「俺とルーンともう一人?」
「そうなんだよ。多分女の人」
「多分てのはどういうことだ?」
「顔が黒く塗りつぶされていたんだよ。なんかちょっと怖かった」
「女といえば....」
考え込んでいたが、しばらくしてあっと声を出した。
「ティアナかもな」
「どんなひと?」
「どこかの国の姫だったんだが、国を追われたみたいでな。詳しくは聞かなかったんだが、どうやら跡取りでいざこざがあったみたいなんだ。そうだ! すごく綺麗な赤い髪だったな」
「その人だ! 赤い髪だったよ」
「でも何であいつがそんな写真を持ってたんだ? たしかに俺たちはすぐに仲良くなったが、そんなに長いこと一緒にいたわけじゃないんだ。しかも黒く塗りつぶすだなんて」
その頃、騎士団の宿舎の一室では
「おや? 写真がいつものところに挟まっていない? さては見られたか?」
嵐の予感。
レオが三人が移る写真を見ていると、足音が聞こえてきた。レオは慌てて写真を手帳に挟んみ、そばにあった机に置いた。と同時にルーインが病室に入ってきた。
「ルーインさん?」
「やあ、レオ君。すまないが手帳を見なかったかい?」
「あ、これのことですか?」
そういってテーブルの上の手帳を指さす。
「おお、これだこれだ。途中で気が付いたんだ。これは私の大切なものでね。おっとこうしてはいられない。家来たちに探させているから報告しないと。じゃあ、また」
そういって嵐のようにルーインは去っていった。
「ふぅ、なんか見ちゃいけないものを見た気がして慌ててしまっちゃった。気づかれなかったみたいでよかった」
レオが安心していると、
「うーん....。さわがしいな」
「クリス起きたんだね! よかった。今先生呼んでくるよ」
そういってレオは病室を飛び出していった。
少し戻ってカイはというと....
アジトらしきところまで尾行することに成功していた。そこは入り組んだ路地の奥の奥にあるバーらしき店だった。
「ここで店をやりながら襲撃する機会をうかがってたってことか?」
少女と男が店に入っていくのを見計らい、カイも店に近づいて行った。店の窓から中を覗く。店の中は薄暗くよく見えなかったが人影が何人かあるのは確認できた。
「中で何してんだろうな。よくみえねぇ」
会は中を覗くのに必死になっていて後ろから近づいてくる気配に気付くことができなかった。
「おい坊主そこで何してんだ?」
カイは驚きで後ろを振り返ることができない。
「おい、聞いてんのか?」
肩をつかまれる。すごい力だ。肩をつかまれたまま店の中へと引きずられていく。
カランカラン。
男は店のドアを開け中にいる人に向かって叫ぶ。
「おーい。こいつがなんか用があんだってよ。だれか知り合いか?」
するとカウンターの向こうからあの少女の声がした。
「あんたはこの前の!」
万事休す。
一方、レオとクリスはあの写真のことを話していた。
「俺とルーンともう一人?」
「そうなんだよ。多分女の人」
「多分てのはどういうことだ?」
「顔が黒く塗りつぶされていたんだよ。なんかちょっと怖かった」
「女といえば....」
考え込んでいたが、しばらくしてあっと声を出した。
「ティアナかもな」
「どんなひと?」
「どこかの国の姫だったんだが、国を追われたみたいでな。詳しくは聞かなかったんだが、どうやら跡取りでいざこざがあったみたいなんだ。そうだ! すごく綺麗な赤い髪だったな」
「その人だ! 赤い髪だったよ」
「でも何であいつがそんな写真を持ってたんだ? たしかに俺たちはすぐに仲良くなったが、そんなに長いこと一緒にいたわけじゃないんだ。しかも黒く塗りつぶすだなんて」
その頃、騎士団の宿舎の一室では
「おや? 写真がいつものところに挟まっていない? さては見られたか?」
嵐の予感。
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