幸せの形

野良猫

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第1章 迷い人・雪の話

第4話 迷い人・雪

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誰もいなくなった部屋で、雪はポロリとこぼす

雪「幸せの形ってなんなんだろう・・・目に見えるものでは無いよね・・・?」

雪が1人でブツブツ喋っていると、いつの間にか隣に猫がいた

猫「んなーぉ」

猫はまるで雪に返事をするように鳴いた。

雪「わっ!!ビックリしたぁ・・・猫ちゃん、いつの間にいたの?」

雪は突然の鳴き声に驚きを隠せないで、猫に問いかける。

雪「ねぇ、猫ちゃん、幸せの形ってなんだと思う?私にもあるのかな?」

その言葉を聞いた猫は着いてこいと言わんばかりにソファーからひらりと飛び降りると、とあるドアの前で立ち止まりまた鳴いた

猫「んなぁーお」

猫は鳴きながら、カリカリと扉を引っ掻く。
まるで開けてくれと言わんばかりに。

雪「ん?どうしたの?そこに行きたいの?」

雪が問いかけると、猫はまたひと鳴きした

猫「んなぁー」

雪「わかったわかった、開けてあげるから・・・。」

雪は猫に急かされるようにして、扉を開けた。

雪「・・・うわぁ・・・凄い綺麗・・・。」

扉を開けると不思議な空間へと繋がっていた。

まるで自然の中にいるかのような、けど整っている。

温室のように感じた。

猫「んなーぉ」

猫はほおけている雪をまるで誘い込むように誘導し始めた。

雪「え、待ってよ、猫ちゃん!!」

雪は猫の後を慌てて追いかける。
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