第2の人生は若返ってから

マユリ

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第3章 キシルの森

第36話 街道も油断大敵

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草原の中の道、可愛らしい花が咲いています。あっ、あちらに咲いている花はきれいですね。こっちの花はえっ、少し透けている?
ついつい、花を見掛ける度に立ち止まっては、笑われてしまいます。以前庭いじりが好きだったんですが、その訳は花が大好きだったんです。それで庭には花を沢山植えていたんですよね。
そんな私が、初めて見る花達に心が踊らない筈がありません。
ですが、今はキシルの森まで向かっている最中です。我慢します。手を握りしめ前を向きます。
ですが、やっぱり気になりますね。つい目線は花達に向かってしまいます。すると、とうとう堪えきれなくなったザイルさんが大笑いしました。

「我慢しなくてもいいんだぞマリ、別に急いでいる訳じゃないんだからな。」

……そういいながらもザイルさん笑いすぎです。ジルさん後ろを向いていても肩が揺れてますよ。……アルさん頭を撫でながら微笑んでますけど、完全に子供扱いですよね?
だけど誰だって好きな物が目の前に現れたらそうなりますよね?仕方がないと思います。……ジルさん、頷きすぎですよ。でも、本当に素敵ですよね。色とりどりの花達が、微かに揺れる様は心が和みます。
あれ?あそこは揺れが大きい?……どんどん近づいてきてる?

ガサッ!

……。
…………2度あることは3度ある?
目の前には、ウサギです。こんな時って目を逸らさないでユックリ後ろに行くんでしたっけ?……魔物にも通用しますかね?見た目は可愛らしいのになぁ。

んっ?色が前見たものと違いますよね?小さいし薄いピンク色?角だって虹色に輝いています。私を見て首を傾げています。……これはいけません。可愛いすぎです。でも、攻撃的なんですよね。私にはまだ無理ですので、どうしようかとザイルさん達をみると
ザイルさんとジルさんは驚いています。アルさんは変わらなく笑顔ですね。
その間にウサギは、私の足元迄来ると頬を刷り寄せてきます。

あれ?攻撃をしてこない?

「嘘でしょ。ジューウェルラビットよ。」

「まじか、初めてみたぞ。」

「ジューウェルラビットって?ストーンラビットとは確かに見た目は多少変わりますけど、」

「ジューウェルラビット、通称ウェルラビは春の使いと呼ばれる珍しい生き物よ。警戒心が強くとても臆病で人前に現れる事はない、もう伝説的存在なのにこんな目の前に現れるなんて……。」

ザイルさんとジルさんは戸惑いを隠せていません。「春の使い」って事は、ウェルラビは魔物ではないんですか?

「魔物とは違うわ。ウェルラビは四季の幻獣の1つと呼ばれているの。」

ジルさんがそう説明している間も、ウェルラビは頬を刷り寄せては、自身の前足を私のブーツに引っ掛けてよじ登ろうとしています。……可愛らしいですね。魔物ではないと知った後という事もあり、あまりの可愛さに思わず抱き上げると私の頬に頬を寄せてきました。

……駄目です。私この子にノックアウトされてしまいました。
この世界にきて、ウサギが恐くなりましたが、この子の仕草で吹っ飛びました。驚いているザイルさんとジルさんを余所に、この子をずっと抱き締めていたいのですが野生の生き物ですからね。帰してあげないといけません。ウェルラビを下に降ろすと、またよじ登ってこようとします。それを心を鬼にして去ろうとすると、私の周りを淡いブルーの光と光の文字が現れました。

な、何なんですか突然!……それに何?光の文字には契約獣?突然の事にパニック中です。誰か助けて下さい!そんな時、ウェルラビが胸に飛び込んできたので受け止めると光は収まりました。

……一体なんだったのでしょうか?

そんな私を余所にザイルさんとジルさんは固まってます。誰か、先程の事の説明をお願いしたいです。ザイルさん達は無理そうなので、アルさんをみます。そういえば、アルさんだけ一貫として変わらない態度でしたね。

「今のは、ウェルラビからの契約獣申請で、マリさんが、ウェルラビを受け止めた事で、契約成立になったみたいです。普通はもっと複雑な契約が必要なんですが、流石幻獣ですね。」

アルさんの言葉に思わず私も固まってしまいます。
私、もしかして駄目な事をしちゃいました?




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