主人公が鈍感(←理由あり)過ぎて、全然進展しないじゃないか!

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序章 再会は突然に

007 仕事が多すぎる

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(これだから、委員長にはあんまりなりたくないんだよなぁ……)

 一時間目が終わった直後、亮平は、心の中でつぶやいていた。

「校内パトロール、頑張ろうね」
「頑張ろうって言われてもなあ」

 校内パトロール。委員長になって一番辛い仕事の一つだ。

 仕事内容は、その名前の通り。危険なことをしていたら止める、いじめ(ほとんどないが)を止める……。これらはまだいい。

 当番は基本三日に一回。それもまだいい。     

 問題は、校内パトロールを行う時間帯だ。授業と授業の間の休み時間と昼休みに行われるというのが、誠に許せない。

 学校の休み時間を全て奪われるのは、亮平にとって辛い。読みたい本が読めないからだ。

 普通の人にとってはあまり変わらないかも知れないが、亮平は読むスピードが早い。三十分あれば一冊読めるので、まるまる一冊分の時間を奪われている計算になるのだ。

 おまけに、一学期中は一年生が参加しないため、頻度が二日に一回になる。 

「で、これはどういうこと? 澪、相方さんは?」

 亮平は委員長の人数について澪に尋ねた。クラスには委員長は二人いる。だが、いま3-bの委員長として居るのは澪しかいない。

「もう一人の子は休んじゃったの。また登校できるまでに一週間ぐらいかかるって」

(なんだ、休みだったのか)

「それより、手分けして校内パトロールしよ? 亮平くんは一階で、私と西森さんは二階」

 たしかに、手分けした方が効率がいい。女子だけで大丈夫か、という不安は残るが。亮平はその提案に乗ることにした。

「うん、そうするか」

 分かれる時に、若干未帆が嫌そうな表情をしていたのは、気のせいなのだろうか。



----------



 一階は教室がないので、基本的に運動場を見ることになる。

 運動場で危険な場所と言ったら、倒れそうな大木の周りぐらいだ。そしてそこも、立ち入り禁止テープが引かれてある。

 それ以前に、授業と授業の休み時間に運動場にでる生徒はほとんどいない。だいたいが昼休みだ。

「キンコンカンコン」

 チャイムが鳴った。が、これは予鈴であって、本鈴ではない。

 東成中では、亮平のような校内パトロールをしている生徒や、まだ外にいる生徒などに『もうすぐ授業が始まる』と知らせるために、授業開始二分前に予鈴が鳴る。

 亮平は急いで教室に戻ることにした。

(こういう時、四階って本当にだるいよなぁ……)

 途中で澪と未帆と合流したが、なぜか二人ともピリピリした感じになっていた。

(何があったんだ?喧嘩でもしたのか?)

 真相は、分からない。

 亮平と未帆が教室に着くと、当たり前だが全員着席していた。急いで着席する。

 本鈴が鳴った。いつもなら、ここで『起立!』と、号令がかかるのだが……。

(なんで号令がかからないんだ?)

 三十秒ぐらいたったが、号令がかからない。

 亮平は周りを見渡した。クラス全員の目線が亮平に刺さっている。

(……!)

 亮平は思い出した。

(号令をかけるの、委員長の仕事じゃなかったか?)

 未帆は一応『副委員長』なので、号令をかける人は一人しかいない。

(またやってしまった……)

「起立!」

 あわてて号令をかけたが、すでにチャイムがなってから一分以上が経過している。間違いなく、横岳が話のネタにするだろう。

(初日といい、今日といい、なんでこんな事が重なるんだよ……)

 亮平は、心の中で嘆いていた。
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