幼馴染みですが、一緒に恋愛しませんか?

いく

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幼馴染みの紫音について

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「ストレッチ終わったら、レシーブの練習なー」


小さな高校の体育館。
男子バレー部の主将として、俺こと黒澤奏斗は少人数の部員に向けてゆるーく指示を飛ばしていた。

部活の先輩たちが引退した際に、なぜか主将に指命されてしまったのだから仕方がない。
正直まだ納得はしていない部分はあるが、「いい感じにゆるい奏斗なら大丈夫だ」との謎の励ましのもとで、こうして慣れない指示を飛ばしている。

いつになったら主将っぽい雰囲気が出るのだろうかと詮無いことを考えていると、たたたっと軽い足音が聞こえてきた。

音の方に視線を向ければ、思った通りの人物の姿が見えた。


「お、紫音。待ってたぞー」


「奏斗、ごめん委員会の会議が長引いちゃって」   


「気にすんな。まだ顧問も来てないし、今日は試合形式での練習もしない予定だしな」


「りょーかい。とりあえず、私も着替えてくるね」


「ゆっくりでいいぞ。臨時とはいえ、無理にマネージャーを頼んだのはこっちだからな」


「はいはい、じゃ、また後で」


紫音はそう言い残して、更衣室へと消えていった。


坂上紫音。 

1つ年下の俺の幼馴染みであり、いつからか思い出せないくらい前からの想い人。

もともと仲は良かったのだが、中学、高校と進むにつれて一緒に過ごす時間も少なくなっていた。
異性で尚且つ一学年下ということもあったのだろう。

見かければ話もするし、一緒に帰ることもある。

けれど、幼馴染みという枠からなかなか抜け出せないまま早幾星霜。

「いい加減、幼馴染みから抜け出してーな」

そんなことを俺が考えているなんて、紫音はきっと知らない。
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