命がけのルーレット

いく

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命がけのルーレットゲーム 1

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「結構騒がれていますね」


「そうだな」


ある部屋の一室で、ミルクと紫水が話をしていた。相変わらず明かりはロウソクしかなく、部屋の中は薄暗い。


「紫水さま、次はいつになさいますか?」


「……明日でどうだ?」


「そのように」


ミルクは紫水のグラスにワインを注いだ。赤く濁った液体が、グラスに注がれていく。


「次は誰が犠牲になるのか。楽しみだな」


注がれていくワインを凝視しながら、紫水が呟く。

その口元は、笑っていた。   


「ミルク」


「はい、何でしょう紫水さま」


注ぎ終わったワインの瓶を抱えて、紫水の側を離れようとした足を止め、ミルクは紫水を見る。


「予想してみないか?」


紫水が椅子の肘掛をコツコツと叩く。その音は反響し、部屋全体に広がっていく。


「予想ですか?」


「そうだ。次は誰か当ててみないか?」


「え~と、そうですねぇ。次は『鈴木勇太』という方あたりでしょうか」 


視線を空に彷徨わせ、ミルクがそう答えた。


「そうか? 私は『近藤実稀』だと思うぞ」


「そうですか?」


「あぁ。だがまだ本当のところはわからない。まぁ当たるも当たらぬも、全ては運命のままだ」


紫水はグラスを傾け、何度かワインを波立たせた。そして、一気にワインをあおった。  

ワインが数滴、口元から滴り落ちて、白いシャツに血のような不吉な染みをつくった。



七月十六日 午後八時三十二分



「さて、二回目といくか。潤、お前の番だ」


「はい、紫水さま」


潤と呼ばれた少年は、盆に載せてあった玉を手にとった。盆に残っている玉の数は3個になった。

潤はゆっくりとルーレットの台に近づき、ルーレットを回した。



七月十六日 午後八時三十五分



玉は『近藤実稀』のポケットに堕ちた。

紫水は満足そうな笑みを浮かべた。

一方、ミルクと呼ばれた少女は、
「やっぱり紫水さまには敵いませんね」とため息とともに言葉を発した。


「そのうち私くらいになるさ」



「本当ですか?」


「あぁ。最後の賭けに勝ちつづけて、もう少し此処に残ることが出来たらな」


「わかりました。わたし、がんばります」


「頑張らなくてもいいよ」


紫水はミルクに優しく声を掛ける。

そういう紫水をミルクはキョトンとした目をして、不思議そうに見上げてくきた。


「全ては運命なのだから」


紫水は再び優しく、そう言葉を紡いだのだ。
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