暁のマリーと三銃士

Ilysiasnorm

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第1幕

第1話 消えたカトリーヌ

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フランス郊外の小さな村。
リュシアンとカトリーヌは今日もいつもの草原で遊んでいた。二人は幼馴染で、家族のように近しい存在だった。

「リュシアン、捕まえてごらん!」

カトリーヌが笑いながら声をかけ、草原を駆け回る。彼女の金色の髪が日差しを受けて輝いて見えた。

「待てよ、カトリーヌ! 今度は俺が勝つんだからな!」

リュシアンも負けじと走り出すが、カトリーヌは軽やかに彼の手をかわしていく。

「リュシアン、本気出してるの? それじゃ私には追いつけないわよ!」

二人は笑い声を響かせながら走り回り、やがて草の上に倒れ込んだ。空は青く広がり、風が心地よく吹き抜ける。

「ねえ、リュシアン」
カトリーヌが空を見上げながら話しかける。

「ん? どうした?」

「もし、私がどこか遠いところに行っちゃったら……リュシアンは探してくれる?」

その突然の質問に、リュシアンは目を丸くした。

「そんなこと考えるなよ。カトリーヌがどこかに行くなんてあり得ないだろ」

「でも、もしもよ。探してくれる?」

リュシアンは少し困ったように笑った。

「もちろんだよ。どこにいても、絶対に見つける」

カトリーヌは安心したように微笑んだ。その表情はどこか切なげでもあった。
日が暮れ、二人は村へと戻る途中だった。森の中の小道を歩きながら、リュシアンはカトリーヌといつもの他愛ない話をしていた。
その時、不意に奇妙な風が吹いた。草木がざわめき、周囲の空気がピリピリとしたものに変わる。

「カトリーヌ、今の……」

リュシアンが振り返ると、彼女の姿が淡い光に包まれていた。

「リュシアン……!」

彼女が驚きと恐怖の入り混じった表情を浮かべる。リュシアンは急いで手を伸ばしたが、触れる前にカトリーヌの体がふわりと宙に浮き、光と共に消え去ってしまった。

「カトリーヌ!」

彼は叫びながら、その場を駆け回った。しかし、カトリーヌの姿はどこにもない。

「カトリーヌ! どこにいるんだ!」

リュシアンの声は森に響くだけで、返事はなかった。
その後、村中の人々が総出でカトリーヌを探したが、彼女の行方は杳として知れなかった。
数日、数週間、そして数か月が過ぎても、カトリーヌの消息は掴めなかった。リュシアンは毎日のように森へ通い、カトリーヌを探し続けたが、希望は次第に薄れていった。
彼の心には、あの日の光景が深く刻まれていた。突然の別れと、消えたカトリーヌへの約束。それだけが彼を支え続けていた。

「絶対に見つけるからな、カトリーヌ……」

リュシアンの胸に秘めた決意が、彼の未来を大きく動かす運命をまだ誰も知らない。
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