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第3話 旅立ちの贈り物
しおりを挟む旅立ちの日、村はいつも以上に活気づいていた。広場では村人たちがエイラの旅を祝福するために集まり、それぞれが彼女の無事を願っていた。エイラはその光景を見ながら胸が高鳴るのを感じたが、同時にこれが自分の生まれ育った場所を離れる最後の瞬間であることに寂しさも覚えていた。
儀式が終わり、村人たちが帰路についた後、エイラは静かに村の丘に向かった。そこにはカイが立っていた。彼は星空を見上げながら何かを考え込んでいるようだった。
「カイ、何を考えているの?」エイラが声をかけると、カイは振り返り、少しぎこちない笑みを浮かべた。「ああ、エイラ。ちょうどよかった。これを渡そうと思っていたんだ」
カイが取り出したのは、古びた銀のペンダントだった。その中央には、透き通った青い石が埋め込まれている。月明かりに照らされて、その石はまるで星空を閉じ込めたように輝いていた。
「これは、俺の家に代々伝わってきたものなんだ」カイはペンダントをエイラに手渡しながら言った。「この村を守ってきたアヴィアンの先祖が持っていたって聞いているけど、詳しいことは分からない。でも、星の遺跡を探すお前にはこれが必要になる気がするんだ」
エイラはその言葉に少し驚きながらも、ペンダントを手に取った。冷たい感触とともに、どこか懐かしい気持ちが胸に広がる。
「ありがとう、カイ。これを大切にするよ」エイラはその場でペンダントを首にかけた。その石が胸に触れると、不思議な温かさが伝わってきた。
カイは一瞬言葉を飲み込むようにしてから続けた。「どんなことがあっても、必ず帰ってきてくれ。お前がいないと、この村も、俺も寂しくなるからな」
エイラは微笑みながら、力強くうなずいた。「約束するよ、カイ。必ず無事に戻る。そして、星の遺跡の真実を持って帰ってくる」
その夜、エイラはペンダントを握りしめながら村を後にした。彼女の心には、カイや村のみんなへの感謝、そして未知への期待が入り混じっていた。
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