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男が指輪を手にした時
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決意をした日から2人は努力を惜しまなかった。
元々、教育が始まっていたクロスだけでなくサムエルも生粋の頭の良さを発揮し筆頭執事ノワールをはじめとする使用人達は期待以上の成長に舌を巻いた。
屋敷に詰める護衛騎士達からは戦い方を学び、毎日のように傷だらけになった。
その間も、母であるエラの執拗なクロスへの執着とサムエルへの虐待は止まらなかった。
耐え凌ぐ2人を使用人達は支えた。
サムエルはクロスに願い出ていた。
「頼むから、これからは僕を助けようとしないで下さい。
僕は耐えられます。
僕の所為で兄さんが傷つくのは嫌なんです。」
「そんなのは駄目だ!
サムエルだけが辛い思いをするなんて!」
「兄さんだって、別の辛さを味わっています。
今は耐えて下さい。
僕達が1人前になるまで奥様の苛立ちは僕が引き受けます。」
この件に関しては頑なに譲らないサムエルに遂にクロスは首を縦に振った。
「その代わり、僕はもう涙を流さない。
お前が泣いている間。
僕は祈る事しかできないのだから。」
「ありがとうございます。」
微笑む弟を抱きしめる事しか出来なかったクロスは、努力に時間を惜しまなかった。
数年経ち、2人が社交の場にも顔を出す歳になると父であるゼス・アルデバランは2人を様々な集まりに連れ出した。
それは愛ではなく義務であったのだろう。
屋敷を出る最初の日だった。
執務室に2人を呼んだゼスは見事に成長している息子達に満足した。
「お前達を今日、リゲル家の茶会に連れて行く。
これからの時代を牽引する者達と顔を合わせるのだ。
特にクロス。
お前はこの指輪を受け継ぐのだから、しっかりと存在を知らせなさい。」
「はい。承知しました。」
ゼスは誇らしげに親指に輝くゴールドの指輪をさすった。
この指輪はアルデバラン家の当主である証であり家紋の牛の紋章が象られていた。
屋敷の外への憧れはとうの昔に薄れている。
今は、如何に父親に自分を認めさせるかを考えていた。
「兄さん。街へは初めてだね。」
「そうだな。どんな景色なのだろうな。
いつかは、お前と自由に歩きたいよ。」
「フフフ。今日はその一歩だよ。」
サムエルの言葉に微笑むとクロスは頷いた。
ガシャーン!!
今日も何かが割れる音がした。
クロスはため息を吐くと、さっさと歩き出した。
「用意したら、玄関ホールで集合だ。
いいか?母上に見つかるなよ。
正装したのに汚されたら面倒だ。」
「フフフ。確かにね。
それじゃあ、また後で。」
クロスは自室に戻ると用意されていた正装に身を包んだ。
「いよいよ、御屋敷の外に出るのですね。」
喜ぶメイドのジョーヌにクロスは眉を下げた。
「皆には心配をかけるね。
母上は私が居なくなって癇癪を起こすだろう。
面倒だろうが、頼むよ。」
「お任せくださいませ。
御2人は御2人の事をお考え下さい。」
この数年で深まったのは兄弟の絆だけではない。
2人と使用人達の絆も深まっていた。
成長と共に母エラのサムエルへの身体的虐待は減っていた。
年月が経ち、己の行いでサムエルが感情を表さなくなると、標的を別に変え出したのだ。
己の行いで他人が苦しむ姿を見て、顔が歪むサムエルにエラは満足したのだ。
しかし、エラは一度だけ過ちを犯した。
クロスを標的にしたのだ。
サムエルはそれだけは許さなかった。
クロスを扇子で叩こうとしたエラを突き飛ばし、獣の如く威嚇したのだ。
弱者の初めての反抗と愛するクロスを手にかけようとした己の行動にエラは発狂して部屋に閉じこもった。
その日より、身体的虐待は治ったが癇癪を起こし物を投げつけるのは辞めなかった。
気に入らない事があれば、すぐに物に手を伸ばす。
今日も、自分を置いてクロスと外に出るサムエルを見つけたら邪魔をする為に何か仕掛けてくるだろう。
武術や剣術を学んでいるサムエルにとって避けるのは容易くなったが使用人に迷惑がかかると、いつも真正面から受けている。
クロスは昼の茶会に合わせた薄い色のスーツに着込み、ジョーヌに髪のセットを頼むと自分の為だけに作られたシグネットリングを小指にはめた。
「よくお似合いです。
旦那様とサムエル様のご準備も整ったそうでございます。」
ジョーヌの知らせにクロスは部屋を出た。
部屋を出ると直ぐに筆頭執事のノワールが立っていた。
クロスの全身を確認すると、スーツのポケットに入れたハンカチーフを治しながらも話し始めた。
「今までの努力を見せる時です。
社交の場に出た事のない領主の後継に集まる視線は少なくありません。
終始試される事でしょう。
勿論、旦那様もご覧になっています。
教えた事は頭に入っていますか?」
「最初に突っかかってきた者は叩きのめす。」
「そうです。
最初に貴方に挑みに来る者は目立ちたい愚か者か試す為に仕込まれた人間です。
他の人間にすれば力量を測る上で、最も簡単な方法です。
どうぞ、本日の茶会をお楽しみ頂きますように。」
クロスは微笑むと玄関ホールに向かった。
すでに待っていたサムエルが執事のブルを伴い待っていた。
「やっぱり兄さんは何着ても似合いますね。」
「何を言うんだ。
お前もなかなか決まってるぞ。
準備は良いか?サムエル。」
「私はいつでも大丈夫です。」
サムエルは自分の指に収まった指輪を見せると頷いて見せた。
「準備は良いか。
出発するぞ。」
当主であるゼス・アルデバランが2人を確認するとさっさと車に向かって歩いて行った。
「「「「いってらっしゃいませ。」」」」
ガシャーン!!
使用人達が頭を下げた瞬間、再び何かが割れる音が聞こえた。
クロスは2階を睨みつけると父の跡を追った。
「留守を頼む。」
車に乗り込んだ2人は出発するや否や、見えてきた街並みに目を奪われた。
自分達の屋敷が一番大きく美しいが、間違いなく街は自由であった。
そんな2人の様子など気に留める事もなく、ゼスは口を開いた。
「なかなか様になっておる。
良いか?
今日向かうリゲル家はダチュラの中でも古参の伯爵家だ。」
「存じております。
リゲル家は初代ダチュラ領主ライオル・アルデバランの時代から存在する旧家で主に木材の海運を生業にしています。
ダチュラは1本道以外は周りが海であり海面が上昇すれば、まさに孤島になります。
そんな事に伐採される木も限りがあり、我が領土は万年木材不足が問題になっています。
現在当主のミハエル・リゲルはダチュラへ運ぶ木材の量を調節し自身の家の権威を証明しようとしています。」
ゼスは満足そうに頷いた。
「その通りだ。
しかし、我らは簡単にリゲル家と敵対するわけにはいかん。」
父がそう言うのは当然の事だった。
ゼス・アルデバランは富を保有するミハイル・リゲルに借金をしているからだ。
それは何故か・・・。
子供達に厳格な父であるゼスであったが、夜な夜な街で遊び呆けているのは誰の目にも明らかで囲う女の数はつゆ知らず、屋敷に帰れば喚き散らす妻が待っていると思えば、その数も増えていく有様であった。
妻であるエラも屋敷では醜態を晒しているが実のところ社交に興じる上で見栄を張ることだけは立派なもので、誰よりも高価な物を求めるあまりに小遣いでは足りずに夫であるゼスに無心する一方であった。
領主がこの有様では街に根を下ろす貴族達が好き放題にするのは目に見えていて、領主の許可が欲しいと金を与え女を与え、華を添えたいと願いば妻を呼び出せのやりたい放題であった。
それを子供ながらに知った2人の兄弟は顔を青ざめ、領地の管理を任されている担当の者を呼びつけて叱りさえしたものだった。
現にゼス・アルデバランはリゲル家におけるクロスの評価を認めさえしても罰則を設けるつもりがないと言っているのだ。
クロスは心の内で溜息を漏らすと、父から目を逸らした。
すると今度はサムエルが口を開いた。
「父上。
リゲル家には兄弟がいるとか・・・?」
「あぁ、確かに年子の男子が2人いるはずだ。
上の・・・ピート・リゲルとは何度か会った事がある。剣術が得意な活発な子だ。
下のは・・・なんだったかな。
一度会ったが、印象の薄い子だったな。」
「チェイスです。父上。
チェイス・リゲル。」
「そうだった。チェイスだ。
あった時は確か・・・本を手にしていたな。
分厚くて何とも難しいものを読むものだと思ったのだ。」
思い出した事に意気揚々とゼスは笑った。
クロスはそんな父と弟のやりとりを興味なさげに聞くと初めて見る街並みを見ていた。
元々、教育が始まっていたクロスだけでなくサムエルも生粋の頭の良さを発揮し筆頭執事ノワールをはじめとする使用人達は期待以上の成長に舌を巻いた。
屋敷に詰める護衛騎士達からは戦い方を学び、毎日のように傷だらけになった。
その間も、母であるエラの執拗なクロスへの執着とサムエルへの虐待は止まらなかった。
耐え凌ぐ2人を使用人達は支えた。
サムエルはクロスに願い出ていた。
「頼むから、これからは僕を助けようとしないで下さい。
僕は耐えられます。
僕の所為で兄さんが傷つくのは嫌なんです。」
「そんなのは駄目だ!
サムエルだけが辛い思いをするなんて!」
「兄さんだって、別の辛さを味わっています。
今は耐えて下さい。
僕達が1人前になるまで奥様の苛立ちは僕が引き受けます。」
この件に関しては頑なに譲らないサムエルに遂にクロスは首を縦に振った。
「その代わり、僕はもう涙を流さない。
お前が泣いている間。
僕は祈る事しかできないのだから。」
「ありがとうございます。」
微笑む弟を抱きしめる事しか出来なかったクロスは、努力に時間を惜しまなかった。
数年経ち、2人が社交の場にも顔を出す歳になると父であるゼス・アルデバランは2人を様々な集まりに連れ出した。
それは愛ではなく義務であったのだろう。
屋敷を出る最初の日だった。
執務室に2人を呼んだゼスは見事に成長している息子達に満足した。
「お前達を今日、リゲル家の茶会に連れて行く。
これからの時代を牽引する者達と顔を合わせるのだ。
特にクロス。
お前はこの指輪を受け継ぐのだから、しっかりと存在を知らせなさい。」
「はい。承知しました。」
ゼスは誇らしげに親指に輝くゴールドの指輪をさすった。
この指輪はアルデバラン家の当主である証であり家紋の牛の紋章が象られていた。
屋敷の外への憧れはとうの昔に薄れている。
今は、如何に父親に自分を認めさせるかを考えていた。
「兄さん。街へは初めてだね。」
「そうだな。どんな景色なのだろうな。
いつかは、お前と自由に歩きたいよ。」
「フフフ。今日はその一歩だよ。」
サムエルの言葉に微笑むとクロスは頷いた。
ガシャーン!!
今日も何かが割れる音がした。
クロスはため息を吐くと、さっさと歩き出した。
「用意したら、玄関ホールで集合だ。
いいか?母上に見つかるなよ。
正装したのに汚されたら面倒だ。」
「フフフ。確かにね。
それじゃあ、また後で。」
クロスは自室に戻ると用意されていた正装に身を包んだ。
「いよいよ、御屋敷の外に出るのですね。」
喜ぶメイドのジョーヌにクロスは眉を下げた。
「皆には心配をかけるね。
母上は私が居なくなって癇癪を起こすだろう。
面倒だろうが、頼むよ。」
「お任せくださいませ。
御2人は御2人の事をお考え下さい。」
この数年で深まったのは兄弟の絆だけではない。
2人と使用人達の絆も深まっていた。
成長と共に母エラのサムエルへの身体的虐待は減っていた。
年月が経ち、己の行いでサムエルが感情を表さなくなると、標的を別に変え出したのだ。
己の行いで他人が苦しむ姿を見て、顔が歪むサムエルにエラは満足したのだ。
しかし、エラは一度だけ過ちを犯した。
クロスを標的にしたのだ。
サムエルはそれだけは許さなかった。
クロスを扇子で叩こうとしたエラを突き飛ばし、獣の如く威嚇したのだ。
弱者の初めての反抗と愛するクロスを手にかけようとした己の行動にエラは発狂して部屋に閉じこもった。
その日より、身体的虐待は治ったが癇癪を起こし物を投げつけるのは辞めなかった。
気に入らない事があれば、すぐに物に手を伸ばす。
今日も、自分を置いてクロスと外に出るサムエルを見つけたら邪魔をする為に何か仕掛けてくるだろう。
武術や剣術を学んでいるサムエルにとって避けるのは容易くなったが使用人に迷惑がかかると、いつも真正面から受けている。
クロスは昼の茶会に合わせた薄い色のスーツに着込み、ジョーヌに髪のセットを頼むと自分の為だけに作られたシグネットリングを小指にはめた。
「よくお似合いです。
旦那様とサムエル様のご準備も整ったそうでございます。」
ジョーヌの知らせにクロスは部屋を出た。
部屋を出ると直ぐに筆頭執事のノワールが立っていた。
クロスの全身を確認すると、スーツのポケットに入れたハンカチーフを治しながらも話し始めた。
「今までの努力を見せる時です。
社交の場に出た事のない領主の後継に集まる視線は少なくありません。
終始試される事でしょう。
勿論、旦那様もご覧になっています。
教えた事は頭に入っていますか?」
「最初に突っかかってきた者は叩きのめす。」
「そうです。
最初に貴方に挑みに来る者は目立ちたい愚か者か試す為に仕込まれた人間です。
他の人間にすれば力量を測る上で、最も簡単な方法です。
どうぞ、本日の茶会をお楽しみ頂きますように。」
クロスは微笑むと玄関ホールに向かった。
すでに待っていたサムエルが執事のブルを伴い待っていた。
「やっぱり兄さんは何着ても似合いますね。」
「何を言うんだ。
お前もなかなか決まってるぞ。
準備は良いか?サムエル。」
「私はいつでも大丈夫です。」
サムエルは自分の指に収まった指輪を見せると頷いて見せた。
「準備は良いか。
出発するぞ。」
当主であるゼス・アルデバランが2人を確認するとさっさと車に向かって歩いて行った。
「「「「いってらっしゃいませ。」」」」
ガシャーン!!
使用人達が頭を下げた瞬間、再び何かが割れる音が聞こえた。
クロスは2階を睨みつけると父の跡を追った。
「留守を頼む。」
車に乗り込んだ2人は出発するや否や、見えてきた街並みに目を奪われた。
自分達の屋敷が一番大きく美しいが、間違いなく街は自由であった。
そんな2人の様子など気に留める事もなく、ゼスは口を開いた。
「なかなか様になっておる。
良いか?
今日向かうリゲル家はダチュラの中でも古参の伯爵家だ。」
「存じております。
リゲル家は初代ダチュラ領主ライオル・アルデバランの時代から存在する旧家で主に木材の海運を生業にしています。
ダチュラは1本道以外は周りが海であり海面が上昇すれば、まさに孤島になります。
そんな事に伐採される木も限りがあり、我が領土は万年木材不足が問題になっています。
現在当主のミハエル・リゲルはダチュラへ運ぶ木材の量を調節し自身の家の権威を証明しようとしています。」
ゼスは満足そうに頷いた。
「その通りだ。
しかし、我らは簡単にリゲル家と敵対するわけにはいかん。」
父がそう言うのは当然の事だった。
ゼス・アルデバランは富を保有するミハイル・リゲルに借金をしているからだ。
それは何故か・・・。
子供達に厳格な父であるゼスであったが、夜な夜な街で遊び呆けているのは誰の目にも明らかで囲う女の数はつゆ知らず、屋敷に帰れば喚き散らす妻が待っていると思えば、その数も増えていく有様であった。
妻であるエラも屋敷では醜態を晒しているが実のところ社交に興じる上で見栄を張ることだけは立派なもので、誰よりも高価な物を求めるあまりに小遣いでは足りずに夫であるゼスに無心する一方であった。
領主がこの有様では街に根を下ろす貴族達が好き放題にするのは目に見えていて、領主の許可が欲しいと金を与え女を与え、華を添えたいと願いば妻を呼び出せのやりたい放題であった。
それを子供ながらに知った2人の兄弟は顔を青ざめ、領地の管理を任されている担当の者を呼びつけて叱りさえしたものだった。
現にゼス・アルデバランはリゲル家におけるクロスの評価を認めさえしても罰則を設けるつもりがないと言っているのだ。
クロスは心の内で溜息を漏らすと、父から目を逸らした。
すると今度はサムエルが口を開いた。
「父上。
リゲル家には兄弟がいるとか・・・?」
「あぁ、確かに年子の男子が2人いるはずだ。
上の・・・ピート・リゲルとは何度か会った事がある。剣術が得意な活発な子だ。
下のは・・・なんだったかな。
一度会ったが、印象の薄い子だったな。」
「チェイスです。父上。
チェイス・リゲル。」
「そうだった。チェイスだ。
あった時は確か・・・本を手にしていたな。
分厚くて何とも難しいものを読むものだと思ったのだ。」
思い出した事に意気揚々とゼスは笑った。
クロスはそんな父と弟のやりとりを興味なさげに聞くと初めて見る街並みを見ていた。
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