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旅路〜イルツク〜
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その頃、アレックスとロジャーの戦いも激化していた。
「なかなか手強いな。」
「フンッ。
脆弱な生き物にしてはやる。」
「ほら、話してて良いの?
こっちから行くよ!」
「馬鹿が!知っておるわ!」
“剣のエルフ”はロジャーを蹴り飛ばすとポーションを取り出し飲み干した。
力が漲ってきたエルフはアレックスの鳩尾を肘を入れると首筋に剣を当てた。
「1人目だ。」
危険を察知したアレックスは瞬時に体を捻るとエルフの脇を蹴りながら避けた。
「アレックス!」
「大丈夫だ。
危なかったがな。
気が抜けないな。
魔獣の方が単純だ。」
心配したロジャーが走り寄ると、アレックスは片手を上げて見せた。
「死に損ないが・・・。」
口を拭うとエルフは2人を睨みつけた。
そんなエルフに対してロジャーはケラケラと笑った。
「お前も、そんなに余裕あるとは思えないけどね。」
「“エルフの里の戦士”1人に対してコレだ。
母上に怒られるな。」
「ゲェッ!ヤバいじゃん!
どうすんだよ。」
アレックスが死んだような目をするとロジャーが慌てて縋った。
「「こりゃ、早めにケリをつけようか。」」
2人が再び構え、エルフが剣に殺気を纏った時だった。
「「お先にー!!」」
明るい声が聞こえ、双子のスコルとパティがエルフを襲った。
エルフは腹部を狙ったスコルの攻撃は咄嗟に避けたが、足首を狙ったパティの攻撃は脆に喰らってしまった。
「ギャーーー!!
餓鬼共!」
双子はトコトコとアレックスとロジャーの元にやってくると親首を立てた。
「手伝いに来たよ。」
「あっちは終わった。」
双子の出現に唖然としていたのはアレックスとロジャーの2人も一緒だった。
「・・・そうか!
凄いな。」
「やるー!
あと1人って事だな。」
4人はポーションを体に振りかけている“剣のエルフ”を見やると、残りの獲物を確認した。
「知ってる?
残りはお前だけだってよ。」
ロジャーの声掛けにエルフは顔をしかめた。
「何の事だ?」
「お前さんの仲間は俺達の仲間が仕留めたって事。」
肩を竦めるロジャーにエルフは当初こそ驚いていたが、舌打ちをした。
「愚かな奴らだ。
脆弱な人間に負けるなど、里に帰っても処罰されるだけだろう。
そんな足手纏いな奴など、我らの同胞ではない。
奴らは試練をこなす事が出来なかったのだ。」
およそ仲間を悼むとは程遠いセリフにアレックス達が顔を顰めていると“剣のエルフ”は笑い出した。
「アハハハハ!
と言う事は、栄誉は我のものか!
フン。
なんて事はない。
お前らを蹴散らし、化け物を倒すだけだ。
我こそがルミエール様の・・・!!」
ドガンッ!
“剣のエルフ”が吹き飛ぶと目の前に茶色とオリーブ色の防具に身を包んだヒューゴが立っていた。
「後がガラ空きだぞ。
魔獣に襲われても文句も言えない。
狩りの基本だろうが。」
「「ヒューゴ!!」」
双子が嬉しそうに飛び上がるとヒューゴは片手を上げた。
「・・・俺達の良い所が取られたな。」
「・・・格好良すぎでしょう。」
アレックスとロジャーは力が抜けたように弱々しい笑顔をした。
ヒューゴの攻撃をまともに喰らってしまった“剣のエルフ”は息も絶え絶えとポーションを手にした。
「こんな所で、我が悲願が潰える事などあってはならない・・・。
脆弱な人間に我が負けるなどあり得ないのだ・・・。」
ポーションを口にしようとした時だった。
「残念だな。
お前の戦いはここで終わりだ。」
ヒューゴはエルフからポーションを奪うと首筋に打撃を入れ気絶させた。
「主人が死を嫌うんだ。
お前は死なすかよ。」
ヒューゴはエルフをやるせ無い気持ちで見下ろした。
「なかなか手強いな。」
「フンッ。
脆弱な生き物にしてはやる。」
「ほら、話してて良いの?
こっちから行くよ!」
「馬鹿が!知っておるわ!」
“剣のエルフ”はロジャーを蹴り飛ばすとポーションを取り出し飲み干した。
力が漲ってきたエルフはアレックスの鳩尾を肘を入れると首筋に剣を当てた。
「1人目だ。」
危険を察知したアレックスは瞬時に体を捻るとエルフの脇を蹴りながら避けた。
「アレックス!」
「大丈夫だ。
危なかったがな。
気が抜けないな。
魔獣の方が単純だ。」
心配したロジャーが走り寄ると、アレックスは片手を上げて見せた。
「死に損ないが・・・。」
口を拭うとエルフは2人を睨みつけた。
そんなエルフに対してロジャーはケラケラと笑った。
「お前も、そんなに余裕あるとは思えないけどね。」
「“エルフの里の戦士”1人に対してコレだ。
母上に怒られるな。」
「ゲェッ!ヤバいじゃん!
どうすんだよ。」
アレックスが死んだような目をするとロジャーが慌てて縋った。
「「こりゃ、早めにケリをつけようか。」」
2人が再び構え、エルフが剣に殺気を纏った時だった。
「「お先にー!!」」
明るい声が聞こえ、双子のスコルとパティがエルフを襲った。
エルフは腹部を狙ったスコルの攻撃は咄嗟に避けたが、足首を狙ったパティの攻撃は脆に喰らってしまった。
「ギャーーー!!
餓鬼共!」
双子はトコトコとアレックスとロジャーの元にやってくると親首を立てた。
「手伝いに来たよ。」
「あっちは終わった。」
双子の出現に唖然としていたのはアレックスとロジャーの2人も一緒だった。
「・・・そうか!
凄いな。」
「やるー!
あと1人って事だな。」
4人はポーションを体に振りかけている“剣のエルフ”を見やると、残りの獲物を確認した。
「知ってる?
残りはお前だけだってよ。」
ロジャーの声掛けにエルフは顔をしかめた。
「何の事だ?」
「お前さんの仲間は俺達の仲間が仕留めたって事。」
肩を竦めるロジャーにエルフは当初こそ驚いていたが、舌打ちをした。
「愚かな奴らだ。
脆弱な人間に負けるなど、里に帰っても処罰されるだけだろう。
そんな足手纏いな奴など、我らの同胞ではない。
奴らは試練をこなす事が出来なかったのだ。」
およそ仲間を悼むとは程遠いセリフにアレックス達が顔を顰めていると“剣のエルフ”は笑い出した。
「アハハハハ!
と言う事は、栄誉は我のものか!
フン。
なんて事はない。
お前らを蹴散らし、化け物を倒すだけだ。
我こそがルミエール様の・・・!!」
ドガンッ!
“剣のエルフ”が吹き飛ぶと目の前に茶色とオリーブ色の防具に身を包んだヒューゴが立っていた。
「後がガラ空きだぞ。
魔獣に襲われても文句も言えない。
狩りの基本だろうが。」
「「ヒューゴ!!」」
双子が嬉しそうに飛び上がるとヒューゴは片手を上げた。
「・・・俺達の良い所が取られたな。」
「・・・格好良すぎでしょう。」
アレックスとロジャーは力が抜けたように弱々しい笑顔をした。
ヒューゴの攻撃をまともに喰らってしまった“剣のエルフ”は息も絶え絶えとポーションを手にした。
「こんな所で、我が悲願が潰える事などあってはならない・・・。
脆弱な人間に我が負けるなどあり得ないのだ・・・。」
ポーションを口にしようとした時だった。
「残念だな。
お前の戦いはここで終わりだ。」
ヒューゴはエルフからポーションを奪うと首筋に打撃を入れ気絶させた。
「主人が死を嫌うんだ。
お前は死なすかよ。」
ヒューゴはエルフをやるせ無い気持ちで見下ろした。
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