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旅路〜イルツク〜
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「まずは・・・。」
そう切り出したロビンはポップコーンの原材料である“爆裂種”のトウモロコシについて聞き始めた。
「基本的に俺は野山で稀に見かける“爆裂種”を採取しています。
これを安定的に供給するには、やっぱり栽培するしかないんじゃないですかね。」
「そうですね。
イルツクにも農家がございます。
彼らに頼めば、栽培することは可能かと思いますが・・・。
肝心の“爆裂種”がどれなのか分からなければなりませんね。」
するとイオリは何やら考え込むと、ロビンに聞いた。
「鑑定のスキルを持っている方はいないのでしょうか?」
「います。
商人ギルドにもおりますし、大店の商会には1人は在籍していますよ。
領主館でもいらっしゃいますよね?」
ロビンに話を振られアナスタシアは頷いた。
「はい。
しかし、私の元にいる鑑定のスキルを持った者は契約などの書類や、持ち込まれた宝石や魔石の真偽を確認するのが基本的な役割です。」
「それは私共も同じでございます。
・・・まさか。
イオリ様は鑑定スキル持ちに“爆裂種”を見つけさせようとでも?」
ロビンの驚いた顔を見てイオリは苦笑いをした。
「やっぱり、駄目ですかね?
一応、ここに1つあるんです。
これを差し上げますから、同じ品種を見つけてもらいたいんです。
ある程度の量があれば、あとは農家さんの両分です。
畑に“爆裂種”を増やし安定供給を狙いう。・・・と言うのが、手っ取り早いと思うんですが?」
アナスタシアとロビンにとって規格外なイオリの案は戸惑いの連続だった。
「それと、農家に“爆裂種”の栽培を頼めば他領の商人が買付などし情報が流出致しませんか?」
不安そうなアナスタシアにイオリはニッコリとした。
「だから“ホワイトキャビン”をご利用ください。」
ロビンはハッとした顔で頷いた。
「特定の農家に“爆裂種”の栽培を任せ、ホワイトキャビンで雇うのですね?
そうすれば契約が結ばれ、秘密の保全に努められ、農家は安定的な収入を得られます。」
「そうですね。
それに1つ付け加えるとしたら・・・。
農家さん達って、もしかして集落だったりします?」
「おっしゃる通りです。
1つの集落が担っています。」
「だったら、特定の人ではなく集落全体をホワイトキャビンに入れてください。」
イオリの言葉にアナスタシアは首を傾げた。
「何故ですか?」
「俺も田舎育ちなので分かるんですが、集落とは強固な絆で結ばれています。
対外的に身を守る術でもあるんですよ。
以前、訪れたアンティティラの農家さんも集落全体で家族を守っていました。
そこに1つの家族だけが安定収入を得れば、亀裂が入ります。
争いの種になるでしょう。
それでは、本末転倒ですよ。
だから、農家さんの集落全体の仕事にして当番制で世話をすれば良いです。
世話をした家族に収益を平等に分ければ良いんですから。
自分の畑だけじゃなく他人の畑も守り、尚且つイルツクの観光収入を担えば集落全体の底上げにつながりますよ。
それをイルツクの領主であるアナスタシア様がホワイトキャビンに依頼し、現地の管理をグラトニー商会が行えばいいんです。」
イオリの朗々と説明をすると2人は唖然とした。
「・・・イオリ様は商売に長けていらっしゃるのですね?」
「俺ですか?
いや、全くです。
俺の話は思いつきです。
だから形にするバートさんが一番大変なんです。」
ロビンは苦笑するとポーレットでクシャミをしているであろう甥を哀れに思った。
そう切り出したロビンはポップコーンの原材料である“爆裂種”のトウモロコシについて聞き始めた。
「基本的に俺は野山で稀に見かける“爆裂種”を採取しています。
これを安定的に供給するには、やっぱり栽培するしかないんじゃないですかね。」
「そうですね。
イルツクにも農家がございます。
彼らに頼めば、栽培することは可能かと思いますが・・・。
肝心の“爆裂種”がどれなのか分からなければなりませんね。」
するとイオリは何やら考え込むと、ロビンに聞いた。
「鑑定のスキルを持っている方はいないのでしょうか?」
「います。
商人ギルドにもおりますし、大店の商会には1人は在籍していますよ。
領主館でもいらっしゃいますよね?」
ロビンに話を振られアナスタシアは頷いた。
「はい。
しかし、私の元にいる鑑定のスキルを持った者は契約などの書類や、持ち込まれた宝石や魔石の真偽を確認するのが基本的な役割です。」
「それは私共も同じでございます。
・・・まさか。
イオリ様は鑑定スキル持ちに“爆裂種”を見つけさせようとでも?」
ロビンの驚いた顔を見てイオリは苦笑いをした。
「やっぱり、駄目ですかね?
一応、ここに1つあるんです。
これを差し上げますから、同じ品種を見つけてもらいたいんです。
ある程度の量があれば、あとは農家さんの両分です。
畑に“爆裂種”を増やし安定供給を狙いう。・・・と言うのが、手っ取り早いと思うんですが?」
アナスタシアとロビンにとって規格外なイオリの案は戸惑いの連続だった。
「それと、農家に“爆裂種”の栽培を頼めば他領の商人が買付などし情報が流出致しませんか?」
不安そうなアナスタシアにイオリはニッコリとした。
「だから“ホワイトキャビン”をご利用ください。」
ロビンはハッとした顔で頷いた。
「特定の農家に“爆裂種”の栽培を任せ、ホワイトキャビンで雇うのですね?
そうすれば契約が結ばれ、秘密の保全に努められ、農家は安定的な収入を得られます。」
「そうですね。
それに1つ付け加えるとしたら・・・。
農家さん達って、もしかして集落だったりします?」
「おっしゃる通りです。
1つの集落が担っています。」
「だったら、特定の人ではなく集落全体をホワイトキャビンに入れてください。」
イオリの言葉にアナスタシアは首を傾げた。
「何故ですか?」
「俺も田舎育ちなので分かるんですが、集落とは強固な絆で結ばれています。
対外的に身を守る術でもあるんですよ。
以前、訪れたアンティティラの農家さんも集落全体で家族を守っていました。
そこに1つの家族だけが安定収入を得れば、亀裂が入ります。
争いの種になるでしょう。
それでは、本末転倒ですよ。
だから、農家さんの集落全体の仕事にして当番制で世話をすれば良いです。
世話をした家族に収益を平等に分ければ良いんですから。
自分の畑だけじゃなく他人の畑も守り、尚且つイルツクの観光収入を担えば集落全体の底上げにつながりますよ。
それをイルツクの領主であるアナスタシア様がホワイトキャビンに依頼し、現地の管理をグラトニー商会が行えばいいんです。」
イオリの朗々と説明をすると2人は唖然とした。
「・・・イオリ様は商売に長けていらっしゃるのですね?」
「俺ですか?
いや、全くです。
俺の話は思いつきです。
だから形にするバートさんが一番大変なんです。」
ロビンは苦笑するとポーレットでクシャミをしているであろう甥を哀れに思った。
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