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旅路 〜グランヌス・王宮〜
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国王と姫巫女が戦いを繰り広げていた周りでは“エルフの里の戦士”を相手に徒党を組んで戦うグランヌスの衛兵達の姿が見えた。
異形のエルフに吹き飛ばされるのも恐れずに戦う彼らをヒューゴが援護する。
「1人1人にシールドを張った。
少しは助けになる。」
何もヒューゴとて“明けない魔の森”に引っこんんでいた間に大剣だけを振り回していたわけではない。
魔法の天才である妹を前に立ち止まる事などない兄は、自分のスキルを自在に扱う為に限界に抗った。
巨大なシールドを張る事に成功したヒューゴにとって小さなシールドの扱いの方が苦労を要した。
それも、人数分を用意するなどポーレットの冒険者ギルドのサブマス・エルノールも仰天の発想だった。
『ウチの子達は守られているだけじゃないんでね。
生意気にも飛び出して大人の活躍を奪う奴らですから。』
双子が戦う事を想定して作り出すヒューゴのシールドスキルは、誰にも真似できない代物に成長していた。
「感謝します!」
火の国の男達が戦いに向かっていく中をヒューゴは自分の腕で光ってる腕輪に触れた。
ピカッと光り、光沢の鎧に身を包んだヒューゴに“エルフの里の戦士”が襲いかかる。
ドンッ
“エルフの里の戦士”の突き刺す渾身の槍がヒューゴの大剣に止められて小さな煙を上げていた。
ヒビの1つも付かない大剣に“エルフの里の戦士”の顔に驚愕が浮かぶ。
「そんなんじゃ、俺の大剣“ムーン・ライト”はビクともしないぞ。
折角、近くに来たんだ。
こいつの威力を味わっていけよ。」
重い大剣だというのに軽々と振り回したヒューゴの腕力にグランヌスの衛兵達も驚いている。
ドガンッ
素早く振り切ったヒューゴの大剣が“エルフの里の戦士”の脇腹を直撃した。
吹っ飛んでいった“エルフの里の戦士”は土埃を上げて壁に激突した。
『うぅぅ・・・。』
呻き声を上げながらフラフラと立ち上がる“エルフの里の戦士”にヒューゴは口笛を吹いた。
「ヒュ~。
やっぱり、まだ立てるのか。」
頭を振り、何とか脳震盪から脱出した“エルフの里の戦士”はヒューゴを強敵と見定めたようだ。
ガチガチと歯を鳴らして威嚇し始めた。
「とりあえず、お前さんを寝かす。
時間を掛けるのは好きじゃないんだ。
来いよ。」
『奇遇ダナ。
私モダ。』
初めて出した“エルフの里の戦士”の声はガラガラの聞き取りにくいものだった。
互いに武器を構える手に力を込めた2人の戦いを見守る者達が固唾を飲んでいた。
『死ねぇぇぇ!!』
襲いかかる“エルフの里の戦士”を正面にヒューゴが鎧に光を纏わせて大剣を振り上げた。
「おやすみ。」
“エルフの里の戦士”が繰り出す槍の暴風と光輝くヒューゴの大剣がぶつかり合うと、周囲は衝撃波に襲われた。
飛び交う砂や砂利に顔を背ける周囲の者達が静まり返った後に目にしたのは、うつ伏せに倒れ気を失った“エルフの里の戦士”と太陽の様に輝く大剣の見た目と違って、静寂を背にした堂々たる勇姿を見せたヒューゴだった。
異形のエルフに吹き飛ばされるのも恐れずに戦う彼らをヒューゴが援護する。
「1人1人にシールドを張った。
少しは助けになる。」
何もヒューゴとて“明けない魔の森”に引っこんんでいた間に大剣だけを振り回していたわけではない。
魔法の天才である妹を前に立ち止まる事などない兄は、自分のスキルを自在に扱う為に限界に抗った。
巨大なシールドを張る事に成功したヒューゴにとって小さなシールドの扱いの方が苦労を要した。
それも、人数分を用意するなどポーレットの冒険者ギルドのサブマス・エルノールも仰天の発想だった。
『ウチの子達は守られているだけじゃないんでね。
生意気にも飛び出して大人の活躍を奪う奴らですから。』
双子が戦う事を想定して作り出すヒューゴのシールドスキルは、誰にも真似できない代物に成長していた。
「感謝します!」
火の国の男達が戦いに向かっていく中をヒューゴは自分の腕で光ってる腕輪に触れた。
ピカッと光り、光沢の鎧に身を包んだヒューゴに“エルフの里の戦士”が襲いかかる。
ドンッ
“エルフの里の戦士”の突き刺す渾身の槍がヒューゴの大剣に止められて小さな煙を上げていた。
ヒビの1つも付かない大剣に“エルフの里の戦士”の顔に驚愕が浮かぶ。
「そんなんじゃ、俺の大剣“ムーン・ライト”はビクともしないぞ。
折角、近くに来たんだ。
こいつの威力を味わっていけよ。」
重い大剣だというのに軽々と振り回したヒューゴの腕力にグランヌスの衛兵達も驚いている。
ドガンッ
素早く振り切ったヒューゴの大剣が“エルフの里の戦士”の脇腹を直撃した。
吹っ飛んでいった“エルフの里の戦士”は土埃を上げて壁に激突した。
『うぅぅ・・・。』
呻き声を上げながらフラフラと立ち上がる“エルフの里の戦士”にヒューゴは口笛を吹いた。
「ヒュ~。
やっぱり、まだ立てるのか。」
頭を振り、何とか脳震盪から脱出した“エルフの里の戦士”はヒューゴを強敵と見定めたようだ。
ガチガチと歯を鳴らして威嚇し始めた。
「とりあえず、お前さんを寝かす。
時間を掛けるのは好きじゃないんだ。
来いよ。」
『奇遇ダナ。
私モダ。』
初めて出した“エルフの里の戦士”の声はガラガラの聞き取りにくいものだった。
互いに武器を構える手に力を込めた2人の戦いを見守る者達が固唾を飲んでいた。
『死ねぇぇぇ!!』
襲いかかる“エルフの里の戦士”を正面にヒューゴが鎧に光を纏わせて大剣を振り上げた。
「おやすみ。」
“エルフの里の戦士”が繰り出す槍の暴風と光輝くヒューゴの大剣がぶつかり合うと、周囲は衝撃波に襲われた。
飛び交う砂や砂利に顔を背ける周囲の者達が静まり返った後に目にしたのは、うつ伏せに倒れ気を失った“エルフの里の戦士”と太陽の様に輝く大剣の見た目と違って、静寂を背にした堂々たる勇姿を見せたヒューゴだった。
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