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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜
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「で?
このドアノブを冒険者が持っていたって事?
鍵じゃなくて、わざわざドアノブを持ち歩いてるの?
・・・ダサ。」
グダスクのSランク冒険者であるロジャーは冒険者ギルド王都本部のギルドマスターの部屋に通された後、ギルドマスターであるハンターから齎された内容に白んだ顔をした。
「貴方が常識的な感性をお持ちで何よりですよ。
こちらも相手の非常識な考え方が読めずに苦労しているんです。
これが何処で何に使われているか未だ判明していません。」
ギルドマスターであるハンターは美しく整えた髭に触れ眉間に皺を寄せた。
「ギルマス。整理させて。
ポーレットの魔の森で魔獣の子が拐われた事で、魔の森の魔獣達が怒り、いつポーレットの街を襲ってもおかしくなかった。
イオリが魔獣達と交渉して魔獣の子供達の行方を探すと約束した事で魔獣は落ち着きを取り戻した。
ポーレットの街で依頼を受けていた1つのパーティーが関わっている事が分かったが、その背景には王都に商会を持つ冒険者の父親が関わっていた。
しかし、その父親は騎士団で拘束中に死亡・・・。
ポーレットの冒険者ギルドから調査依頼を受けた王都本部が事件に関わった可能性のある冒険者を調べたところ、容疑者の数人がこのドアノブを持っていた。
怪しい冒険者の捕縛を進めているが、今もドアノブの意味は分かっていない・・・で良いんだね?」
普段、どちらかというとノンビリした人間と思われがちだがロジャーとてSランク冒険者だ。
頭の回転は早い方だった。
「えぇ、それで間違いないですよ。」
目を細めて微笑むハンターにロジャーは首を傾げた。
「本当にドアノブの事を口割った奴が1人もいないの?
ギルドや騎士団の尋問だって生優しいものじゃないでしょ?」
「えぇ、その通りですね。
私も立ち会いましたが誰1人として詳しい内容を話したものはいません。」
「ふーん。
忠誠心?
いや、この手の犯罪をする奴らなんて自分勝手なものだもんね。
誰かの為なんて考えるわけない。
だったら、誰か助けてくれると確信しているとか?
・・・まぁ、そうなると確実に貴族が裏にいるって事だよねぇ。」
ウンザリするロジャーに同意するようにハンターも溜息を吐いている。
「いつの時代も馬鹿は馬鹿のまま存在すると言う事です。」
「巻き込まれる人間の身にもなって欲しいものだけど、馬鹿だもんね。」
「えぇ、馬鹿ですから・・・。」
「分かったよ。ギルマス。
俺も手を貸すよ。
ましてやイオリも絡んでるなら手伝わない理由はない。」
「感謝します。
この件は冒険者ギルドだけじゃなく商人ギルドも調査しているんです。
何せ、大店の商会が関わっていましたからね。
グラトニー商会が率先して件の商会の流れを調べてくれています。」
「うわぁ。
大大大事件だぁ。」
ロジャーは呆れるように頭に手を当てて唖然とした。
コンコン
ノックがすると、ミュラチュラとヒューゴが顔を出した。
「そっちの話は終わったかい?
ほれ、今これが届いたよ。」
ミュラチュラがピラピラと封筒を揺らしている。
封蝋の紋章を見たハンターは顔を顰めた。
「ギルド協会・・・来ましたか。」
事実上、自分達よりも上の機関が口を出してきた。
ハンターは心底ウンザリしていた。
そんなハンターにヒューゴが新情報を持ち込んだ。
「王城より連絡がありました。
そのドアノブについて新情報があると・・・。」
「ほう・・・。」
集まった4人は顔を見合わせ目を光らせた。
このドアノブを冒険者が持っていたって事?
鍵じゃなくて、わざわざドアノブを持ち歩いてるの?
・・・ダサ。」
グダスクのSランク冒険者であるロジャーは冒険者ギルド王都本部のギルドマスターの部屋に通された後、ギルドマスターであるハンターから齎された内容に白んだ顔をした。
「貴方が常識的な感性をお持ちで何よりですよ。
こちらも相手の非常識な考え方が読めずに苦労しているんです。
これが何処で何に使われているか未だ判明していません。」
ギルドマスターであるハンターは美しく整えた髭に触れ眉間に皺を寄せた。
「ギルマス。整理させて。
ポーレットの魔の森で魔獣の子が拐われた事で、魔の森の魔獣達が怒り、いつポーレットの街を襲ってもおかしくなかった。
イオリが魔獣達と交渉して魔獣の子供達の行方を探すと約束した事で魔獣は落ち着きを取り戻した。
ポーレットの街で依頼を受けていた1つのパーティーが関わっている事が分かったが、その背景には王都に商会を持つ冒険者の父親が関わっていた。
しかし、その父親は騎士団で拘束中に死亡・・・。
ポーレットの冒険者ギルドから調査依頼を受けた王都本部が事件に関わった可能性のある冒険者を調べたところ、容疑者の数人がこのドアノブを持っていた。
怪しい冒険者の捕縛を進めているが、今もドアノブの意味は分かっていない・・・で良いんだね?」
普段、どちらかというとノンビリした人間と思われがちだがロジャーとてSランク冒険者だ。
頭の回転は早い方だった。
「えぇ、それで間違いないですよ。」
目を細めて微笑むハンターにロジャーは首を傾げた。
「本当にドアノブの事を口割った奴が1人もいないの?
ギルドや騎士団の尋問だって生優しいものじゃないでしょ?」
「えぇ、その通りですね。
私も立ち会いましたが誰1人として詳しい内容を話したものはいません。」
「ふーん。
忠誠心?
いや、この手の犯罪をする奴らなんて自分勝手なものだもんね。
誰かの為なんて考えるわけない。
だったら、誰か助けてくれると確信しているとか?
・・・まぁ、そうなると確実に貴族が裏にいるって事だよねぇ。」
ウンザリするロジャーに同意するようにハンターも溜息を吐いている。
「いつの時代も馬鹿は馬鹿のまま存在すると言う事です。」
「巻き込まれる人間の身にもなって欲しいものだけど、馬鹿だもんね。」
「えぇ、馬鹿ですから・・・。」
「分かったよ。ギルマス。
俺も手を貸すよ。
ましてやイオリも絡んでるなら手伝わない理由はない。」
「感謝します。
この件は冒険者ギルドだけじゃなく商人ギルドも調査しているんです。
何せ、大店の商会が関わっていましたからね。
グラトニー商会が率先して件の商会の流れを調べてくれています。」
「うわぁ。
大大大事件だぁ。」
ロジャーは呆れるように頭に手を当てて唖然とした。
コンコン
ノックがすると、ミュラチュラとヒューゴが顔を出した。
「そっちの話は終わったかい?
ほれ、今これが届いたよ。」
ミュラチュラがピラピラと封筒を揺らしている。
封蝋の紋章を見たハンターは顔を顰めた。
「ギルド協会・・・来ましたか。」
事実上、自分達よりも上の機関が口を出してきた。
ハンターは心底ウンザリしていた。
そんなハンターにヒューゴが新情報を持ち込んだ。
「王城より連絡がありました。
そのドアノブについて新情報があると・・・。」
「ほう・・・。」
集まった4人は顔を見合わせ目を光らせた。
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