続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜

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 “ミミズクの館”が騎士団に制圧されたのはポーレット公爵テオルドが皆を呼びつけた日の次の日の事だった。

 ポーレット公爵家騎士団の団長アイザックは王家直轄の騎士団と共に“ミミズクの館”を取り囲んだ。

 当然、“ミミズクの館”の屋敷を守る為に雇われた護衛達は抵抗したが、味方が駆けつける前に騎士の手で捕縛されてしまった。

 それは屋敷の中で娯楽に耽っていた客達が気付かぬ手際の良さだった。

「さぁ、行きますか。」

「焦るなよロジャー。
 合図を待て。
 俺達は2階の担当だから一気に攻め込むぞ。」

「分かってるって。相棒。」

 グイッと体を伸ばし、今にも飛び出しそうなロジャーにダグスク騎士団の衣装に身を包んだアレックスが声をかけた。

 それでも久々に共に戦える事にワクワクしているのが隠せていない2人だった。

 アイザックの指示を受けたポーレットの騎士が“ミミズクの館”の扉に手をかけて手を上げた。

「イオリ。出番だぞ。」

「はい。」

 イオリはY字パチンコを構えると、扉に近づいた。
 騎士と目を合わせたイオリがコクンと頷くと、扉が一気に開いた。

「ん?」

「誰だ?」

 屋敷の中でほろ酔い気分の客達は真っ黒な青年の登場に状況が分かっていない。

「こんばんわ。
 そして、おやすみなさい。」

 イオリの手から放たれた小袋から眠り薬が散布され広範囲に煙として広がっていった。

「閉めて下さい。」

 騎士に指示すると、イオリは閉じられた扉に背を付け、中の様子を音を頼りに伺った。

バタン バタン・・・

 人が倒れていく音がする。

「10・9・8・・・・3・2・1。」

 イオリは数を数え終えると、後方を向き手を振った。

 それを待っていたかのように、ロジャーがピョンと飛び跳ねると走り込んできた。

 慌てて扉を開いた騎士とイオリの間を通り過ぎると一息で2階の階段に向かって行く。

「イオリ。お先に。」

 その後ろをアレックスが続いていった。
 2人に続くように騎士達が雪崩れ込むと、“ミミズクの館”は騎士団に掌握されていった。

「1階の人達は大方眠っていると思います。
 煙は上にいくので2階も薬の効果があると思いますが、人の気配はしているのでアレックスさんとロジャーさんに任せます。」

「分かった。
 おい。倒れてる奴らを片っ端にひっ捕えろ。
 貴族だろうが平民だろうが関係ない。
 縛り上げたら、王家の騎士に全員引き渡せ。」

 ポーレット家の騎士達が手際よく1人1人を縛り上げて行くのを王家の騎士達が雑に引きずっていく。

「うわぁ。
 あれ、起きたら体中痛いですよ。」

 イオリが顔を顰めると、ヒューゴがクスッと笑った。

「お前は一体、何の心配しているんだ。」

 騎士達が右往左往している中、ゴヴァンが姿を見せた。

「件の場所はあちらです。」

 ゴヴァンが先行して階段脇の暗闇へ向かって行く。
 
 しかし、そこには何もない壁があるだけだった・・・。
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