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王都 〜王城・デーゾルドの行方〜
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ポーレット公爵を狙った事件と“明けない魔の森”に住う魔獣の子供達が攫われた事件が結び付き、関係があると判断された“ミミズクの館”と呼ばれる屋敷に突入したイオリ達であったが、今は何もない壁を目の前にしていた。
先行して潜入していたゴヴァンは此処に何かあると諦める事はなく手探りで調べ始めた。
「この辺が怪しいかと・・・。」
ゴヴァンの成果をイオリ達はジッと見守った。
「どう?」
そこに2階の制圧に向かっていたはずのロジャーとアレックスがやって来た。
「これからです。
そっちはどうです?」
イオリの問いに2人はニカっと笑った。
「寝てる者が多かったが、奥の方は意識ある奴もいたから、殴って気絶させてきた。
後は王家の騎士達に頼んで此方に来たんだ。
だってこっちの方が本丸だろう?」
アレックスも騎士の仮面を被って礼儀正しくしていた筈が、ロジャーと行動を共にした事で冒険者の荒くれ具合が少し戻ってきたようだ。
「で?この壁が怪しいって?」
ワクワクした顔のロジャーが覗き込むとイオリは頷いた。
「何でもない壁なんですけどね。
ゴヴァンさんが怪しいって。
ゴヴァンさん。
これ、グレンさんから預かってきたドアノブです。
試して見て下さい。」
「承知しました。
お借りします。」
ゴヴァンはイオリから恭しく受け取ると、壁の気になっていた場所をスライドさせた。
「窪みがあります。
ドアノブを嵌めてみます。」
壁に現れた窪みに件のドアノブを嵌め込むと、誰が聞いてもカチッとした音がした。
「回します。」
ゴヴァンがゆっくりとドアノブを回すと、壁の一部が扉の様に開いた。
「仕掛け扉か・・・。
貴族の中には屋敷に作る者がいるが、こんなのは初めて見たな。」
ポーレット公爵家騎士団長アイザックが唸るように顎に手をやった。
「地下に続く階段があります。
気をつけてついて来て下さい。」
扉の中を覗き込んでいたゴヴァンの言葉に一同が頷いた。
扉を開き、ゴヴァンが階段の1歩目を踏むとパッとライト明るく点灯した。
「一段目を踏むと明かりが点灯する仕組みになっているのでしょう。
他にも仕掛けがあるかもしれません。」
「ゴヴァンさん。
俺に先に行かせて下さい。
俺、そういうの得意なんです。」
様々な場所に行くゴヴァンは経験も豊富だ。
時には危険と隣り合わせで、今回の様に潜入する。
しかし、仕掛けや罠に関してはイオリも負ける事はない。
譲ってくれたゴヴァンに礼を言うと、イオリは人が1人分余裕ある階段を見つめた。
「この辺は大丈夫。
行きましょう。」
この先で何が待っているのか、階段を降りて行くイオリの目が鋭くなっている事など、後を追随する者達ですら知らなかった。
先行して潜入していたゴヴァンは此処に何かあると諦める事はなく手探りで調べ始めた。
「この辺が怪しいかと・・・。」
ゴヴァンの成果をイオリ達はジッと見守った。
「どう?」
そこに2階の制圧に向かっていたはずのロジャーとアレックスがやって来た。
「これからです。
そっちはどうです?」
イオリの問いに2人はニカっと笑った。
「寝てる者が多かったが、奥の方は意識ある奴もいたから、殴って気絶させてきた。
後は王家の騎士達に頼んで此方に来たんだ。
だってこっちの方が本丸だろう?」
アレックスも騎士の仮面を被って礼儀正しくしていた筈が、ロジャーと行動を共にした事で冒険者の荒くれ具合が少し戻ってきたようだ。
「で?この壁が怪しいって?」
ワクワクした顔のロジャーが覗き込むとイオリは頷いた。
「何でもない壁なんですけどね。
ゴヴァンさんが怪しいって。
ゴヴァンさん。
これ、グレンさんから預かってきたドアノブです。
試して見て下さい。」
「承知しました。
お借りします。」
ゴヴァンはイオリから恭しく受け取ると、壁の気になっていた場所をスライドさせた。
「窪みがあります。
ドアノブを嵌めてみます。」
壁に現れた窪みに件のドアノブを嵌め込むと、誰が聞いてもカチッとした音がした。
「回します。」
ゴヴァンがゆっくりとドアノブを回すと、壁の一部が扉の様に開いた。
「仕掛け扉か・・・。
貴族の中には屋敷に作る者がいるが、こんなのは初めて見たな。」
ポーレット公爵家騎士団長アイザックが唸るように顎に手をやった。
「地下に続く階段があります。
気をつけてついて来て下さい。」
扉の中を覗き込んでいたゴヴァンの言葉に一同が頷いた。
扉を開き、ゴヴァンが階段の1歩目を踏むとパッとライト明るく点灯した。
「一段目を踏むと明かりが点灯する仕組みになっているのでしょう。
他にも仕掛けがあるかもしれません。」
「ゴヴァンさん。
俺に先に行かせて下さい。
俺、そういうの得意なんです。」
様々な場所に行くゴヴァンは経験も豊富だ。
時には危険と隣り合わせで、今回の様に潜入する。
しかし、仕掛けや罠に関してはイオリも負ける事はない。
譲ってくれたゴヴァンに礼を言うと、イオリは人が1人分余裕ある階段を見つめた。
「この辺は大丈夫。
行きましょう。」
この先で何が待っているのか、階段を降りて行くイオリの目が鋭くなっている事など、後を追随する者達ですら知らなかった。
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