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王城 〜予感〜
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トラスト・ブレインから齎された報告に驚く事など何もなかった。
要は性根の腐った貴族が己の権力と人脈を誤った方向に使い、道楽と金儲けの為に魂を悪魔に売ったという内容だった。
「呆れた話だ。
そんな者の所為で我がポーレットは魔獣達の怒りを買う恐れがあったというのか。」
怒りを含んだ声のテオルドに一同は同意する様に小さく頷いた。
「救いは魔獣達がイオリの声を聞き入れてくれた事だ。」
テオルドの視線を受け、イオリは口元を微かに緩めた。
黒幕シャムル・モンストル伯爵の逮捕後、後の事は国に任せ魔獣の子供達の治療に奔走したイオリ達である。
嫌がる魔獣の子供達を宥め、ポーションや傷薬などで治療をした。
お腹が減っている魔獣の子供に体に優しい食べ物を与え寝かしつける頃には朝になっていた。
朝になれば、違法賭博の犯罪者達の捕縛に参加させていなかった子供達が合流した。
地下の闘技場を不思議そうに見渡していた子供達に、魔獣の子供達を戦わせて賭けていたらしいと教えれば、嫌悪感たっぷりで顔を顰めていた。
可哀想にと、騎士達に混ざって魔獣の子供達の世話に走り回った子供達である。
昼頃になれば全ての魔獣の子供が目を覚ました。
「森に帰ろう。」
イオリの言葉に魔獣の子供達は、まるで感情豊な人間の様に目を丸くした。
穿った目で見上げてくるブラックパンサーの子供にイオリは丁寧に説明をした。
「君達の親や仲間達に約束したんだ。
森に連れ帰るって・・・。」
人間を信じて良いのか不安そうなブラックパンサーの子供と違い、イオリに甘えてコロコロ転がりながら戯れてくるのはワイルドベアの子供だった。
子供でありながらもワイルドベアの力は強くイオリは簡単に押し倒しては胸に攀じ登ってくる。
「少しでも元気になって良かった・・・。」
ワイルドベアを優しく撫でるイオリをブラックパンサーの子供が面白くない顔で見つめてくる。
「君もおいで。」
寝転びながら手を伸ばすイオリに、ブラックパンサーの子供が渋々と言った顔で近づいて来たが、撫でられれば喉をクルクルと鳴らしているのを見れば満更ではないようだ。
「俺の家族に一瞬で魔の森に連れて行ってくれる子がいるんだ。
みんなで魔の森へ帰ろう。
あそこには君達を待ってる親や仲間達がいる。」
『・・・うん。』
戯れながら声を掛けていると、何だかんだイオリにはブラックパンサーの声が聞こえた・・・様な気がした。
イオリが優しく抱き上げると、ブラックパンサーは穏やかな顔で目を閉じていたという。
こうして、犬や猫といった動物以外の魔獣達を一斉に“明けない魔の森”へと送る事が決まった。
国王アルフレッドの認可を得て、魔獣の子供の移送が行われたのは次の日の早朝の事だった。
※※※※※ ※※※※※
書籍化第4巻宜しくお願いします!
コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。
要は性根の腐った貴族が己の権力と人脈を誤った方向に使い、道楽と金儲けの為に魂を悪魔に売ったという内容だった。
「呆れた話だ。
そんな者の所為で我がポーレットは魔獣達の怒りを買う恐れがあったというのか。」
怒りを含んだ声のテオルドに一同は同意する様に小さく頷いた。
「救いは魔獣達がイオリの声を聞き入れてくれた事だ。」
テオルドの視線を受け、イオリは口元を微かに緩めた。
黒幕シャムル・モンストル伯爵の逮捕後、後の事は国に任せ魔獣の子供達の治療に奔走したイオリ達である。
嫌がる魔獣の子供達を宥め、ポーションや傷薬などで治療をした。
お腹が減っている魔獣の子供に体に優しい食べ物を与え寝かしつける頃には朝になっていた。
朝になれば、違法賭博の犯罪者達の捕縛に参加させていなかった子供達が合流した。
地下の闘技場を不思議そうに見渡していた子供達に、魔獣の子供達を戦わせて賭けていたらしいと教えれば、嫌悪感たっぷりで顔を顰めていた。
可哀想にと、騎士達に混ざって魔獣の子供達の世話に走り回った子供達である。
昼頃になれば全ての魔獣の子供が目を覚ました。
「森に帰ろう。」
イオリの言葉に魔獣の子供達は、まるで感情豊な人間の様に目を丸くした。
穿った目で見上げてくるブラックパンサーの子供にイオリは丁寧に説明をした。
「君達の親や仲間達に約束したんだ。
森に連れ帰るって・・・。」
人間を信じて良いのか不安そうなブラックパンサーの子供と違い、イオリに甘えてコロコロ転がりながら戯れてくるのはワイルドベアの子供だった。
子供でありながらもワイルドベアの力は強くイオリは簡単に押し倒しては胸に攀じ登ってくる。
「少しでも元気になって良かった・・・。」
ワイルドベアを優しく撫でるイオリをブラックパンサーの子供が面白くない顔で見つめてくる。
「君もおいで。」
寝転びながら手を伸ばすイオリに、ブラックパンサーの子供が渋々と言った顔で近づいて来たが、撫でられれば喉をクルクルと鳴らしているのを見れば満更ではないようだ。
「俺の家族に一瞬で魔の森に連れて行ってくれる子がいるんだ。
みんなで魔の森へ帰ろう。
あそこには君達を待ってる親や仲間達がいる。」
『・・・うん。』
戯れながら声を掛けていると、何だかんだイオリにはブラックパンサーの声が聞こえた・・・様な気がした。
イオリが優しく抱き上げると、ブラックパンサーは穏やかな顔で目を閉じていたという。
こうして、犬や猫といった動物以外の魔獣達を一斉に“明けない魔の森”へと送る事が決まった。
国王アルフレッドの認可を得て、魔獣の子供の移送が行われたのは次の日の早朝の事だった。
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