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王城 〜旅支度〜
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「デザリアとグランヌスには伝達したのか?」
「はい。
どちらも歓迎するとの返信がありましたよ。」
国王アルフレッドの執務室はいつも以上に慌ただしさを増していた。
イオリ達が旅をする事が決まってからの準備が急ピッチで進められている。
国王アルフレッドと宰相グレン・ターナーはイオリ達が楽に旅路を進められるように各地への伝達をおこなっていた。
「最初はイルツクに向かい。王都を迂回してグダスクに行くそうです。
そこからは船ではなく、ナギの瞬間移動でデザリアへ飛びルーシュピケ、グランヌス、最後にカプリースへと行く予定です。」
「イルツクから王都を迂回?
それこそ、ナギの瞬間移動をすれば良いのではないか?」
「折角だから馬車の旅も楽しみたいそうですよ。
今も馬車のメンテナンスを念入りにしているそうです。」
「聖獣様方が待っているから最短で行けば良いものを、そういうところは変わらんか。」
その頃、執務室で国王と宰相がクスクスと笑っているなど、イオリは知らない。
「前の旅では砂漠を進むのに板を付けたんだっけなぁ。
脱着が簡単なのを用意しておこうかなぁ。」
と呑気に構想を膨らませていた。
欠伸をするゼンが耳をピクリとさせて起き上がった。
「あっ。起きたの?」
見上げれば大好きなイオリの笑顔があった。
ゼンは「キャウ」と嬉しそうに返事をすると、伸ばされた手に頭を擦り付けると、嬉しそうに尻尾を振った。
「もう少し時間かかるんだ。
その辺で遊んでて良いよ。」
「キャウッ!」
返事をしたゼンはピョンピョンと飛び跳ねると甘い香りのする方を見た。
すると、庭で紅茶を楽しんでいたテオルドの妻であるオルガが手招きしているのが見える。
ピョンピョンと飛び跳ねるように近づいて行くゼンはオルガの前でコテッと転んだ。
「あらあらあら。
起きたてなのに元気ねぇ。
ゼンちゃんも何か食べる?」
「キャウ!」
返事をするゼンを嬉しそうに抱き上げるとオルガはゼンをテーブルに乗せた。
「こっちはクッキーで、こっちはチョコレートよ。
う~ん。どちらも甘すぎるかしら?」
フェンリルだった以前と違い甘すぎる物を差し出すのは躊躇するのか、食べさせる物に悩むオルガに執事のハミルトンは皿を差し出した。
「ヨーグルトと果物を用意しております。」
「まぁ、これなら良いわね。
有難う。ハミルトン。
さぁさぁ、ゼンちゃん召し上がれ。」
「キャイキャイ♪」
礼を言うようにオルガとハミルトンを見上げたゼンはご機嫌にお尻をフリフリと振ると、ヨーグルトが入った皿に小さな顔を突っ込んだ。
「まぁ、可愛い。
ゆっくり食べて良いのよ。」
「本当に愛らしいですね。」
オルガとハミルトンが顔を見合わせ微笑むのをよそにゼンはヨーグルトの中に埋もれていたリンゴを探し当て満足するまで堪能するのだった。
※※※※※ ※※※※※
書籍化第4巻宜しくお願いします!
コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。
「はい。
どちらも歓迎するとの返信がありましたよ。」
国王アルフレッドの執務室はいつも以上に慌ただしさを増していた。
イオリ達が旅をする事が決まってからの準備が急ピッチで進められている。
国王アルフレッドと宰相グレン・ターナーはイオリ達が楽に旅路を進められるように各地への伝達をおこなっていた。
「最初はイルツクに向かい。王都を迂回してグダスクに行くそうです。
そこからは船ではなく、ナギの瞬間移動でデザリアへ飛びルーシュピケ、グランヌス、最後にカプリースへと行く予定です。」
「イルツクから王都を迂回?
それこそ、ナギの瞬間移動をすれば良いのではないか?」
「折角だから馬車の旅も楽しみたいそうですよ。
今も馬車のメンテナンスを念入りにしているそうです。」
「聖獣様方が待っているから最短で行けば良いものを、そういうところは変わらんか。」
その頃、執務室で国王と宰相がクスクスと笑っているなど、イオリは知らない。
「前の旅では砂漠を進むのに板を付けたんだっけなぁ。
脱着が簡単なのを用意しておこうかなぁ。」
と呑気に構想を膨らませていた。
欠伸をするゼンが耳をピクリとさせて起き上がった。
「あっ。起きたの?」
見上げれば大好きなイオリの笑顔があった。
ゼンは「キャウ」と嬉しそうに返事をすると、伸ばされた手に頭を擦り付けると、嬉しそうに尻尾を振った。
「もう少し時間かかるんだ。
その辺で遊んでて良いよ。」
「キャウッ!」
返事をしたゼンはピョンピョンと飛び跳ねると甘い香りのする方を見た。
すると、庭で紅茶を楽しんでいたテオルドの妻であるオルガが手招きしているのが見える。
ピョンピョンと飛び跳ねるように近づいて行くゼンはオルガの前でコテッと転んだ。
「あらあらあら。
起きたてなのに元気ねぇ。
ゼンちゃんも何か食べる?」
「キャウ!」
返事をするゼンを嬉しそうに抱き上げるとオルガはゼンをテーブルに乗せた。
「こっちはクッキーで、こっちはチョコレートよ。
う~ん。どちらも甘すぎるかしら?」
フェンリルだった以前と違い甘すぎる物を差し出すのは躊躇するのか、食べさせる物に悩むオルガに執事のハミルトンは皿を差し出した。
「ヨーグルトと果物を用意しております。」
「まぁ、これなら良いわね。
有難う。ハミルトン。
さぁさぁ、ゼンちゃん召し上がれ。」
「キャイキャイ♪」
礼を言うようにオルガとハミルトンを見上げたゼンはご機嫌にお尻をフリフリと振ると、ヨーグルトが入った皿に小さな顔を突っ込んだ。
「まぁ、可愛い。
ゆっくり食べて良いのよ。」
「本当に愛らしいですね。」
オルガとハミルトンが顔を見合わせ微笑むのをよそにゼンはヨーグルトの中に埋もれていたリンゴを探し当て満足するまで堪能するのだった。
※※※※※ ※※※※※
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