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イルツク 〜再会〜
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「まったく・・・。
他領からの冒険者が来ているのに恥ずかしい。
全然成長せんな。レンは。」
イルツクの冒険者ギルドのギルマス・ルゴーは疲れた様に溜息を吐くと、咳払いをした。
「コホンッ。
改めて、イオリとヒューゴそして子供達。
よくイルツクに来てくれた。
嘗ての恩人を我々は快く迎え入れたい。」
「お久しぶりです。
恩人なんて大袈裟ですよ。
俺達は受けた依頼をこなしただけです。
それだけです。」
嘗てと変わらない穏やかな笑顔にギルマス・ルゴーや“ベルの爪”のメンバー達も自然と微笑んだ。
「今回も“深淵のダンジョン”に潜ると言う話だったな。
領主様には?」
「まだお会いしていないんです。
これからご挨拶に向かいます。」
「そうか。首を長くして待っておられる事だろう。
準備が出来次第もう一度ギルドに顔を出してくれ。
その時にギルドへ入る手続きをしよう。」
「お気遣い有難うございます。」
イオリが礼を言うと子供達も揃って「「「「ありがとうございま~す。」」」」と言った。
「ふははは。
イルツクにも子供の冒険者もチラホラいるが、お前達ほどランクは高い者はいない。
どうか。怪我などせん様にな。」
ギルマス・ルゴーの優しさに子供達も恥ずかしそうだ。
「それじゃ、ギロック伯爵の屋敷に行ってきます。」
立ち上がるイオリにレンが待ったをかける。
「行って直ぐに会えるのか?
一度、ギルマスに連絡を取ってもらった方が良いんじゃないか?」
「大丈夫。
これがありますから。
あれ?・・・あぁ、持ってるのヒューゴさんか。」
斜め掛け鞄を漁っていたイオリは目的の物が無いと分かると、ヒューゴが持っている事に気がついた。
ヒューゴは呆れた様に腰バックから1通の封筒を取り出した。
「お前は本当に・・・。
ポーレット公爵様からの紹介状があるんです。
だから問題ありません。」
大切な手紙は全部ヒューゴが持っている事を忘れていたイオリは「テヘ」と頭を掻いては子供達とクスクスと笑い合った。
穏やかな再会を終え、冒険者ギルドを後にするイオリ達の背を見送るレンの肩をリーダーがポンポンと叩いた。
「元気そうで良かったじゃないか。」
「うん。
あの時、ずっと行方不明だって聞いてたし、目を覚さないなんて話も耳にしていたから・・・。
眼帯姿にまだ慣れないけど、楽しそうで良かった。」
馬車は冒険者ギルドに置いて行ったイオリ達は仲良さげにイルツクの街に溶け込んで行った。
レン達はイオリがイルツクに来た本当の理由を知らない。
それでも、どうか楽しい滞在であってほしいと願っている。
「アイツが暇になったら一緒に街に繰り出そうかな。」
微笑むレンにリーダーはニッコリとした。
「残念だが、俺達は明日から依頼で街を離れるぞ。
準備しろ。」
「えぇぇぇぇぇ!!」
ゲラゲラと笑う仲間達の後ろをレンは不満タラタラに着いていくのだった。
※※※※※ ※※※※※
書籍化第4巻宜しくお願いします!
コミカライズも第2巻が書籍化されました!是非、ご覧下さい。
他領からの冒険者が来ているのに恥ずかしい。
全然成長せんな。レンは。」
イルツクの冒険者ギルドのギルマス・ルゴーは疲れた様に溜息を吐くと、咳払いをした。
「コホンッ。
改めて、イオリとヒューゴそして子供達。
よくイルツクに来てくれた。
嘗ての恩人を我々は快く迎え入れたい。」
「お久しぶりです。
恩人なんて大袈裟ですよ。
俺達は受けた依頼をこなしただけです。
それだけです。」
嘗てと変わらない穏やかな笑顔にギルマス・ルゴーや“ベルの爪”のメンバー達も自然と微笑んだ。
「今回も“深淵のダンジョン”に潜ると言う話だったな。
領主様には?」
「まだお会いしていないんです。
これからご挨拶に向かいます。」
「そうか。首を長くして待っておられる事だろう。
準備が出来次第もう一度ギルドに顔を出してくれ。
その時にギルドへ入る手続きをしよう。」
「お気遣い有難うございます。」
イオリが礼を言うと子供達も揃って「「「「ありがとうございま~す。」」」」と言った。
「ふははは。
イルツクにも子供の冒険者もチラホラいるが、お前達ほどランクは高い者はいない。
どうか。怪我などせん様にな。」
ギルマス・ルゴーの優しさに子供達も恥ずかしそうだ。
「それじゃ、ギロック伯爵の屋敷に行ってきます。」
立ち上がるイオリにレンが待ったをかける。
「行って直ぐに会えるのか?
一度、ギルマスに連絡を取ってもらった方が良いんじゃないか?」
「大丈夫。
これがありますから。
あれ?・・・あぁ、持ってるのヒューゴさんか。」
斜め掛け鞄を漁っていたイオリは目的の物が無いと分かると、ヒューゴが持っている事に気がついた。
ヒューゴは呆れた様に腰バックから1通の封筒を取り出した。
「お前は本当に・・・。
ポーレット公爵様からの紹介状があるんです。
だから問題ありません。」
大切な手紙は全部ヒューゴが持っている事を忘れていたイオリは「テヘ」と頭を掻いては子供達とクスクスと笑い合った。
穏やかな再会を終え、冒険者ギルドを後にするイオリ達の背を見送るレンの肩をリーダーがポンポンと叩いた。
「元気そうで良かったじゃないか。」
「うん。
あの時、ずっと行方不明だって聞いてたし、目を覚さないなんて話も耳にしていたから・・・。
眼帯姿にまだ慣れないけど、楽しそうで良かった。」
馬車は冒険者ギルドに置いて行ったイオリ達は仲良さげにイルツクの街に溶け込んで行った。
レン達はイオリがイルツクに来た本当の理由を知らない。
それでも、どうか楽しい滞在であってほしいと願っている。
「アイツが暇になったら一緒に街に繰り出そうかな。」
微笑むレンにリーダーはニッコリとした。
「残念だが、俺達は明日から依頼で街を離れるぞ。
準備しろ。」
「えぇぇぇぇぇ!!」
ゲラゲラと笑う仲間達の後ろをレンは不満タラタラに着いていくのだった。
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