続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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深淵のダンジョン 〜オリオンの元へ〜

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 武器を手にしたゴブリンがウロウロとしている。

 ダンジョンの中にいる魔獣達がどうやって産まれるのか、長年の間研究している者もいるにはいるが、今のところ解明されていない永遠の謎である。

 ウロウロしていたゴブリンであったが、一瞬目端にキラッとした何かがかすめた。

「ぎゃぅ?」

 ゴブリンの意識が移った瞬間だった。
 
 顔にバフンッと何かが当たり、粉が舞う。

「ギャッ!ギャルゥゥ?」

 驚き騒いだゴブリンであったが、時を置くことなく白目を上げて倒れてしまった。

「おっ、やったか?」

 ゴブリンが倒れたのを確認したイオリが飛び出てくると、子供達やヒューゴまでもが飛び出してきた。

「眠らせたのか?」

「はい。
 キラキラしたものに反応するなんて、素直な子でしたね。」

 イオリは、眠こけたゴブリンを道の端に寄せるととニコッと笑った。

「さて、次に進みましょうか。」

「これが続くのか・・・。
 ダンジョン攻略に必死な他の冒険者が何て思うかな。」

 苦笑するヒューゴに子供達もケラケラと笑った。

「しょうがないよ。
 人にはそれぞれ戦い方があるもん。」

「パティはバーン!ってぶつかって、ドーン!って戦う事の方が好きだけどね。
 でも、イオリは何をするか分からないから面白い。」

「必要以上に魔獣を傷つけないのはダンジョンでも一緒だね。」

「ニナもドーン!の方が好き。」

 子供達は既に先を歩いているイオリを楽しそうに追いかけていく。

「ふふふ。
 これは、俺達がしっかりしなきゃいけないぞ。
 なっ?」

 ヒューゴは自分を見上げてくるアウラとゼンを見つめた。

「ヒヒン。」
「キャン。」

「さて、行くか。」

 ヒューゴはゼンを抱き上げてから、アウラの頭を撫でると、イオリ達を追いかけるのだった。


_____

『・・・フム。
 来たか・・・。
 随分と待たせてくれる。』

 真っ暗の中で呟きが聞こえてくる。

『・・・あぁ、あの子が来たよ。
 いいや、まだ会っていないさ。
 フフフ。
 私が最初で気に入らないかい?
 それは仕方ないさ。
 私はあの子が暮らす場所から1番近い所にいるのだから。』

 その呟きは、まるで誰かと会話をしているかのように楽しそうだ。

『絶対神リュオンの愛し子・イオリ。
 私達は皆、早く君に会える事を願っているよ。』

 その呟きの主は大きな体をゴゴゴゴと動かし、目を閉じた。

_____

「ん?」

「痛てっ。
 イオリ、どうしたの?」

 突如止まったイオリの背にぶつかったスコルが驚いたように見上げた。

「あっ。ごめん。
 いや、誰かが何か言っていたような気がして・・・。」

「えー。もしかしてオリオンじゃない?」

 訝しげに首を傾げるイオリにパティがクスクスと笑う。

「うーん。そうかも?
 なんか楽しそうだったしね。」

 優しく微笑むイオリにナギもニコニコ顔だ。

「待ってくれてるのかな?」

「そうかもね。
 早く会いたいな。」

「ニナも!
 ほら、ポップコーン沢山持って来たもん。」

 ニナは前回のオリオンと一緒に食べた思い出の爆裂種のとうもろこしを持参し満面の笑みを浮かべた。

「そうだね。
 また、みんなでポップコーン楽しもう。」

 イオリはダンジョンの先を進べく前を見据えるのだった。


 
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