続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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深淵のダンジョン 〜オリオンの元へ〜

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 今のまま立ち止まってはいけない・・・

 これこそがオリオンが・・・いや、各地で自分を待つ守護者達がイオリに伝えたい事なのかもしれない。

 イオリの覚悟の顔付きを見たオリオンは満足そうに微笑んでいる。

「でも報酬って?」

 肩を竦めて首を傾げるイオリにオリオンは『フォフォフォ』と笑った。

『お主は依頼を受けて報酬を得る冒険者という者なのだろう?
 試練を受けろという我の依頼を成功させたのだから報酬で良いではないか。』

「そんな依頼は初めてだけどね。」

 イオリがクスクスと笑うとオリオンも楽しいそうに体を揺らす。

『それで?
 我からの報酬は受けるのか?』

 オリオンからの問いにイオリは期待する目を向けるスコル、パティ、ナギ、ニナ、ヒューゴ、アウラ、そしてゼンの顔を見回して微笑みながら頷いた。

「はい。
 お受け取りします。」

「「「「やったー!!」」」」
「ヒンッ!」

 子供達やアウラが飛んで喜ぶ中、ヒューゴはホッとしたように微笑んだ。

「それで?
 俺はどうしたら良いんだろう?」

 覚悟を決めたイオリが腰に手を当ててオリオンを見上げると、大亀の守護者は何かを呟き出した。

 幾何学模様の魔法陣が足元に描かれるとイオリは眩い光に包まれた。

 あまりの眩しさに目を瞑ろうとした刹那の事。
 一瞬だけ虹色の髪を靡かせたリュオンの笑顔が見えた。

ーーー相沢さん。

 そう呼ばれた気がした。

 イオリの心にジンワリと暖かいものが溢れ、自然と涙が一筋流れた。

『・・・終わった。会えたか?』

 オリオンの慈愛の籠った言葉にイオリは頷き涙を拭った。

「名前を呼ばれた気がするよ。」

『そうか・・・。』

 オリオンの力を通じて会えたリュオンは相変わらず虹色の髪をフワフワと浮かせ美しいまでの笑顔でいた。

 心配そうに足元で見上げているゼンを抱き上げると、イオリは小さな毛糸玉をギュッと抱きしめた。

「また、会えるかな?」

「クゥーン。」

 気遣うように自分の頬を舐めるゼンにイオリは微笑む。

「イオリ?何か変わった?」

 焦ったくなったのかパティがイオリにしがみついて来た。

 それを合図にスコルやナギやニナまでもがイオリに纏わりつく。

 イオリは自分の手をグーパーすると「あれ?」と言う顔をした。

『我が与えたのは身体強化と精神安定のスキルだ。
 これで以前の様な身のこなしが出来る様になっただろう。』

 頭上からオリオンの声が降ってくると、イオリはピョーンと飛び跳ねた。

 すると、羽のように軽い体が思いの外に高く飛び上がった。

「イオリ凄ーい!!」
「メチャメチャ高くまで飛んでるよ!」
「一瞬であんな所まで・・・。」
「前のイオリみたい。」」

 子供達が喜んでいる姿が足元から小さく見える。

「おっとっと・・・。
 これは凄いや。」

 自分の体が以前の様に軽い事を確認したイオリはピョンとオリオンの頭の上に着地した。

『どうだ?』

「うん。調子良いみたい。
 オリオン。ありがとう。」

『こちらこそだ。
 世界の理を崩す事なく守ってくれた事・・・感謝する。』

 イオリは以前の体に戻った事に嬉しさを噛み締めた。


※※※※※ ※※※※※ 

 いつも応援してくださる皆様へ

 『続々・拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~』をご覧頂きまして有難う御座います。
 書籍化第5弾のご報告をさせて頂きます。

 2026年2月初旬刊行予定となっております。

 今回も表紙・挿絵はTAPI岡先生が担当して下さいました。
 可愛く元気な子供達を愛でて下さいませ。
 引き続き、新しい情報をお待ち下さい。
 よろしくお願いします。

 ぽん


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