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深淵のダンジョン 〜オリオンの元へ〜
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宿屋“蓮の傘”から出てきたイオリ達は御伽話に出てくるような可愛らしいイルツクの街を歩いていた。
少し遅い朝の時間。
人々は既に動き始め、働き者達が仕事に精を出している。
そんな街の中心に悠然と存在する大鐘も太陽の光に照らされて輝いて見えた。
昨日、イルツクの街の人々は、この大鐘が鳴り響いたのを聞いた。
これまでにもダンジョンの攻略者はいたはずなのに鳴ったという記録はない。
彼等が耳にしたのは街の危機であった“エルフの里の戦士”に打ち勝った時と、今回だけだ。
街中で行われてる井戸端会議から漏れ聞こえる話から子供達は首を傾げた。
「大鐘ってダンジョン攻略しただけじゃ鳴らないんだね。」
「ダンジョンっていうか、オリオンが関係しているんじゃない?」
パティの呟きにスコルが答えた。
「そうか。そうだよ。
普通のダンジョンの攻略者って、あの大猪の魔獣を相手にして終わってるんじゃない?」
「本当のダンジョンの主はオリオンなのにね。」
双子の話にナギとニナも考察をする。
「それ間違ってないんじゃないか?
世界の均衡を守るべく存在する守護者が、そうそう人間なんかと会うわけない。
だから、大鐘だって反応しようがないもんな。」
子供達に同調するヒューゴにイオリは頷いた。
最もイオリの頭の中には鐘の紐を引っ張る亀の様子が想像され、妙に可笑しく吹き出しそうになっていたのは内緒だ。
そうこう歩いていると、イルツクの領主・ギロック伯爵家の屋敷に到着した。
門の前で警備にあたっていたのは以前と同じ衛兵で、今回も話が通っているのか、すぐに門を開け通してくれた。
門を通り抜け、見えてくるのはチューリップやハーブなどの鮮やかな庭だ。
立派なチューリップが優しい風に当たり、ゆっくりと揺れていた。
「何度見ても綺麗な庭だね。」
赤や黄色のチューリップの海を抜けると、屋敷の前ではディエゴ・ギロック騎士団長と息子であるリーベンが待っていた。
イオリ達の姿を見とめたリーベン少年は嬉しそうに走り寄ってくる。
まだ、その足音がトテトテと聞こえる小さな少年はダンジョン攻略の英雄との再会に目を輝かせている。
「おかえりなさい!」
「ただいま帰りました。
お元気にしていましたか?」
イオリに頭を撫でられたリーベン少年は嬉しそうに頷く。
「「「「ただいま!!」」」」
子供達の元気な挨拶には顔を真っ赤にしてモジモジすると「おかえり」と小さな声で返事を返す。
愛らしい反応に彼よりも年長の双子とナギとニナは堪らないといった様子で抱き付いた。
キャッキャと騒ぐ子供達にディエゴ・ギロック騎士団長の顔も朗らかだ。
「お邪魔します。」
「あぁ、よく来た。
伯爵も中で待っている。
案内しよう。」
イオリ達大人組は手を繋げて横に広がる子供達を見て、やっぱり微笑むのだった。
※※※※※ ※※※※※
いつも『続々・拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~』をご覧頂いて有難うございます。
書籍化第5弾につきまして新たなご報告をさせて頂きます。
《2026年2月9日(月)》に各書店に発送されます。
書店や地域によって数日後ろに倒れます。
それに伴い、2月9日(月)よりアルファポリス様に投稿している[302話]までを引き下げ、レンタル版との差し替えをさせて頂きます。
ご了承下さい。
応援下さる皆様に感謝申し上げます。
是非とも書籍版も楽しんで頂けますと幸いです。
今回も表紙・挿絵はTAPI岡先生が担当して下さいました。
港街を楽しむ元気な子供達を是非御堪能下さいませ。
よろしくお願い致します。
ぽん
少し遅い朝の時間。
人々は既に動き始め、働き者達が仕事に精を出している。
そんな街の中心に悠然と存在する大鐘も太陽の光に照らされて輝いて見えた。
昨日、イルツクの街の人々は、この大鐘が鳴り響いたのを聞いた。
これまでにもダンジョンの攻略者はいたはずなのに鳴ったという記録はない。
彼等が耳にしたのは街の危機であった“エルフの里の戦士”に打ち勝った時と、今回だけだ。
街中で行われてる井戸端会議から漏れ聞こえる話から子供達は首を傾げた。
「大鐘ってダンジョン攻略しただけじゃ鳴らないんだね。」
「ダンジョンっていうか、オリオンが関係しているんじゃない?」
パティの呟きにスコルが答えた。
「そうか。そうだよ。
普通のダンジョンの攻略者って、あの大猪の魔獣を相手にして終わってるんじゃない?」
「本当のダンジョンの主はオリオンなのにね。」
双子の話にナギとニナも考察をする。
「それ間違ってないんじゃないか?
世界の均衡を守るべく存在する守護者が、そうそう人間なんかと会うわけない。
だから、大鐘だって反応しようがないもんな。」
子供達に同調するヒューゴにイオリは頷いた。
最もイオリの頭の中には鐘の紐を引っ張る亀の様子が想像され、妙に可笑しく吹き出しそうになっていたのは内緒だ。
そうこう歩いていると、イルツクの領主・ギロック伯爵家の屋敷に到着した。
門の前で警備にあたっていたのは以前と同じ衛兵で、今回も話が通っているのか、すぐに門を開け通してくれた。
門を通り抜け、見えてくるのはチューリップやハーブなどの鮮やかな庭だ。
立派なチューリップが優しい風に当たり、ゆっくりと揺れていた。
「何度見ても綺麗な庭だね。」
赤や黄色のチューリップの海を抜けると、屋敷の前ではディエゴ・ギロック騎士団長と息子であるリーベンが待っていた。
イオリ達の姿を見とめたリーベン少年は嬉しそうに走り寄ってくる。
まだ、その足音がトテトテと聞こえる小さな少年はダンジョン攻略の英雄との再会に目を輝かせている。
「おかえりなさい!」
「ただいま帰りました。
お元気にしていましたか?」
イオリに頭を撫でられたリーベン少年は嬉しそうに頷く。
「「「「ただいま!!」」」」
子供達の元気な挨拶には顔を真っ赤にしてモジモジすると「おかえり」と小さな声で返事を返す。
愛らしい反応に彼よりも年長の双子とナギとニナは堪らないといった様子で抱き付いた。
キャッキャと騒ぐ子供達にディエゴ・ギロック騎士団長の顔も朗らかだ。
「お邪魔します。」
「あぁ、よく来た。
伯爵も中で待っている。
案内しよう。」
イオリ達大人組は手を繋げて横に広がる子供達を見て、やっぱり微笑むのだった。
※※※※※ ※※※※※
いつも『続々・拾ったものは大切にしましょう~子狼に気に入られた男の転移物語~』をご覧頂いて有難うございます。
書籍化第5弾につきまして新たなご報告をさせて頂きます。
《2026年2月9日(月)》に各書店に発送されます。
書店や地域によって数日後ろに倒れます。
それに伴い、2月9日(月)よりアルファポリス様に投稿している[302話]までを引き下げ、レンタル版との差し替えをさせて頂きます。
ご了承下さい。
応援下さる皆様に感謝申し上げます。
是非とも書籍版も楽しんで頂けますと幸いです。
今回も表紙・挿絵はTAPI岡先生が担当して下さいました。
港街を楽しむ元気な子供達を是非御堪能下さいませ。
よろしくお願い致します。
ぽん
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