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カッチェの店
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食事も終盤に差し掛かろうとしていた時だった。
「そうだ!
イオリの旦那。チリパウダーって何です?
ホワイトキャビンが発表したって事はイオリの旦那が関わってるんでしょ?
あれ何なんですか?
うちの店でも使えます??
ねぇ、旦那ぁぁ。」
思い出したかのようにカッチェが騒ぎ出すとイオリは困った顔をした。
「牛乳とチリパウダーかぁ。
別に合わなくはないでしょうけど・・・。
胡椒と並べてトッピングで置いて置くのは良いかもしれませんね。
でも・・・。」
唸るイオリにカッチェは真剣な顔だ。
「恐らくチリパウダーは流行ると思うんですよ。
要はチリパウダーばかり食べる人が現れるわけでしょう?
そうなれば、飽きて甘いクリームシチューやグラタンを欲するも増えると思うんですよね。」
イオリの意見に、真っ先に頷いたのはスコルだった。
「確かに。
辛いのばっかりだと甘いの食べたくなるよね。
いくら好きでも同じ味ってのもなぁ。」
「僕は辛すぎるの好きじゃない。
イオリのチリパウダーは調節してくれているからピリッとしてて美味しいけど、お店とかで出るのは辛そうだもん。
嫌だなぁ。」
ナギがそう言えば、ニナがウンウンと激しく同意している。
「クリームシチューはクリームシチューでいいんだもん。」
兄弟達が意見を言う中、食いしん坊のパティは食べる手を止めない。
「パティは美味しいものなら何でも好き。
カッチェさんの料理は全部美味しいよ。」
グラタンのソースで汚すパティの口端をヒューゴが拭ってやると、ニッコリとして再びパンに手を伸ばしている。
簡単に言えば関係ないようだ。
「てな訳で、変わらなくて良いんじゃないですか?
よそはよそ、うちわうちですよ。」
「成程・・・。」
カッチェは腕を組むと覚悟を決めた様に頷いた。
すると、そこに軽やかな声が聞こえた。
「あんた。そろそろデザート運んだ方が良いんじゃない?」
カッチェをあんたと呼ぶのは奥さんの
ゾーイだった。
カッチェはイオリが眠っていた間に幼馴染と結婚していたのだ。
「皆さんいらっしゃいませ。
ご挨拶遅くなって御免なさい。
この子がちょっとグズっちゃって。」
そんなゾーイの腕の中には、まだまだ小さな赤ちゃんが手足をバタバタとさせていた。
カッチェは一旦奥に引っ込むと厨房からミルクプリンを運んできた。
「ニナ、カッチェさんのミルクプリン大好き!」
「有難う。
沢山食べてね。」
カッチェは以前の青年っぽさが抜けた逞しい顔でニナの頭を優しく撫でた。
それもこれもゾーイさんと結婚して坊やの誕生が関係しているのだろう。
殺伐とした時間を過ごした日の終わりに優しい空気に包まれ一同はホッとするのだった。
「そうだ!
イオリの旦那。チリパウダーって何です?
ホワイトキャビンが発表したって事はイオリの旦那が関わってるんでしょ?
あれ何なんですか?
うちの店でも使えます??
ねぇ、旦那ぁぁ。」
思い出したかのようにカッチェが騒ぎ出すとイオリは困った顔をした。
「牛乳とチリパウダーかぁ。
別に合わなくはないでしょうけど・・・。
胡椒と並べてトッピングで置いて置くのは良いかもしれませんね。
でも・・・。」
唸るイオリにカッチェは真剣な顔だ。
「恐らくチリパウダーは流行ると思うんですよ。
要はチリパウダーばかり食べる人が現れるわけでしょう?
そうなれば、飽きて甘いクリームシチューやグラタンを欲するも増えると思うんですよね。」
イオリの意見に、真っ先に頷いたのはスコルだった。
「確かに。
辛いのばっかりだと甘いの食べたくなるよね。
いくら好きでも同じ味ってのもなぁ。」
「僕は辛すぎるの好きじゃない。
イオリのチリパウダーは調節してくれているからピリッとしてて美味しいけど、お店とかで出るのは辛そうだもん。
嫌だなぁ。」
ナギがそう言えば、ニナがウンウンと激しく同意している。
「クリームシチューはクリームシチューでいいんだもん。」
兄弟達が意見を言う中、食いしん坊のパティは食べる手を止めない。
「パティは美味しいものなら何でも好き。
カッチェさんの料理は全部美味しいよ。」
グラタンのソースで汚すパティの口端をヒューゴが拭ってやると、ニッコリとして再びパンに手を伸ばしている。
簡単に言えば関係ないようだ。
「てな訳で、変わらなくて良いんじゃないですか?
よそはよそ、うちわうちですよ。」
「成程・・・。」
カッチェは腕を組むと覚悟を決めた様に頷いた。
すると、そこに軽やかな声が聞こえた。
「あんた。そろそろデザート運んだ方が良いんじゃない?」
カッチェをあんたと呼ぶのは奥さんの
ゾーイだった。
カッチェはイオリが眠っていた間に幼馴染と結婚していたのだ。
「皆さんいらっしゃいませ。
ご挨拶遅くなって御免なさい。
この子がちょっとグズっちゃって。」
そんなゾーイの腕の中には、まだまだ小さな赤ちゃんが手足をバタバタとさせていた。
カッチェは一旦奥に引っ込むと厨房からミルクプリンを運んできた。
「ニナ、カッチェさんのミルクプリン大好き!」
「有難う。
沢山食べてね。」
カッチェは以前の青年っぽさが抜けた逞しい顔でニナの頭を優しく撫でた。
それもこれもゾーイさんと結婚して坊やの誕生が関係しているのだろう。
殺伐とした時間を過ごした日の終わりに優しい空気に包まれ一同はホッとするのだった。
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