続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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王都へ 〜王家領〜

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 男の名はトラスト・ブレインといった。

 元は一般の平民でしかなかった彼がブレインの姓を得たのは3年前の事だった。

 アースガイル国には貴族の子息女が通う事を義務付けられている学院がある。

 一般的な学問や教養だけではなく、学院では専門的な学びが幾つかある。
 
 将来、領主となる若き貴族は領地運営が必修であるし、騎士になりたい者は剣や弓などの扱いや軍略について学び、魔力のあるものはコントロールと才能を伸ばす事を求められた。
 
 貴族の特権と言われる学院であるが、逆に言えば、国の礎になるべく産まれた彼等が愚かである方が国としては問題である。
 乱暴に言えば特権くらい与えてやるから、しっかりと勉強して国民の安寧を守る為に身を捧げろ。
 それがアースガイル国が求める貴族教育である。

 年は13歳~25歳の間に最低4年間。
 いずれも一学年上る毎に試験があり、合格しなければ留年して翌年に再試験を受けなければならない。

 いつまでも合格しなければ御家の恥という訳で、学院に通う王侯貴族の子息女達は、この期間必死に学びに励む事を求められている。 
 
 この学院の特徴としては平民にも門戸が開かれている事だろう。
 ただし、合格ラインのソレは著しく難しく合格者がいない年すらある。

 しかし、合格し学院の学びを得て卒業する優秀な者には様々な仕事への斡旋が補償され安泰な未来が手に入る。
 商人の子息女は仕事や結婚などの縁を求め、その他の者は人生の逆転を狙ってと挑戦する者は後を経たない。

 トラストという少年も、その1人だった。

 両親はアースガイルの国内の隅々を移動する旅商人だった。

 幼い頃のトラストの記憶といえば、様々な領地で露天を開き忙しなく移動する両親の姿だ。

 両親が仕事をしている傍ら、トラストは客として訪れる土地土地の知識人達と会話をした。

 ある所では村長が、ある所では貴族が、ある所では学者と名乗る者が利発なトラストとの会話を楽しんだ。
 
 幼少期から賢かったトラストは、そんな大人達の話から教養を身につけて育った。
 反対に大人達は自分達の知識自慢を事なげに理解する子供に感心した。
 そして、彼等はトラストの才能を生かす為に学院に挑戦したらどうだと両親に勧めたのだ。

 学院の存在を知らなかったトラストは、知識が得られる場所がある事に大喜びしたが、両親は心配し学院への進学に反対した。

 それでも、多くの大人の友人達が両親を説得しトラウトは13歳の歳に学院の試験に挑戦し、見事に合格した。
 
 そして、トラストは出会ったのだ。

 将来、この国を背負う運命を持つ王子と、国有数の大貴族である公爵家の長男と・・・。





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