続々・拾ったものは大切に大切にしましょう〜子狼に気に入られた男の転移物語〜

ぽん

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王都へ 〜王家領〜

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 ポーレット公爵家の馬車が王家領に入って2日。
 これまでの旅路は実に穏やかなものだった。

 寝ずの番をするイオリも適度に睡眠が取れて体調もバッチリだ。

 今日も公爵家の馬車を騎士団が先導している。
 太陽の心地い光がポーレット公爵家騎士団の衣装を美しく煌めかせていた。

 王都領は魔獣の発生も比較的に少なく、今は穏やかな見通しの良い道なりが続いている。
 
 見通しの良いというのは味方とって良い事であるが、敵からしても都合がいいものだ。

 何処からともなく公爵一家が乗っている馬車に火の玉が襲いかかったは突然の事だった。
 
「敵襲ッー!!敵襲ッー!!」

 騎士達が一斉にポーレット公爵が乗った馬車の守りを固くする。

 矢継ぎ早に襲いかかる火の玉の合間を沸いて出た破落戸達が走り込んできて騎士達と剣を交じり合わせた。

「オラァァァァ!!」

「公爵だぁ!公爵を狙え!!」

「押せ押せっ!!」

 人数もさながら騎士団と同じ位であり、一攫千金を狙う破落戸達の勢いは凄まじくポーレット公爵家騎士団を圧倒する勢いだ。

「我が主人に刃を向ける愚か者がっ!」

 騎士団長アイザックが馬車を襲う破落戸達を剣一振りで薙ぎ倒した。
 そして、周囲を見渡し一喝する。

「騎士達よ。
 愚か者達の好きにさせるなっ!
 我らが剣はポーレットの為にある。
 常の鍛錬の成果を示す時だ。
 我らが主人に仇なす者を許すな!!」

「「「「「おおおおおおお!!」」」」」」

 アイザックの言葉に騎士達が雄叫びを上げる。
 その威圧に勢いのあった破落戸達も固唾を飲んだ。

「うわぁぁ。
 騎士達の気合いの入れようが変わったね。」

「そりゃそうだよ。
 団長だもん。
 やっぱり、カッコイイよな。」

 ポーレット公爵の乗った馬車の扉が開き薄紫色の髪をした双子が顔を出した。

「あれ?」
「公爵は??」
「クソッ!囮かっ!?」
「本物は何処だぁ?」

 時間をかけずに一気にポーレット公爵を襲う予定だったのだろう。
 愛らしい双子の登場に破落戸達が慌て始めた。
 
「教えてあげないよっ!」

「バカなの?言う訳ないじゃん。」

 双子が揃って目の下を引っ張り舌を出して破落戸を挑発した。

 その間に騎士達は大勢を立て直し、破落戸達を取り囲むように陣形をとった。

「おいっ。
 コイツ等は我らが引き受けた。
 隠れて火の玉を撃ってくる奴は魔法を使っているのだろう。
 そっちを頼む。」

 アイザックの指示にスコルとパティの双子は親指をビシッと立てた。

「「了解っ!!イオリ行くよ。」」

 そう振り返った双子の後では・・・

「ウップ・・オエェェェ」

 馬車酔いしているイオリの姿があるのだった。

「大丈夫かよ。おぃ・・・。」

 アイザックは不安そうに溜息を吐いた。







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