溜息だって吐きたくなるわっ!〜100賢人仕込みの龍姫は万年反抗期〜

ぽん

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フロドゥールの後始末

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 世界中が龍に対する考え方を改め始めた一方で、その流れを苦々しく見ている者達がいた。

 人間こそが森羅万象の頂点に立つ。
 それが人々の幸福を守れると信じ、龍の力は道具であり有効に使う事が出来るのは自分達であるとの信念を元に集まった組織。

 “ドラゴニルス”

 彼らの成り立ちは人間が栄華を誇り、自堕落に陥った事で龍に見放された時代まで遡る。

 それまで龍は世界中に存在した。
 空を見上げれば優雅に飛ぶ龍の姿を見る事が出来たし、山に住み着く龍が現れると、その地は草木や果実が豊富に実り恵にありつけた。
 鉱山を気に入り住処とした龍は、寝床を華やげる為に黄金を生み出し、勝手に取って行く人間の事など気にもしなかった。
 中には人の作った城に住み、代わりに国を司る龍すらいた。

 それが10年、100年、1000年、10000年と続いていくと龍の与えてくれる贅に満足し、人間は次第に努力を怠る様になった。

 問題が起こり始めたのは唐突だった。

 龍は何ものにも縛られない。
 その地に飽きて去ってしまう事は誰にも止められない事だった。
 だが、そんな龍の自由に困るのは人間だった。

 龍の時間は長い。
 50年や100年など龍にとっては一時の事だ。
 しかし、時間の短い人間にとって100年恩恵を与えてくれていたはずの龍が、その地を去ってしまったのだ。
 
 人里遠い山や川ならまだ良かった。
 ある日突然、黄金が手に入らなくなったら?
 国の中枢に君臨していた舵取りがいなくなったら?

 人間達は明日の生活を心配して、混乱し嘆いた。
 そして、あろう事か残された富をめぐり争い始めたのだ。

 龍は大好きな人間達が争う姿を見て悲しみ、初めて自分達の間違いに気がついた。

 愛する事は、甘やかす事ではない。

 決して対等でない関係だからこそ、龍は人間という弱き生き物に必要以上の干渉をしてはいけないのだ。

 龍は人間達の元から次々と離れて行った。
 自分達の父なる、母なる“龍王”が守る“龍王島”へと・・・。

 “龍王”は事態を見守っていた。
 人間自身が自分達の愚かさに気づき、龍との付き合い方を考え直すのであるならば、それで良かった。

 しかし、人間達は変わらなかった。
 龍の恩恵を奪い合い、他者の不幸を顧みる事なく、己の幸福を求め続けたのだ。

 人間達の争いに心を痛めた“龍王”は終いには不毛な戦いを続ける事に呆れ、龍達を“龍王島”へ引き上げさせてしまった。
 これにより、人間達を心配し残っていた全ての龍が人間との関係を断ち、“龍王島”に篭ったのだ。

 これが龍と人間の最初の分断である。
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