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3.魔法学院3年生 前編
(61).パーティーイベント
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開始と共にソフィアは魔法を発動する。
ソフィアの番号はピンクの25番。
ペアの相手はブルーの25番を持っている人。探索魔法で25番の相手に向けて蝶を飛ばす。
エンギルにお願いしてあるので、蝶の飛んだ道には影が伸びる。ソフィアはエンギルとイソールと共にその道を進む。
周りを見ると、意外とみんな番号を見せ合って相手を見つけようと地道に探しているようだ。
(魔法学院なんだから、魔法は活用しなきゃ。)
ソフィアは気づいていない。他の人たちは使いたくても魔力を温存しないといけなかったり、属性が足りなかったりするだけなのだ。
途中アンナやイネスにも会ったが、まだペアの相手は見つけていないようだった。
(ランベール様は何番なんだろ。)
蝶の跡を辿っていくと、誰かの手の上に止まっているのが見えた。きっと彼がソフィアのペアなのだろう。
走って側まで向かう。相手は留学生のダレン君だった。
「25番?」
蝶が止まっているので間違いではないだろうが、一応確認すると、ダレン君は蝶を乗せた手とは別の手のひらにある番号を見せてくれた。ソフィアは蝶を回収し、お互いの番号を近づけ、暗号解読を始める。
『on the owl』
「owlって何だっけ?」
「フクロウ…フクロウの上?」
「学院でフクロウって言うと、フクロウ小屋のことかな?」
「小屋だと複数いますよね?ヒントとすると弱い気が…フクロウ…学内のどこかに銅像でいた気が」
「「ポストの上!」」
学院には学生たちが外部と連絡を取りやすいよう、手紙を届けるよう訓練されたフクロウがいる。
ソフィアはノアやエンギルに頼んでしまうが、一般的にはこのフクロウに依頼し、各領地に置かれたポストまで届けられるのだ。フクロウ小屋の前にはポストがあり、そのポストの上にフクロウの像があるのを2人とも思い出した。
「行ってみましょ。」
走って向かう途中、何人かのペアとすれ違ったが、どのペアも暗号解読に苦戦しているようである。
フクロウ小屋についた2人はフクロウの像の上を探すが、なかなか見つからない。
「よみが違ったのかな?」
2人でもう1度冷静に考えてみる。
「でも、ここ以外にフクロウの像ってないですよね?」
「上、上…像の上じゃないなら、フクロウ小屋の上とか?」
「なるほど、それも上ですね。」
「ちょっと見てくるね。」
得意の浮遊魔法でフクロウ小屋を上から覗く。すると小屋の右上のポールに紐でくくりつけてある袋を見つけた。中を見ると25番の文字が浮かび上がった水晶玉が入っていた。
「ダレン君、あったよ。」
水晶玉の入った袋を渡すと、ダレン君がふわりと笑った。
「先輩、さすがですね。」
ゴールへと向かう道すがら、ヴィレス国のことや、ダレン君の精霊のことなど2人の間に話題が尽きなかった。
途中、ダレン君の精霊のライとメイも出てきて自己紹介してくれた。双子のように似た容姿で、動く時は必ずダレン君と手を繋ぐのでまるで兄弟のようで微笑ましい。
うちのイソールやエンギルともすぐに打ち解けていた。
2人がゴールに着くと、陛下と皇后が出迎えてくれた。タイムリミットまであと10分。
1番かと期待したけれど、ランベール様とアンナの組、リュディガー君と1年生の女の子の組に続いての3着だった。
1着のランベール様たちはペアになるのには時間がかかったものの、それぞれの暗号から時計の近くと予想して動いていたらしい。
時計塔の近くでペアだと分かり、
『clock in clock』
時計塔の中にある時計の中から、水晶玉を見つけたそうだ。
2着のリュディガー君たちはたまたま近くにいて、友人同士で番号を言い合っていたのですぐにペアになったらしい。
暗号は『plum tree』
どの木か分からないから、中庭の木を片っ端から調べたらしい。すぐに見つかって意気揚々とゴールに来たのに2着で相当がっかりしたようだ。
終了の音楽とともに上空の時計が消え、イベントは終わりを迎えた。
残念そうな学生たちがゴールへと集まってくる。陛下と皇后による表彰式を終え、閉会となった。
問題なく、学生同士の交流もできて大成功である。
ソフィアの番号はピンクの25番。
ペアの相手はブルーの25番を持っている人。探索魔法で25番の相手に向けて蝶を飛ばす。
エンギルにお願いしてあるので、蝶の飛んだ道には影が伸びる。ソフィアはエンギルとイソールと共にその道を進む。
周りを見ると、意外とみんな番号を見せ合って相手を見つけようと地道に探しているようだ。
(魔法学院なんだから、魔法は活用しなきゃ。)
ソフィアは気づいていない。他の人たちは使いたくても魔力を温存しないといけなかったり、属性が足りなかったりするだけなのだ。
途中アンナやイネスにも会ったが、まだペアの相手は見つけていないようだった。
(ランベール様は何番なんだろ。)
蝶の跡を辿っていくと、誰かの手の上に止まっているのが見えた。きっと彼がソフィアのペアなのだろう。
走って側まで向かう。相手は留学生のダレン君だった。
「25番?」
蝶が止まっているので間違いではないだろうが、一応確認すると、ダレン君は蝶を乗せた手とは別の手のひらにある番号を見せてくれた。ソフィアは蝶を回収し、お互いの番号を近づけ、暗号解読を始める。
『on the owl』
「owlって何だっけ?」
「フクロウ…フクロウの上?」
「学院でフクロウって言うと、フクロウ小屋のことかな?」
「小屋だと複数いますよね?ヒントとすると弱い気が…フクロウ…学内のどこかに銅像でいた気が」
「「ポストの上!」」
学院には学生たちが外部と連絡を取りやすいよう、手紙を届けるよう訓練されたフクロウがいる。
ソフィアはノアやエンギルに頼んでしまうが、一般的にはこのフクロウに依頼し、各領地に置かれたポストまで届けられるのだ。フクロウ小屋の前にはポストがあり、そのポストの上にフクロウの像があるのを2人とも思い出した。
「行ってみましょ。」
走って向かう途中、何人かのペアとすれ違ったが、どのペアも暗号解読に苦戦しているようである。
フクロウ小屋についた2人はフクロウの像の上を探すが、なかなか見つからない。
「よみが違ったのかな?」
2人でもう1度冷静に考えてみる。
「でも、ここ以外にフクロウの像ってないですよね?」
「上、上…像の上じゃないなら、フクロウ小屋の上とか?」
「なるほど、それも上ですね。」
「ちょっと見てくるね。」
得意の浮遊魔法でフクロウ小屋を上から覗く。すると小屋の右上のポールに紐でくくりつけてある袋を見つけた。中を見ると25番の文字が浮かび上がった水晶玉が入っていた。
「ダレン君、あったよ。」
水晶玉の入った袋を渡すと、ダレン君がふわりと笑った。
「先輩、さすがですね。」
ゴールへと向かう道すがら、ヴィレス国のことや、ダレン君の精霊のことなど2人の間に話題が尽きなかった。
途中、ダレン君の精霊のライとメイも出てきて自己紹介してくれた。双子のように似た容姿で、動く時は必ずダレン君と手を繋ぐのでまるで兄弟のようで微笑ましい。
うちのイソールやエンギルともすぐに打ち解けていた。
2人がゴールに着くと、陛下と皇后が出迎えてくれた。タイムリミットまであと10分。
1番かと期待したけれど、ランベール様とアンナの組、リュディガー君と1年生の女の子の組に続いての3着だった。
1着のランベール様たちはペアになるのには時間がかかったものの、それぞれの暗号から時計の近くと予想して動いていたらしい。
時計塔の近くでペアだと分かり、
『clock in clock』
時計塔の中にある時計の中から、水晶玉を見つけたそうだ。
2着のリュディガー君たちはたまたま近くにいて、友人同士で番号を言い合っていたのですぐにペアになったらしい。
暗号は『plum tree』
どの木か分からないから、中庭の木を片っ端から調べたらしい。すぐに見つかって意気揚々とゴールに来たのに2着で相当がっかりしたようだ。
終了の音楽とともに上空の時計が消え、イベントは終わりを迎えた。
残念そうな学生たちがゴールへと集まってくる。陛下と皇后による表彰式を終え、閉会となった。
問題なく、学生同士の交流もできて大成功である。
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