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探り合いのお茶会
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戻ってきました王都へ…
赤い封筒の中身を確認してしまったシャルノアたちは、お茶会の予定ギリギリまで辺境で羽根を伸ばし、嫌々ながらもモンティ家の邸へと戻ってきた。
父や兄も一緒だったため、帰り道は楽しく過ごせたが、王都に近づくにつれシャルノアは口数が減っていた。
(いっそ、モンティ家で辺境に移るのも良いんじゃないかしら…)
とっても現実逃避したくなる今日この頃…
「お嬢様、着きましたよ。」
ナナの声に、我に返り、馬車を降りる。義母ユリーナが居なくなったモンティ家。どうなっているのか不安に思っていたが、この家の執事&メイドたち優秀でした。特に大きな変化は見られずらユリーナが使っていた部屋は既に客間として整えられていた。
「ちゃんと離婚出来たんですね…。」
ボソッと呟いたシャルノアの言葉に、アルトは笑う。
「この家はシャルにとって居心地の良い家じゃないと困るからな。」
「これからはこの家での時間が長くなるからな。お邪魔虫は退散したってコト。」
今までは王宮での時間が長く、ユリーナとも顔を合わせないよう、家での時間は最低限にしていた。父や兄とは王宮内でも会えるので寂しくはなかったが、家族みんなで辺境で過ごすのはとても居心地が良かった。父や兄と過ごす家族の時間も、自分にとっては大切な時間だったのだ。
「ティータイムにでもしますか?」
ナナにお茶を淹れてもらい、久しぶりの我が家でまったりと過ごすのだった。
「さ、準備しますよ!」
ナナの掛け声と共に、メイドたちに身体を磨かれ、身支度を整えられる。
今日は王妃様主宰、王女たちとのお茶会だ。長年通い続けた王宮だが、あの騒動以来足を運んでおらず、久しぶりの登城となる。身分の高い人たちとのお茶会で主人が見劣りする事のないよう、ナナたちは気合いが入っていた。
(お手柔らかに…)
王宮へ向かう馬車の中。ドナドナな気分…
出来るなら もう関わりたくない 王家には。
窓の外を眺めながら、現実逃避をしていたが、時間にして1時間未満。早々と到着してしまった。
煌びやかな王城の門をくぐり、エントランスを通り抜けると、人影が見えてくる。
(外で待機してるのー⁈なんで⁈)
目上の人たちに待たれる恐怖。こちらの気持ちも考えて頂きたい…心の中で文句を言いながら、馬車を降り、丁寧に挨拶をする。
「王妃様、ご招待ありがとうございます。お待たせしてしまったようで申し訳ありません。」
「いいのよ。楽しみでじっとしてられなかったの。気にしないで。」
(いゃ、気にしますよ、普通!)
「アメリア様、シャルロッテ様、ご無沙汰しておりました。今日はよろしくお願いします。」
「シャルノア嬢、ご一緒できて嬉しいわ。さ、参りましょう。」
王妃様を先頭に歩き出す。どうやらこの様子だと、今日は中庭でのお茶会のようだ。ゆっくりと流れる噴水の横を通り、キレイなバラに囲まれたガゼボへと入っていく。テーブルには色とりどりのスイーツが並び、王宮のメイドがお茶の準備を進めている。
「さ、おかけになって。」
笑顔のアメリア様に促され、真ん中の椅子に座らされた。丸いテーブルにシャルノアを挟んで姉妹が座り、対面に王妃が座る。
(いゃ、居心地悪いー。)
表情には出さないものの、シャルノアの内心の毒づきは、ますますヒートアップしていた。
落ち着いた濃いめのエメラルドグリーンのドレスに身を包み、ふわっと揺れる銀色の髪はハーフアップで、耳元でキレイに編み込まれ、まとめられていた。
(キレイだわ。さすがシャルノア様。)
濃い色合いなのに地味に見せず、貴賓あふれる上品さが彼女にはある。きっと自分ではこんなにキレイに着こなせない。そう憧れの彼女を見ながら思っていた。シャルロッテは小柄なので、パニエで膨らんだタイプのドレスが多い。シャルノアのような細身のドレスを着ようものなら、きっと未熟な所が際立ち、幼さが目立ってしまうだろう。
「今日もおキレイですわね、シャルノア様。」
「いえ。メイドたちが頑張ってくれましたの。王家の皆様の中では埋もれてしまいますわ。」
「そんなことないわよ。誰よりも輝いて見える。」
王女たちに褒められ、居心地悪く感じていたシャルノアはカップに手を伸ばし、気持ちを落ち着かせる。
「今日はシェフが気合い入れて作ったのよ。美味しいと思うから、召し上がって。」
王女たちに勧められ、スイーツに手を伸ばす。
(知ってます。王宮のスイーツは美味しいんです。ここでの唯一の楽しみなんです。)
面倒なことは忘れて、味わうことに集中したい。この場でそんな願いは叶わないのだけれども…思うだけは自由である。
しばらく手を動かし、会話が止まっていたが、目の前の王妃様が声をかけてきた。
「しばらく辺境に遊びに行ってたのよね?シャルノア嬢は向こうに、どなたか良い相手がいるの?」
(ん?これはどう返すのが安全で正解なのかしら…)
赤い封筒の中身を確認してしまったシャルノアたちは、お茶会の予定ギリギリまで辺境で羽根を伸ばし、嫌々ながらもモンティ家の邸へと戻ってきた。
父や兄も一緒だったため、帰り道は楽しく過ごせたが、王都に近づくにつれシャルノアは口数が減っていた。
(いっそ、モンティ家で辺境に移るのも良いんじゃないかしら…)
とっても現実逃避したくなる今日この頃…
「お嬢様、着きましたよ。」
ナナの声に、我に返り、馬車を降りる。義母ユリーナが居なくなったモンティ家。どうなっているのか不安に思っていたが、この家の執事&メイドたち優秀でした。特に大きな変化は見られずらユリーナが使っていた部屋は既に客間として整えられていた。
「ちゃんと離婚出来たんですね…。」
ボソッと呟いたシャルノアの言葉に、アルトは笑う。
「この家はシャルにとって居心地の良い家じゃないと困るからな。」
「これからはこの家での時間が長くなるからな。お邪魔虫は退散したってコト。」
今までは王宮での時間が長く、ユリーナとも顔を合わせないよう、家での時間は最低限にしていた。父や兄とは王宮内でも会えるので寂しくはなかったが、家族みんなで辺境で過ごすのはとても居心地が良かった。父や兄と過ごす家族の時間も、自分にとっては大切な時間だったのだ。
「ティータイムにでもしますか?」
ナナにお茶を淹れてもらい、久しぶりの我が家でまったりと過ごすのだった。
「さ、準備しますよ!」
ナナの掛け声と共に、メイドたちに身体を磨かれ、身支度を整えられる。
今日は王妃様主宰、王女たちとのお茶会だ。長年通い続けた王宮だが、あの騒動以来足を運んでおらず、久しぶりの登城となる。身分の高い人たちとのお茶会で主人が見劣りする事のないよう、ナナたちは気合いが入っていた。
(お手柔らかに…)
王宮へ向かう馬車の中。ドナドナな気分…
出来るなら もう関わりたくない 王家には。
窓の外を眺めながら、現実逃避をしていたが、時間にして1時間未満。早々と到着してしまった。
煌びやかな王城の門をくぐり、エントランスを通り抜けると、人影が見えてくる。
(外で待機してるのー⁈なんで⁈)
目上の人たちに待たれる恐怖。こちらの気持ちも考えて頂きたい…心の中で文句を言いながら、馬車を降り、丁寧に挨拶をする。
「王妃様、ご招待ありがとうございます。お待たせしてしまったようで申し訳ありません。」
「いいのよ。楽しみでじっとしてられなかったの。気にしないで。」
(いゃ、気にしますよ、普通!)
「アメリア様、シャルロッテ様、ご無沙汰しておりました。今日はよろしくお願いします。」
「シャルノア嬢、ご一緒できて嬉しいわ。さ、参りましょう。」
王妃様を先頭に歩き出す。どうやらこの様子だと、今日は中庭でのお茶会のようだ。ゆっくりと流れる噴水の横を通り、キレイなバラに囲まれたガゼボへと入っていく。テーブルには色とりどりのスイーツが並び、王宮のメイドがお茶の準備を進めている。
「さ、おかけになって。」
笑顔のアメリア様に促され、真ん中の椅子に座らされた。丸いテーブルにシャルノアを挟んで姉妹が座り、対面に王妃が座る。
(いゃ、居心地悪いー。)
表情には出さないものの、シャルノアの内心の毒づきは、ますますヒートアップしていた。
落ち着いた濃いめのエメラルドグリーンのドレスに身を包み、ふわっと揺れる銀色の髪はハーフアップで、耳元でキレイに編み込まれ、まとめられていた。
(キレイだわ。さすがシャルノア様。)
濃い色合いなのに地味に見せず、貴賓あふれる上品さが彼女にはある。きっと自分ではこんなにキレイに着こなせない。そう憧れの彼女を見ながら思っていた。シャルロッテは小柄なので、パニエで膨らんだタイプのドレスが多い。シャルノアのような細身のドレスを着ようものなら、きっと未熟な所が際立ち、幼さが目立ってしまうだろう。
「今日もおキレイですわね、シャルノア様。」
「いえ。メイドたちが頑張ってくれましたの。王家の皆様の中では埋もれてしまいますわ。」
「そんなことないわよ。誰よりも輝いて見える。」
王女たちに褒められ、居心地悪く感じていたシャルノアはカップに手を伸ばし、気持ちを落ち着かせる。
「今日はシェフが気合い入れて作ったのよ。美味しいと思うから、召し上がって。」
王女たちに勧められ、スイーツに手を伸ばす。
(知ってます。王宮のスイーツは美味しいんです。ここでの唯一の楽しみなんです。)
面倒なことは忘れて、味わうことに集中したい。この場でそんな願いは叶わないのだけれども…思うだけは自由である。
しばらく手を動かし、会話が止まっていたが、目の前の王妃様が声をかけてきた。
「しばらく辺境に遊びに行ってたのよね?シャルノア嬢は向こうに、どなたか良い相手がいるの?」
(ん?これはどう返すのが安全で正解なのかしら…)
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