ボーイズラブ

桜 晴樹

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加賀美大地の憂鬱

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ボーイズラブで登場した加賀美くん中心です。






加賀美大地の憂鬱





加賀美の幼馴染みに飯田睦美という同性で同い年のクラスメイトがいる。
幼い頃から、兄弟の様に育ってきた。加賀美にとっては、睦美は弟の様な存在だ。
その睦美は、先日恋人ができた。男の恋人だ。
その恋人は、加賀美と睦美と同じクラスであり、カースト制度で例えると、常に上位に位置している。眉目秀麗、文武両道である久世隆太は、性格に難有りだった。
その隆太と、加賀美の弟同然の睦美が付き合う経緯になった時、加賀美はどうしても抜け出せない用事があった。
その事が悔やまれる加賀美であったが、隆太が思った程、酷い性格ではなく、睦美を溺愛しているのを側からでも分かるので、まあ、いいかと思うことにした。
そう思う事に努力をしている。

「大ちゃんは、本当に飯田の事好きだな。」

クラスメイトに言われる程、加賀美は、睦美を眺めていた。

「そうか?」

そのつもりはなかった。ただ何時も独りでいる睦美を気にかけていた。最近は、恋人の隆太と一緒の事が多く、出る幕はなくなっている。

「そうだよ。偶には、俺も構って欲しいな。」

肩を組まれ、顔を覗き込まれる。
端正な男の顔が目の前に現れたが、加賀美にとっては、どうでもいい。男の顔を手で、邪魔だと言わんばかりに退かす。

「俺はそこまで暇では無いんでね。他当たってくれ。」

加賀美は、このクラスメイトに最近付き纏われるようになった。特別何かをしたのでも無い。
ある日の放課後に、急に呼ばれ告白された。

「俺、加賀美が好きなんだ。付き合ってくれ。」

唯のクラスメイトで席が近いだけだ。なのにも関わらず、そのクラスメイト、鈴谷颯汰すずやそうたは、加賀美を好きだという。

「ごめん。無理。」

加賀美は、体を鍛え過ぎて、稀に男からも告白される事がある。だが、生憎と異性が好きだ。付き合うなら可愛い女の子が良い。と、思っていた。鈴谷は、茶髪に軟派に見える性格で顔はモデルの様に整っている。
そんな男に告白されて、女ならば靡くであろう。だが、加賀美は男だ。男が男に告白されて良い気はしない。

「うん、分かってるよ。でも、好きだから、これからは本気で口説かせてもらうね。」

戦線布告である。

「俺の意見は無いんだな‥。」

「ごめんね。」

こうして、鈴谷からのアプローチが始まった。

アプローチをされる事が増え、いつの間にか側にいて、身体の触れ合いが多くなった気がする。
鈴谷は、気付いたら授業中以外は、抱きついたり、加賀美を膝抱っこしていたりする。

「邪魔なんだけど‥。」

「釣れないこと言うなよ。」

そう言いながら、ほっぺにちゅーっをする。
もう加賀美は、慣れたもので動じなくなってしまった。

「それより、次の授業は体育だな。着替えようぜ。」

鈴谷を引き剥がし、その場で着替え出す。とは言っても、中に既に来ているので、ワイシャツとズボンを脱げば終わりだ。
因みに女子達は既に更衣室に移動している。
その男らしい豪快さ(?)に、鈴谷だけでは無く、他の男子も少し頬を染めていた。が、その後、裸を見れなかった事にガッカリしていた。
頬を染めている男子は皆、密かに加賀美の身体の崇拝者だ。

「何してんの?」

「あ、ああっ!なんでもっ!」

加賀美は、さっと着替えて、鈴谷を見つめた。見つめた事を、咎められた様な気がして、鈴谷は急いで着替え出した。

体育の授業は、バスケだった。
加賀美は、体を動かす系は、この上無く得意だ。
水を得た魚の様に、生き生きとしている。
鈴谷も、体を動かすのは得意な方。鈴谷と加賀美は、まるで昔からのコンビの様に意思の疎通が完璧だ。
だからか、クラスメイトは、2人を一緒のグループにはさせたくない。
そうしてクラスメイトの思惑で、別チームになった二人だったが、それはそれでお互いを知り尽くしたライバルの様に、戦う姿は周りの人々の心を捉えて離さない。加えて技術と見る目が高い二人は、ここぞという時に良いパスを回し、チームの輪を整えていく。その姿はまるで、リーダーになって周りを引っ張っていく目立つ存在だった。
だが、二人だけではなくバスケ部員も存在しているし、身体能力が高い者達も存在している。ただの授業内容にしては、濃い試合運びになっていた。
試合が終わり、鈴谷が直ぐに抱き付いてきた。

「大ちゃん!やっぱり最高だ!」

「はっ!なにが、!?てか離れろよ。」

鈴谷に抱き締められて、加賀美はよろけてしまう。
鈴谷は、それをすかさず、抱きしめる力を込め、転倒を阻止する。

「なんか、アイツらって‥付き合ってんのかな‥。」

クラスメイトが、たまに本気で悩む程、濃厚なスキンシップを繰り広げているのを本人達だけが気付かずにいた。
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